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まず最初にやってきたご夫婦、義理の両親ですはじめまして。
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フリードの両親、まさしく猫らしい気品ある顔だちの……そう、猫の顔だった。二人とも。
体は人型で、前世の記憶を引き出したら奇妙に思うところだが、この世界は獣人世界なため、当たり前のように受け止める。
「まあまあ、可愛い子ね」
「はじめまして、猫です」
「そうねえ、あなたは猫だわ」
「マイワイフ、君もね」
「あはは」
「おほほ」
顔が猫型のまま、とっても軽快に喋り倒していた。
格好はナイスミドル、深窓なマダム、といった風体なので、なんとも見た目だけは奥ゆかしい貴族らしい貴族だった。
「わたくしたち、同じ猫科でねえ。猫顔のまま生まれたものだから、
このほうが楽で楽で」
人の顔にもなることはできるらしいが、この夫婦、こっちが正しい、と思って猫の顔のまま器用に生きているものらしい。顔がふさふさだが、伸びている腕から先はしゅっとしていて人の手をしている。僕は獣人のファッションチェックに興味がないうえに疎いため、そういった生き方もあるのだろう……と思うことしかできない。
やけにヌイグルミちっくな猫顔は間違いなく毛がみっちりと生えており、柔らかそうですらある。
(毛並みは息子とそっくりだなあ)
フリードの毛並みもふさふさで、確かにこの親子の子である証ではあった。色も似ている。
「今日は楽しみにきたのよ!
とうとうこの破廉恥な息子にも春がきたと!」
「おいおいよさないか、本当のことを言うのは」
しかもあけすけで、オープンマインドは凄まじい。
いや、確かに、息子さんもそうとうオープンだったっけ……血筋かもしれない。
「父上っ……母上、なんてことをリヒの前で言うのです……!」
ぷんぷん、といった態で、隣にいるフリードは口答えをする。
「今後、仲良くするのはリヒとだけです!」
(う、うーん)
その言い方も絶妙に怪しい言い回しだ。過去にナニかあった……あったんだけど、微妙な気持ちにもなる。
「あらあらアツアツね!」
「もう夏が来たのか。今年は季節の移り変わり目が早いな」
ひゅうひゅう、とでも言いそうなフリードのご両親に、僕としてもどうにも言葉にしづらく、微笑みを口元に保つ。
「リヒトくんも、もしこの子の変態っぷりについていけない、ダメだと思ったら、
離婚していいからね?」
「しません!」
「はっはっは、まだ結婚もしてないというのに、
とうとうバツ2か」
「増やさないでください!」
なんとも、ヴァン家の家族模様が薄ら見える食事会のはじまりだった。
(息子であるフリードの、夜会での振る舞い……、
不安に思っていたんだろうなあ)
そして、息子の婚約者が男でいいんだろうか……と思ったが、とんでもなくウェルカムな舞台であったため、話はフリードの子供の頃の話題に移り変わり、彼がいかにモテモテ人生を送ってきたのかを知る羽目になった。
今がこれほど陶器のような肌と顔をしているんだから、幼少期などそりゃあとんでもなかったことだろう。何回か誘拐騒ぎもあったらしい。が、そういう場合、ただの子猫ではない大型猫の子猫であったことが幸いし、ことなきをえたとか。
(僕の場合……破壊し尽くすばかりだったなあ)
力の加減、難しい。
最初は、この二人。
次にやってきたのは、遅れてやってきた僕の両親だった。
体は人型で、前世の記憶を引き出したら奇妙に思うところだが、この世界は獣人世界なため、当たり前のように受け止める。
「まあまあ、可愛い子ね」
「はじめまして、猫です」
「そうねえ、あなたは猫だわ」
「マイワイフ、君もね」
「あはは」
「おほほ」
顔が猫型のまま、とっても軽快に喋り倒していた。
格好はナイスミドル、深窓なマダム、といった風体なので、なんとも見た目だけは奥ゆかしい貴族らしい貴族だった。
「わたくしたち、同じ猫科でねえ。猫顔のまま生まれたものだから、
このほうが楽で楽で」
人の顔にもなることはできるらしいが、この夫婦、こっちが正しい、と思って猫の顔のまま器用に生きているものらしい。顔がふさふさだが、伸びている腕から先はしゅっとしていて人の手をしている。僕は獣人のファッションチェックに興味がないうえに疎いため、そういった生き方もあるのだろう……と思うことしかできない。
やけにヌイグルミちっくな猫顔は間違いなく毛がみっちりと生えており、柔らかそうですらある。
(毛並みは息子とそっくりだなあ)
フリードの毛並みもふさふさで、確かにこの親子の子である証ではあった。色も似ている。
「今日は楽しみにきたのよ!
とうとうこの破廉恥な息子にも春がきたと!」
「おいおいよさないか、本当のことを言うのは」
しかもあけすけで、オープンマインドは凄まじい。
いや、確かに、息子さんもそうとうオープンだったっけ……血筋かもしれない。
「父上っ……母上、なんてことをリヒの前で言うのです……!」
ぷんぷん、といった態で、隣にいるフリードは口答えをする。
「今後、仲良くするのはリヒとだけです!」
(う、うーん)
その言い方も絶妙に怪しい言い回しだ。過去にナニかあった……あったんだけど、微妙な気持ちにもなる。
「あらあらアツアツね!」
「もう夏が来たのか。今年は季節の移り変わり目が早いな」
ひゅうひゅう、とでも言いそうなフリードのご両親に、僕としてもどうにも言葉にしづらく、微笑みを口元に保つ。
「リヒトくんも、もしこの子の変態っぷりについていけない、ダメだと思ったら、
離婚していいからね?」
「しません!」
「はっはっは、まだ結婚もしてないというのに、
とうとうバツ2か」
「増やさないでください!」
なんとも、ヴァン家の家族模様が薄ら見える食事会のはじまりだった。
(息子であるフリードの、夜会での振る舞い……、
不安に思っていたんだろうなあ)
そして、息子の婚約者が男でいいんだろうか……と思ったが、とんでもなくウェルカムな舞台であったため、話はフリードの子供の頃の話題に移り変わり、彼がいかにモテモテ人生を送ってきたのかを知る羽目になった。
今がこれほど陶器のような肌と顔をしているんだから、幼少期などそりゃあとんでもなかったことだろう。何回か誘拐騒ぎもあったらしい。が、そういう場合、ただの子猫ではない大型猫の子猫であったことが幸いし、ことなきをえたとか。
(僕の場合……破壊し尽くすばかりだったなあ)
力の加減、難しい。
最初は、この二人。
次にやってきたのは、遅れてやってきた僕の両親だった。
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