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死神の仕事1ー2『アネッタ』
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今日が、アネッタが死んでしまう日だ。
そろそろだな。
きた!
体がワープし、見覚えのある場所に移動した。
そう、アネッタの店である。
ドン!
誰かとぶつかってしまったな。
「すいません」
しかし、相手はキョロキョロとして不思議そうに席に座った。
「これはもしかして、死神の仕事の時は本来のスタイルで出来るってことか?さっきの人は姿も見えていないし、声も届いていないみたいだった……」
おそらく、この状態の俺はアネッタにしか見えない。
カウンターに座り、声をかける。
「アネッタさん。お話があるので、休憩時間に声をかけてもらってもいいですか?」
「いいですけど……」
コーヒーを一杯もらって、居座った。
おそらく、コーヒーカップも消えているのだろう。
ーーー
休憩時間
アネッタがきた。
「話ってなんでしょうか?」
少し怯えた表情だ。
私は外に出るようにした。
「私は死神だ」
「へ?」
「だから死神だ!」
「死神ってなんですか?」
彼女は死神を知らないのか?
こっちの世界ではなんと言えばいいんだろう。
「もうすぐ死んでしまう者の前に現れるヤツだな、うん」
そのままだな……
「それじゃあ、私は死んじゃうってことですか?」
おろおろしながらこっちを見てくる。
この子死んじゃうのか……
スッゴい可愛いのにな。
「ああ、そうだ。今日犯罪者に殺される」
「そ、そんなの信じられません!」
「本当のことなんだ。嘘じゃない」
信じていないらしい。
まぁ、無理もない。
急に死ぬなんて言われたりしても信じられるわけがない。
私でも信じないだろう。
「みんな~こっちを来てくれ」
店内に向かって、大きな声を出す。
誰も反応しない。
振り返ったりもなにもだ。
「ほら、私が普通じゃないってことはわかっただろ?」
……そんな顔しないで~
めっちゃ怖がってんじゃん。
「そのかわり、今から死ぬまでにやり残したことを一緒に手伝ってやる」
彼女は考え込んでから答えた。
「あの、死なないように手伝ってもらえませんか?」
普通は死にたくはないよな。
「死ぬことは確定事項なんだ。そこはもうあきらめてよ……」
私だって悲しいよ。
本当だったら助けてやりたい。
けど助けたらダメなんだよな……
「よし!連絡とってみるか」
死神用のスマートフォンを手に取る。
上司に直接聞いてみようじゃないか。
プルルル、プルルル、ガチャッ
「どうした?何かあったのか?」
えらく機嫌がいいらしく、声のトーンが高くなっている。
これはいけるんじゃないか?
「はい、それがですね、死亡確定者を生きれるようにしたいんですけど、方法とかってありますか?」
数秒の沈黙が流れる。
怖いよ、何で返事ないの?
消されるの?
「異世界ではな、代わりに指名手配犯を殺すことで死亡確定者を助けることが出来る。すまんな!説明する前に異世界に送ったから。じゃあ切るぞ」
切れた。
「君助かるよ」
「ほんとうですか?嘘じゃないですよね?」
「ああ、本当だとも。私も正直無理だと思っていたからね」
そろそろだな。
きた!
体がワープし、見覚えのある場所に移動した。
そう、アネッタの店である。
ドン!
誰かとぶつかってしまったな。
「すいません」
しかし、相手はキョロキョロとして不思議そうに席に座った。
「これはもしかして、死神の仕事の時は本来のスタイルで出来るってことか?さっきの人は姿も見えていないし、声も届いていないみたいだった……」
おそらく、この状態の俺はアネッタにしか見えない。
カウンターに座り、声をかける。
「アネッタさん。お話があるので、休憩時間に声をかけてもらってもいいですか?」
「いいですけど……」
コーヒーを一杯もらって、居座った。
おそらく、コーヒーカップも消えているのだろう。
ーーー
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アネッタがきた。
「話ってなんでしょうか?」
少し怯えた表情だ。
私は外に出るようにした。
「私は死神だ」
「へ?」
「だから死神だ!」
「死神ってなんですか?」
彼女は死神を知らないのか?
こっちの世界ではなんと言えばいいんだろう。
「もうすぐ死んでしまう者の前に現れるヤツだな、うん」
そのままだな……
「それじゃあ、私は死んじゃうってことですか?」
おろおろしながらこっちを見てくる。
この子死んじゃうのか……
スッゴい可愛いのにな。
「ああ、そうだ。今日犯罪者に殺される」
「そ、そんなの信じられません!」
「本当のことなんだ。嘘じゃない」
信じていないらしい。
まぁ、無理もない。
急に死ぬなんて言われたりしても信じられるわけがない。
私でも信じないだろう。
「みんな~こっちを来てくれ」
店内に向かって、大きな声を出す。
誰も反応しない。
振り返ったりもなにもだ。
「ほら、私が普通じゃないってことはわかっただろ?」
……そんな顔しないで~
めっちゃ怖がってんじゃん。
「そのかわり、今から死ぬまでにやり残したことを一緒に手伝ってやる」
彼女は考え込んでから答えた。
「あの、死なないように手伝ってもらえませんか?」
普通は死にたくはないよな。
「死ぬことは確定事項なんだ。そこはもうあきらめてよ……」
私だって悲しいよ。
本当だったら助けてやりたい。
けど助けたらダメなんだよな……
「よし!連絡とってみるか」
死神用のスマートフォンを手に取る。
上司に直接聞いてみようじゃないか。
プルルル、プルルル、ガチャッ
「どうした?何かあったのか?」
えらく機嫌がいいらしく、声のトーンが高くなっている。
これはいけるんじゃないか?
「はい、それがですね、死亡確定者を生きれるようにしたいんですけど、方法とかってありますか?」
数秒の沈黙が流れる。
怖いよ、何で返事ないの?
消されるの?
「異世界ではな、代わりに指名手配犯を殺すことで死亡確定者を助けることが出来る。すまんな!説明する前に異世界に送ったから。じゃあ切るぞ」
切れた。
「君助かるよ」
「ほんとうですか?嘘じゃないですよね?」
「ああ、本当だとも。私も正直無理だと思っていたからね」
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