~地球に追放された第三皇女はこのまま終わるつもりはない~覇帝姫、宇宙宮 瑠詩羽の逆襲!

尾山塩之進

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第27話 覇帝姫、宇宙宮 瑠詩羽(うつのみや るしは)の逆襲!

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 この地球と呼ばれる星に存在する国家のひとつであるニホン国。
 その首都である東京市上空に全長数キロの巨大な城が浮かんでいる。
 『覇帝姫宮殿要塞はていききゅうでんようさいヴァーンニクス』。
 このわたし覇帝姫はていき
 宇宙宮 瑠詩羽うつのみや るしはの居城であり宇宙船ふね

 その広大なヴァーンニクスの船内の中央にある謁見の間。
 わたしは上座の中央にある玉座の前に立った。
 その前には既にわたしの配下たちが控えていた。
 わたしは居並ぶ配下の名を呼んだ。


「覇帝姫宮殿要塞ヴァーンニクス!」

「はい、マイマスター」


「エドガン!」

「あいよ、姫さん!」


「ウィナ! フィナ! ティナ!」

「「「ハイ! 姫サマ!」」」


幻雷獅子皇獣げんらいししおうじゅうアルマレオン!」

「うおおおん!」


女神型機動兵器ヴァルキリーアーマーシルフィール!」

「はい、我があるじ


恒星姫こうせいき宇宙宮 舎留那うつのみや しゃるな!」

「ええ、瑠詩羽!」


空也くうや!」

「瑠詩羽様、ここに」


「わたし達はこれから大宇宙の絶対的支配者である宇宙覇帝うつはていの大宮殿、
宇宙覇帝城うつはていじょうグランディアス』に帰還します!
我が父、宇宙覇帝は言いました!
『地球の最弱国ニホンに住まう最弱の人間を
常に生きたまま側を置くというかせを付けた身の上で、
追放先の地球を手早く征服して見せよ。それが出来れば命は助けてやろうではないか!』と!
わたしはこの星の王であった『魔深ましん』を討ち、その命令を達成しました!
そして『魔深ましん』はこの大宇宙の全てを滅ぼす存在である『滅き物めきもの』。
生きとし生けるもの全ての敵です、
それを見事に討ったわたしの功績を宇宙覇帝は無視することはできません。
この次元多層力場キューブに時空凍結保存した『魔深ましん』の首を持って、
わたしは父に宇宙宮皇家の復帰を願い出ます!
そして、今やわたしたちはこの地球に追放された時とは比較にならない程の勢力を持っています。
わたしの功績と今の勢力であれば
宇宙覇帝はわたしの宇宙宮皇家の復帰を無下むげに断ることは出来ないでしょう!
それでは帰還前に一度、わたしの現状戦力をその目で確認しておきましょうか?
ヴァーンニクス、この地球の衛星軌道上に指定した
”各空中城”との合流宙域地点ランデブーポイントに飛びなさい!」

「了解、マイマスター」

 覇帝姫宮殿要塞ヴァーンニクスはこの星の衛星軌道上に亜光速移動した。
 そこに錚々そうそうたる空中城が集まっていた。
 まずは宇宙宮皇家の第四皇女で、
 この度わたしの配下になった宇宙宮 舎留那うつのみや しゃるな
 『炎國火宮殿えんごくかきゅうでんシャイナダルク』。
 燃え盛る炎に包まれたその空中城は
 全てを焼き尽くす紅蓮の炎を自在に行使する攻防一体の強力な炎の宇宙要塞である。
 舎留那が自身の領地惑星から連れて来た直属の精鋭の配下である
 『炎國七火将えんごくしちかしょう』、『恒星姫直属軍10万』が
 その船内に待機している。
 舎留那の側の空間に常に控えている二つの存在、
 幻獣『幻炎虎神獣げんえんこしんじゅうグレンタイガ』、
 機神きしん鐘天龍火玖しゅてんりゅうかく』もとてつもない戦力。
 そして何より、シャイナダルクの主である宇宙宮 舎留那うつのみや しゃるな
 わたしに並ぶ宇宙宮の最高戦力の戦姫せんきとして
 この大宇宙に名を轟かせて来た恒星姫こうせいきであり、
 頼もしい事この上ないわたしの妹である。


