天よ、何故に私を見捨てたもうか(アルファポ版)

小夜時雨

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目録(作者用途 辞典的なもの) 番外編

神人の行方 番外編

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 神と人との間に違いがあるらしい。
 それはなんだろう?

 鳥である自分にはとんとわからぬことだ。
 我は竜のように強い爪や体を持っていないし、貧弱なただの鳥である。
 
 ちょうど良い具合に、休むに適した移動式巣篭もりがあったため、そこを終の住処にしただけである。決して、寂しそうにしてたから、とか心配してたからではない。
 
 人間であるらしいところのコヤツは、よく笑い、よく食べていた。
食べられるときに食べるのがモットー、とのことだ。わしはよくわからないから、鳥だし。適当に相手にしてやった。どれ、美声を聞かせてやるとしよう。そうすれば、貴奴も少々、足取りも軽くなるというもの。果物だって捧げてくるし、愛(う)いやつめ。

 あっしの他には鳥はいない。
 
 だからか、わしは喜んだ。あたしは鳥だ、鳥だからこそ一体なにをいっているのかわからない。
 歩けば忘れるし、怒ってたはずなのに何があったのか覚えていない。
 ただムカつくときは、此奴の毛をむしるに限る。むしむし。
 啄んでやれば元気に飛び上がるのだ。ありがたく思えよ、若造。

 しかしうちも忘れやすい鳥だ、おぼろのような月のごとき嘆きに、ついぞ私も目覚めるというものだ。
 仕方ない。

 自分もついていこう。
 死後の旅路を。

 まあ鳥だから、寿命が短いゆえ、先にお暇してて待ちくたびれてもいたがな。
 だから泣くな、異世界の者よ。
 悲しく悲嘆に暮れるな。
 わたしがついていく。辛ければ歌ってやるし、踊って誘ってやろう、この死出の旅を。




 だからいい加減泣きやめい、この!
 人の身になろうとも、つんつく毟ってやろうとも!
 
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