どうしよう、俺の公子様がXXに。

小夜時雨

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ずいぶんと態度のでかい鳩だな

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 「販売ルートは元は庶民に流れていた、
  たいして薬効成分の薄い、
  いわばお試しのようなものだったが、
  それが次第にエスカレートしていったものが、
  おまえの旦那様に使われていた悪法成分高い薬だな」

 鳩氏、もとい、ローラン・グアランが報告にやってきた。
定刻通り、ヴォル家の応接室にちゃんと来てくれるのが面白……生真面目な獣人である。
 
 「へー、原点があったわけだ」
 「思いの外売れたみたいだからな」
 「薄利多売ってやつね」
 「それで儲けが出たから、
  さらにプレミアつけた特別版が闇から表に出たってわけ」
 「ふーん」

 しかも、結構細かい。
 (逆にこういう性格の獣人のほうが、
  警ら隊とかに入ったらウマが合いそうだけど)
 
 一応、脳筋獣人集団を取りしまっているのが一番強い王様、という形ではあるのだが、それでも大暴れする馬鹿タレはいるもので、そういう暴れん坊たちを始末……抑える役目を担っているのが警ら隊、もとい傭兵など。ここら辺、すごくバラバラなんだよね……街によっては名称下手したら違っていて、町内会防衛隊だったりする。青年部かな。
 
 「基本は裏の世界でしか使われない、
  滅多に出ない代物だが……、
  悪い遊びを覚えた貴族たちによって
  表に出てしまったみてぇだな」
 「ほーう」
 「その笑顔こええよ」

 (うーんやっぱりか)
 なんたって僕が大暴れして始末つけたときの、奴らの顔格好雰囲気は明らかにぼっちゃんって感じだったもんな。

 「手際といい、手慣れてる感じがしたけど、
  常習犯なの?」
 「鋭いねえ」

 その通り、とローラン・グアランはニヤリと笑いながら懐から証拠物っぽいものを出してきた。

 「あ、これ」
 
 蓋を目の前で開けられると、小瓶からはなんとも言い難い匂いがしてくる……。

 「うーん、ツンとくるスパイシー」
 「そ、そうなのか?」

 どうやらローランの鼻の調子は悪いらしい。

 「鳩だからかな、わからん……」
 「ルフスさんはどう?」

 少し離れたところでルフスさんは茶菓子の準備をしていた。
その手を休め、曲げていた背中をまっすぐにして僕にもわかるほど、鼻をヒクヒクさせて。

 「……そうですね。
  ずいぶんと刺激的な香り。
  娼館でたまに流用されてるものに近いか、同じですね」
 「え、そうなんだ」
 「はい。
  そういうものも嗜みだそうで」

 もちろん、猫科の娼婦だっているわけで。
ルフスさんのいるところは男娼のみだったけれども、猫の子だっていたそうである。
 
 「……背徳感やべぇな」
 「……ローランさん?」
 「うう。わかっとりますよ。
  さすがに……」

 想像していただけただろうか。
僕が彼の前で、ぎゅ、と首を絞める動作をしたのを。
首を窄めたので、きっと鳥の絞めを思い出したに違いない。
 (鳥類が鶏肉を食べる、ってのも想像するとシュールだけど)
 僕は食べれるから問題ないけど、ローランの場合は気になる。食べるんだろうか。

 「まあ、これはそこまで強いものではない、
  一般的に流通しているお遊びのようなものですわ」
 「ほー」

 (しかし、こんなオモチャの強化版で、
  あんなにゴロにゃんしちゃうなんて)
 やっぱりマタタビってパない。

 「ちょっとずつ改良してるのがすごい性根逞しい製品というか」
 「一般流通してるのが気になるね」
 「まぁなあ……。
  よっぽど、後ろが強いのかいまだにしっぽが掴めねえ」
 
 成分の強さはともかくとして、婚約者どのが参ってしまった一発OK薬はそう簡単にはやはり表には出てこない、けれども貴族社会では、多少、顔の立つ相手だとそれなりに手に入りやすいそうである。
 まだ物的証拠が手に入っていないけど。
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