 次はかつて宇宙宮皇家第一皇子、導名雅みちなが座乗ざじょうしていた
 『白極星王殿はっきょくせいおうでんファレンザン』。
 空間次元跳躍機能、光速航行、絶対防御光壁、惑星級破壊砲プラネットカノンといった
 ヴァーンニクスと同等の武装を備えた強力な宇宙要塞である。
 その船内の格納庫ハッチには
 導名雅自身が開発した次世代の最新鋭機である
 自立式人型機動兵器オートアーマー『フレイア』が120機収められている。
 ファレンザンはわたしが導名雅を討ち取った時に降伏して
 わたしの配下にくだっていたのである。

「エドガン、ファレンザンの船内にあった導名雅が残した
疑似女神型機動兵器プソイドヴァルキリーアーマー『フレイヤル』の
設計図の再現はどうなってますか?」

「順調だぜ姫さん、儂の技術を組み合わせれば
疑似プソイド”とは言わず
100パーセントの『フレイヤル』を再現してみせらあなあ!
あと、第一皇子の設計図には不完全だが
第94宇宙ファーズ銀河の4柱の機械仕掛けの女神の残りの2柱、
水の女神と地の女神のものもあったぜい。
こちらも時間を掛ければ再現出来るとは思うぜえ」

「それは朗報ですね、
ファーズ銀河の4柱の機械仕掛けの女神は
本来は四身一体で真の力を発揮すると聞きます。
4柱の女神を全て蘇らせることができれば頼もしい戦力となるでしょう。
頼りにしてますよ、エドガン」

「任せときな、姫さん!」


 そして次は、かつて宇宙宮皇家第二皇女、
 愛衣羅あいら座乗ざじょうしていた
水麗毒蛇長城すみれどくじゃちょうじょうヒガンバレイズ』。
 ヴァーンニクスの三倍以上の全幅の城の全体には
 巨大な花とイバラを生やした巨大肉食花ビオランティスが巻き付いてる。
 城に生息するビオランティスと
 ヒガンバレイズの長城壁に仕込まれた無数の砲門とが一体となって
 高い攻撃力を発揮する強力な長城宇宙要塞である。
 ヒガンバレイズも愛衣羅を討ち取った時に降伏して
 わたしの配下に降っていた。
 この空中城の下部には愛衣羅あいら
 この大宇宙中から集めてきたと思われる、
 深淵龍ディープドラゴン級の力を持つ
 巨大希少生物の卵が多数収納されており、
 ヒガンバレイズにはこれらを孵化ふかさせる
 揺り籠の様な機能が有る様である。
 この希少生物たちを上手く育て上げていければ大きな戦力になるだろう。


 最後はかつて宇宙宮皇家第十皇女、第十一皇女の双子姉妹である
 紅留亜べるあ慈留亜じるあ座乗ざじょうしていた
 『双子宮要撃城ふたごみやようげきじょうシンクロナイズ』。
 ヴァーンニクスの2倍以上の全幅を誇る、巨大な二連結宇宙要塞。
 シンクロナイズも双子姉妹を討ち取った時に降伏して
 わたしの配下に降っている。
 双子宮要撃城の城壁に配備された無数の巨大な砲は
 ここに居並ぶ宇宙宮皇族の錚々そうそうたる空中城の中でも
 最も高い火力を持ち、単体で惑星規模の大艦隊と渡り合い
 殲滅可能な程の強大な戦力を有している。


 そして空中城では無いが、宇宙宮皇家第七皇子、
 鬼琉扶きるふに付き従っていた
 『闇子蜘蛛アトラクナクア・ミニット』が、
 鬼琉扶を討ち取った後に降伏して、わたしの配下に降っている。
 子蜘蛛とはいえ、
 『闇巨蜘蛛アトラクナクア』の眷属である彼等は強力な戦力である。
 ただ、彼等に悪いのだがわたしは虫が苦手なのである。
 そこで彼等は舎留那の下に配下として預けることにした。
 わたしと同等の力を持つ戦姫である舎留那ならば、
 強力な力を持つ彼等をも上手く使いこなしてくれるだろう。


