死神の異世界生活

こんぶおにぎり

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死神の仕事１ー３『アネッタ』

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「それじゃあ、君はこの店で待っていてくれ。」
「はい！」

私は冒険者ギルドに向かった。

「あの、すみませんが難易度の低い指名手配犯とかって選んでもらうことできます？」

カウンターのお姉さんに聞く。

「はい、大丈夫ですよ！」

良かった。選んでもらえるっぽいな。

「ですけどいいんですか？指名手配犯は厄介なことが多いんですが……それにあなたは冒険者になってすぐですよね？」
「はい、けど意外と私、強いんですよ！」

笑顔で答えると、受付の方は愛想笑いで返してきた。
ホントに強いんだよ、私……
ホントのホント……

受付の人が何枚か持ってきてくれた。

「難易度が低そうなのはこの３枚ですね。あなたから向かって左から、
リヒト：盗賊、ヒチエ：海賊、キンナ：海賊、となっております。この三人は賞金１０万がもらえますので」

盗賊っていや、確かアネッタは盗賊に殺されるんだったな。帰ってもう一度よく見てみようか。

「ありがとうございました」

丁寧に頭を下げる。

「いえいえ、頑張ってください。死なないように注意してくださいね～！」

私は死神だけど死ぬのかな？
素直な疑問が頭から出てくる。

「アネッタ、出てきてくれ」
「指名手配犯殺せたんですか？」
「さすがに速すぎだ！できるわけがないだろう」
「そ、そうですよね……ごめんなさい」
「いいな、この景色…」

そこから見えるのはアネッタの谷間だ。

「え？」
「うおっほん！でもこれで大丈夫だ。君を殺す予定の男はこの手配書通りの奴らしい」
咳ばらいをしつつ、平静を装う。

「後は君が家の中でくつろぐだけだぞ！」
「わかりました！頑張ります！」

今アネッタは本を読みふけっている。
きた～、盗賊の顔、手配書とまんま一緒じゃん♪

よし！入られる前にっと……

「おい、そこの盗賊くん。観念して死にたまえ」
盗賊は驚いて目を見開いている。
「な、なんだてめぇ」
服の内からナイフを取り出した。
「君は指名手配だから殺させてもらうよ」
「簡単に殺せるわけねーだろ！むしろ返り討ちにしてやる」

ん？
てか、会話もできるし、姿も見れているな、コイツ。
やっぱり、関係あるやつには見えるんだな。

そんなことを考えているうちに、盗賊は詠唱を始めた。
「～～～～」
「なんか言ってるな……わけわからん」

アネッタが窓から出てきた。
「詠唱には詠唱用の言葉があるの！」

ふ～ん、そうなんだ。だから何言っているか分からないんだな。

「よ～し、でてこい、私の武器ちゃん」

左の何もない空間から鎌が出てきた。いわゆる”死神の鎌”である。

「くらえ！風の矢！」

無数の風で作られた矢が死神の方へと向かっていく。
ライザ(死神の名前)は出てきた鎌をつかんで、姿勢を低くしながら振りかぶった。
矢は体の上を通過する。
ライザは振りかぶった鎌を足にめがけて振り下ろす。

「ぎゃあああああ」

両足が斬れて、ずるりと落ちた。

「あ、やっべぇ……アネッタに見えないようにしないと」
「た、たたた、助けてくれよ！」
「無理だよ。君殺すと一石二鳥なんだ」
「きさま～！！」
「ほい！完了」

心臓に切っ先を刺すと、絶叫しながら死んでいった。

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