どうしよう、俺の公子様がXXに。

小夜時雨

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夜会へ②

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 友人に断りを入れ、仕入れる情報というものは案の定、ゲスなものばかりだ。

 「神秘的な瞳に……乾杯」

 だけなら、まだ優しいほうだ。
 今回の目玉は、やはり。
 
 「茂みの中でお盛んにやってるのをみたよ」

 親戚の親戚の親戚、……が語る。
足を組み直し、ふむ、と蓄えた口髭に触れながら。

 「……足を大きく割って、ずいぶんと激しい交わりをしていたよ。
 公子殿は、なんとも稀代の色狂いになられたものだ」

 曰く、あまりの劇的な光景に、蠱惑的な声に、艶に、誰もが惹きつけられて見守っていた、と。

 「最近の夜会は公子殿ばかりが目立つ。
 そのせいで、君のようにきちんと言葉を交わすことが珍しいことになってしまった」

 
 ……。


 夫婦できたものらしい、彼らは辺境に住まう商人だった。

 「まさか、今回の夜会も公子様が来られるとは」
 「まあ、仕方あるまい。
  あれほどまでに魅惑的な方なのだから」

 困惑している様子だったが、公子の淫乱さに、商売あがったりにならぬよう、いわゆる発情剤を売る方へシフトチェンジしたらしく、大いに売り抜けているらしい。

 「へい、まいど!」

 なぜ僕は買ってしまったのか。
 (あとでタイザーのポケットに入れとこう)
 商人はふー、と本音を漏らし始めた。

 「獣人としてはまあ、そりゃあ、その気になったらやるっちゃやるけど。
 けどね、あれほど体を虐め抜いてまで、お盛んになるのは……」
 「はっちゃけ、なんですかねえ」
 「わからん。だが、目の保養ではあるな」
 「ああ……ま、公子殿はあそこまで姿形が美しいのですから。
 あそこまでも、綺麗でしたけれど」
 「たっぷり見てたもんな、お前」
 「いやね、あなた。
  でも、興奮してたでしょ?」
 「当てられたんだ」

 いちゃ……いちゃ……いちゃいちゃ。
 僕は夫婦の交歓が今にも始まりそうな彼らから退避した。
 お互いに触り合いっこし始めてたし……獣人はこれだから。
 
 俗に言う、休憩室、へと向かう彼らを尻目に、僕は友人タイザーの元へと戻ることにした。
 おおむね、必要な情報は集まったからだ。

 神秘的なエメラルドの瞳、色づく唇。
 氷のような彫像の美麗な面差し、猫科目特有の、しなやかな体。
 複数人との性交渉は大いに貴族らの間にとって楽しみ、となっているらしかった。
 だからか、公子との接触は楽しみにしているものもいるらしい……僕は未だ、まだ公子と交わったことのある獣人に出会ってはいないが、胸を揉みしだかれながら、性欲で汚されながらも美しく鳴く彼のエロさはとんでもなくとんでもなかった。
 
 特に、体つきに関しては、ホクロの位置まで貴族連中に知られているのには、参った。
 自業自得、だろうか?
 でも……嫌だな、というより。
 天上人、といった風で。
 
 (まるで自分に関係ない、って感じが…)

 するのは、僕が冷たいから、だろうか。

 「でも、僕が一番最初に彼のすべてを手に入れたのだから」

 
 
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