 そして舎留那の領地惑星に、
 導名雅、愛衣羅、鬼琉扶、紅留亜、慈留亜の領地惑星も
 全てわたしの傘下に加わった。
 わたしの元領地惑星の民も新しく治めに来た皇族の配下に抵抗して、
 未だにわたしに従ってくれている。


 グランディアスに残して来たわたしの配下、
 『覇帝姫八天将はていきはちてんしょう』、『
 覇帝姫直属軍10万』とはわたしたちがグランディアスに到着次第合流する。
 同じくグランディアスに残して来た
 ヴァーンニクスの乗員、メイド、メカニックの一同も
 ほとんどが再就職せずにわたしを待っていてくれた様で、
 約束通り再雇用する手筈である。


「覇帝姫宮殿要塞ヴァーンニクス、亜空間航行を開始しなさい!
目的地座標は宇宙覇帝の本拠地、宇宙覇帝城グランディアスです!」

「了解、マイマスター。
本船を亜空間跳躍あくうかんちょうやく完了後、亜空間航行に入ります」

 覇帝姫宮殿要塞はていききゅうでんようさいヴァーンニクス、
 炎國火宮殿えんごくかきゅうでんシャイナダルク、
 白極星王殿はっきょくせいおうでんファレンザン、
 水麗毒蛇長城すみれどくじゃちょうじょうヒガンバレイズ、
 双子宮要撃城ふたごみやようげきじょうシンクロナイズ。
 5つの巨大な空中城は地球の衛星軌道上から
 次々と亜空間跳躍あくうかんちょうやくして消えていく。
 そして亜空間に入ると、ヴァーンニクスを先頭に亜空間航行モードに入った。
 船の外は亜空間時流が荒れ狂う景色、グランディアスに着くまでこの調子は続く。
 しばらくの間は亜空間旅行という訳である。
 わたしはマントを翻すと玉座に腰をおろした。

「アハハ! 昨日は空也に振られて随分しょげてた様に見えたけど、
流石は瑠詩羽ね!
次帝を継ぐ覇帝姫として申し分のない覇気よ!
もう空也のことは吹っ切れたっていう訳ね」

「吹っ切れた?何を言ってるのですか舎留那?
わたしは空也を諦めてはいませんよ」

「えっ?でも女神様は恐れ多くて無理ですって
空也に完全に断られたじゃないのよ?」

「ふふふ、ならばこれからは女神様では無く、
わたしの”女としての魅力みりょく”で
じっくり空也を虜にすれば良いだけです」

「瑠詩羽に”女としての魅力みりょく”?
そんなのあったかなあ…どう思うウィナ?」

「ワカリマセンー」

「ふふふ、好きなだけ言わせて差し上げますよ、
このわたしが本気になれば、
とてつもない”女としての魅力みりょく”が発揮されて、
空也なんかあっという間に
わたし無しでは生きていけない心と身体になってしまうんですから!
…ねえ?空也?」

「…えっ?えっと…」

何故か苦笑いを浮かべながら後ずさる空也。
ちょっと何故逃げるのですか!
待ちなさい空也!空也あ!








 ****** 








 




 わたしは宇宙宮皇家の第三皇女、
 宇宙宮 瑠詩羽うつのみや るしは
 この大宇宙を支配する宇宙覇帝国うつはていこくの皇族の中でも
 抜きん出た力を持っていて、
 最有力の次帝候補で覇帝姫はていきと呼ばれていた。
 しかしわたしの父であり
 この大宇宙の絶対たる支配者である宇宙覇帝うつはていの策略で、
 この大宇宙の中でも辺境中の辺境である地球に追放されてしまった。
 根っからの覇王である宇宙覇帝うつはていの望みは
 血で血で洗う皇位争奪戦争だった。
 父の策にわたしも、皇族兄妹弟妹たちも、
 地球に隠れ潜んでいた大宇宙を滅ぼす化け物
 「魔深ましん」ですらも利用されてしまったという訳である。

 そして父の更なる望みは、
 わたしに皇座おうざ簒奪戦さんだつせんを挑ませたいのだろう。
 確かに今回の戦いで結果的にわたしは
 地球に追放される前よりも大きく勢力を拡大することは出来た。
 だがそれでもまだ、宇宙覇帝うつはていには及ばないだろう。
 ようやく対話が出来るレベルになった…と云うべきである。

