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【その作戦で】決定された作戦【大丈夫か?】
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作戦は、こうだ。
今いる部隊を小分けにして戦力を分散し、つゆ払い役と、本命部隊がバラバラで領都に入り込む。
それだけ。
「……でも、フリード。
これじゃ各個撃破されてしまうだけでは?」
「問題ない。
普段より、鍛えられている騎士たちだ、遅れをとるはずもない」
(いや、そりゃそうだと思いたいが)
とはいえ、騎士らが並走している馬車の近くで警護しているというのに、彼らのチカラを弱いと断定して口にしてしまうのはさすがに……さぞや傲慢な子息だと思われることだろう、ヴォル家の嫁(婿)は騎士たちを認めず、トンデモな性格をしていると。
僕がじとっとした視線を投げていると、フリードはさすがにきまりが悪いと思ったのか、付け足しではあるが補足事項を述べた。
「彼らは獣人の騎士たちだ。
仲間意識が強く、国や家族にその剣を捧げたものたちで構成されている。
……そう悪いようにはならないはずだ」
「なるほど」
(信頼している、ってことかな)
ふむ、と窓辺から見える騎士たちを観察すると、フレンドリーに未来のヴォル家の嫁である僕に対し、あれこれと答えてくれた事実を思い起こす。暇をあかして野外キャンプの周りをぐるぐる周り、時間をとれそうな獣人らにあれこれとねだって話をしていたのだが、そうか。
(性格の良い、信頼のおける裏のない獣人らを、
かき集めたのか)
精鋭でもある、のだから、そうなんだろう。
馬車の音と蹄の音。
重なるものは確かにある。
フリードのまっすぐな視線を見返し続けていると、彼はふ、と笑い。
「……そうですね。
早くこの懸念材料を調理すれば、
するほどに、我々の結婚式後の旅行が捻るというものです」
(どうやらご褒美があるらしい)
それが本音か。
今のこの状態がそれに近しいと思ってたけれど、さらなる人参を獣人の王はぶら下げてくれていた。
おかげでフリードはまだ見ぬ未来へ思いを馳せている。
「朝から晩まで……というのもありですね」
「ありじゃあないですね……」
まあ、確かに彼ら騎士たちの動きは悪くはなかったし……。
むしろ公子様がバチバチに本気モードで大型猫に変化したせいで、騎士たちの活躍の場が裏方仕事のような、後始末をするような仕事ばかりになってしまい、……実力を見逃してしまった。未知数ではあるが、フリードの方がよく知っているはずだ、彼らを。
(先発部隊もいることだし、潜んでいるだろうから)
万が一も含め考えてはいるのだから、なんとかはなるだろう。なるだろう、
「……けど……」
しばらくして、僕らのいる馬車とはまた別の馬車をひきづって進む騎士たちの姿が窓辺から遠のいていった。
「……大丈夫かなあ」
「大丈夫ですよ、ご心配なさらなくても、
彼らは無事に敵をひっとらえてきます。
…その時が楽しみです」
ふふふふ、とついに悪い笑みをしてみせるフリード。顔が良いせいで、極悪度が増している。
「エンバスどもは勝利すると確信しているようですからね。
……俺がこの通り、椅子に座ることも仕事としていましたから、
ひ弱に見えるのでしょう。まったく、ひどい話です」
「……そう、だね。
……フリードって」
「ん?」
「いえ、なんでもないです」
一瞬、浮かんだ頭の映像は、彼がモテすぎてあれこれと誘拐騒ぎもあった、って話だ。実際、薬盛られて不意にしてやられてはいたが今回の動きをみると。
……まあ、そう考えると彼の行動は解決に近いのかもしれない。
今いる部隊を小分けにして戦力を分散し、つゆ払い役と、本命部隊がバラバラで領都に入り込む。
それだけ。
「……でも、フリード。
これじゃ各個撃破されてしまうだけでは?」
「問題ない。
普段より、鍛えられている騎士たちだ、遅れをとるはずもない」
(いや、そりゃそうだと思いたいが)
とはいえ、騎士らが並走している馬車の近くで警護しているというのに、彼らのチカラを弱いと断定して口にしてしまうのはさすがに……さぞや傲慢な子息だと思われることだろう、ヴォル家の嫁(婿)は騎士たちを認めず、トンデモな性格をしていると。
僕がじとっとした視線を投げていると、フリードはさすがにきまりが悪いと思ったのか、付け足しではあるが補足事項を述べた。
「彼らは獣人の騎士たちだ。
仲間意識が強く、国や家族にその剣を捧げたものたちで構成されている。
……そう悪いようにはならないはずだ」
「なるほど」
(信頼している、ってことかな)
ふむ、と窓辺から見える騎士たちを観察すると、フレンドリーに未来のヴォル家の嫁である僕に対し、あれこれと答えてくれた事実を思い起こす。暇をあかして野外キャンプの周りをぐるぐる周り、時間をとれそうな獣人らにあれこれとねだって話をしていたのだが、そうか。
(性格の良い、信頼のおける裏のない獣人らを、
かき集めたのか)
精鋭でもある、のだから、そうなんだろう。
馬車の音と蹄の音。
重なるものは確かにある。
フリードのまっすぐな視線を見返し続けていると、彼はふ、と笑い。
「……そうですね。
早くこの懸念材料を調理すれば、
するほどに、我々の結婚式後の旅行が捻るというものです」
(どうやらご褒美があるらしい)
それが本音か。
今のこの状態がそれに近しいと思ってたけれど、さらなる人参を獣人の王はぶら下げてくれていた。
おかげでフリードはまだ見ぬ未来へ思いを馳せている。
「朝から晩まで……というのもありですね」
「ありじゃあないですね……」
まあ、確かに彼ら騎士たちの動きは悪くはなかったし……。
むしろ公子様がバチバチに本気モードで大型猫に変化したせいで、騎士たちの活躍の場が裏方仕事のような、後始末をするような仕事ばかりになってしまい、……実力を見逃してしまった。未知数ではあるが、フリードの方がよく知っているはずだ、彼らを。
(先発部隊もいることだし、潜んでいるだろうから)
万が一も含め考えてはいるのだから、なんとかはなるだろう。なるだろう、
「……けど……」
しばらくして、僕らのいる馬車とはまた別の馬車をひきづって進む騎士たちの姿が窓辺から遠のいていった。
「……大丈夫かなあ」
「大丈夫ですよ、ご心配なさらなくても、
彼らは無事に敵をひっとらえてきます。
…その時が楽しみです」
ふふふふ、とついに悪い笑みをしてみせるフリード。顔が良いせいで、極悪度が増している。
「エンバスどもは勝利すると確信しているようですからね。
……俺がこの通り、椅子に座ることも仕事としていましたから、
ひ弱に見えるのでしょう。まったく、ひどい話です」
「……そう、だね。
……フリードって」
「ん?」
「いえ、なんでもないです」
一瞬、浮かんだ頭の映像は、彼がモテすぎてあれこれと誘拐騒ぎもあった、って話だ。実際、薬盛られて不意にしてやられてはいたが今回の動きをみると。
……まあ、そう考えると彼の行動は解決に近いのかもしれない。
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