 わたしと舎留那以外で残った皇族弟妹は4人。
 彼らが今後どういった行動をとるのか。
 父に付くのか、わたしに付くのか、独立した動きを取るのか。
 この大宇宙を滅ぼす存在である『魔深ましん』、『エヴィル』は
 このあまねく宇宙にどれだけ潜んで居るのか。
 そのほかにも宇宙宮皇家に敵対する勢力は数多あまたいる。
 邪神竜メディアスより遙かに強い竜もこの大宇宙にはごまんといるのだ。
 今回の戦いで宇宙宮皇族は大きく数を減らした、
 それに付け込んで彼等は戦いを仕掛けてくるだろう。
 これからもこの大宇宙における戦いの火種は尽きないだろう。
 だがわたしは覇帝姫はていき宇宙宮 瑠詩羽うつのみや るしは
 わたしに刃を向けてくる存在は全て討ち滅ぼす。
 わたしが気に入らない存在は全て討ち滅ぼす。
 わたしの大切なモノに害をなす存在は全て討ち滅ぼす。
 ただそれだけである。




「わたしは宇宙宮 瑠詩羽うつのみや るしは
苛烈な覇道を歩む女です。
優しさも悲しみも遥か昔に置いてきました。
自分勝手で、欲望に忠実で、
人が求める愛情の類は持ち合わせていません。
そしてこれからもそれらの感情を持つことはないでしょう。

空也はわたしを自身を救ってくれた女神様と呼びます。
ですがこんな酷い女神様などあり得ないでしょう。
わたしは結構空也に酷い仕打ちをしていると思いますよ。

舎留那は自身よりもわたしが次帝にふさわしいと言います。
そして彼女はあっさり自分の次帝としての立場を捨てて、
わたしの配下になってしまいました。
でもわたしは、自分にはない
さっぱりした魅力で人を集める舎留那のほうが
従う民衆からすれば次帝にふさわしかったと思ってますよ。

ヴァーンニクス。
エドガン。
パミロンメイド三姉妹のウィナ、フィナ、ティナ。
アルマレオン。
シルフィール。
覇帝姫八天将はていきはちてんしょう
覇帝姫直属軍10万。
ヴァーンニクスの乗員にメイドやメカニックの一同。
わたしの元領地惑星の民たち。
みんなわたしを慕って従ってくれていますが、
果たしてわたしは、
そんなに理想的な主でもなければ領主でも無いと思いますよ。
わたしはみんなの能力の高さを、
民に関しては素直な勤勉さを買っているだけですよ。
そうでは無くなったら、
わたしは容赦なくみんなを切り捨ててしまうと思いますよ。

優しく心の強かった母はわたしに次帝になって
醜い争いが起こらないような
穏やかで平安な国を作って欲しいと望んでいましたが、
わたしにそれは無理だと思いますよ。
所詮この大宇宙のことわり
強きものが弱きものをほふるのが絶対の原則です。
それを体現し実行するこの覇帝姫はていきのわたしでは、
新たな争いを呼ぶことは出来ても、
穏やかで平安な国造りなど到底出来ないでしょう。

わたしの最も信頼する忠臣であったハクリュウは
最後にわたしのことを良きあるじと呼びましたけれど、
果たしてそうだったでしょうか?
わたしはたかが160年しか生きていない、
大宇宙的には小娘なのですよ。
まだ全然人間が出来ていない、
いたって短気なあるじなのです。
配下のみんなは大変だと思いますよ。


わたしの目的はこれからも生き抜いて、次帝になることです。
それこそがこのわたしの真芯であり、
宇宙宮 瑠詩羽うつのみや るしはそのものなのです。

その目的の為に、大きな戦いが起こるのでしょう。
数多の命が失われて、
星々が、宇宙が、銀河が消えてしまうかも知れません。
わたしの大切な配下のみんなも失われてしまうかも知れません。
それでも、新たな出会いがあるかも知れません。
その果てに、新たなセカイが見つかるかも知れません。


わたしは覇帝姫はていき宇宙宮 瑠詩羽うつのみや るしは
わたしの戦いはまだ、始まったばかりなのです」
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