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第278話 返答
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「くくく…随分と強く言うでは無いか人間?」
「一応俺はあんたたちに勝っているからな。
これは勝者の我儘って奴さ」
さて…この魔族はどう出るか…?
ここで引いてくれれば俺は願ったり叶ったりである。
俺は魔族の侵攻を食い止めることが目的であり、
別に魔族をひとり残らず全滅させることが目的では無いのだから。
だが有無も言わせず特攻してきた場合は…
敵の数はかなり多い。
その場合は攻撃魔法や気弾によ遠距離攻撃で
まずは数を減らす必要があるだろうな。
鳴鐘 慧河は冷静に思考を巡らせながら、
魔族エクゼヴの返答を待った。
「…良かろう」
魔族エグゼヴの膨れ上がっていた肉体が元の状態に戻った。
変身を解いたのである。
そして細く戻ったその腕を高く掲げた。
その動作と同時に三体のゴウレムが動く。
ゴウレム達は倒れている三人の魔族、ヴィシル、ガグーン、ライゼガの元に辿り着くと、
岩石で形造られた巨大な腕で三人の魔族の身体を抱え上げ、
自身の巨大な背に乗せた。
「我は、一か八かの特攻でキサマを討ち取ることよりも…
イルーラ様より授かった魔軍の戦力の維持、
我が同士たちの命を選択することにしよう。
キサマの提案を飲んで、現在は撤退しようではないか」
「俺としてはこれ以上あんたたちが攻めて来ないなら何の文句も無い」
「…ここで我らをみすみす生かしたことを、
後に悔やむ事になるかも知れんぞ人間?」
「その時はその時だな。
そうなったら、また返り討ちにするまでだ!」
「くくく…人間風情が抜かしおるわ。
我が名はエクゼヴ。
人間、キサマの名を聞いておこうか?」
「鳴鐘 慧河、だ」
「ナルガネ・ケイガ。
人間の強き戦士よ…その名、深く刻んでおくぞ。
いずれはまた、戦場で相まみえようぞケイガ」
魔族エクゼヴは背になびかせていたマントをすっぽりと羽織り直す。
そして城壁最上部から飛び降りて地上へと着地した。
彼の仲間の魔族をそれぞれ背負った三体のゴウレムもその後に続く。
「まあ俺は出来ることなら相まみえたくは無いけどな。
ふう…とりあえずは引き上げてくれたなあ」
慧河は張り巡らせていた気を緩め、緊張の糸を解く。
構えていた拳を収めた。
だが其処で、『見通しの眼鏡』が急反応した。
「…新たな魔力数値の反応だと!?」
慧河は見通しの眼鏡が指し示す、
自分とエクゼヴ達の丁度間にある虚空を見やった。
其処には自分の背丈よりも高い杖を携え、
自身の頭よりも二回りは大きな帽子を被り、
背丈よりも長いマントを羽織ったひとりの少女が浮遊し、
慧河を見下ろしていた。
「一応俺はあんたたちに勝っているからな。
これは勝者の我儘って奴さ」
さて…この魔族はどう出るか…?
ここで引いてくれれば俺は願ったり叶ったりである。
俺は魔族の侵攻を食い止めることが目的であり、
別に魔族をひとり残らず全滅させることが目的では無いのだから。
だが有無も言わせず特攻してきた場合は…
敵の数はかなり多い。
その場合は攻撃魔法や気弾によ遠距離攻撃で
まずは数を減らす必要があるだろうな。
鳴鐘 慧河は冷静に思考を巡らせながら、
魔族エクゼヴの返答を待った。
「…良かろう」
魔族エグゼヴの膨れ上がっていた肉体が元の状態に戻った。
変身を解いたのである。
そして細く戻ったその腕を高く掲げた。
その動作と同時に三体のゴウレムが動く。
ゴウレム達は倒れている三人の魔族、ヴィシル、ガグーン、ライゼガの元に辿り着くと、
岩石で形造られた巨大な腕で三人の魔族の身体を抱え上げ、
自身の巨大な背に乗せた。
「我は、一か八かの特攻でキサマを討ち取ることよりも…
イルーラ様より授かった魔軍の戦力の維持、
我が同士たちの命を選択することにしよう。
キサマの提案を飲んで、現在は撤退しようではないか」
「俺としてはこれ以上あんたたちが攻めて来ないなら何の文句も無い」
「…ここで我らをみすみす生かしたことを、
後に悔やむ事になるかも知れんぞ人間?」
「その時はその時だな。
そうなったら、また返り討ちにするまでだ!」
「くくく…人間風情が抜かしおるわ。
我が名はエクゼヴ。
人間、キサマの名を聞いておこうか?」
「鳴鐘 慧河、だ」
「ナルガネ・ケイガ。
人間の強き戦士よ…その名、深く刻んでおくぞ。
いずれはまた、戦場で相まみえようぞケイガ」
魔族エクゼヴは背になびかせていたマントをすっぽりと羽織り直す。
そして城壁最上部から飛び降りて地上へと着地した。
彼の仲間の魔族をそれぞれ背負った三体のゴウレムもその後に続く。
「まあ俺は出来ることなら相まみえたくは無いけどな。
ふう…とりあえずは引き上げてくれたなあ」
慧河は張り巡らせていた気を緩め、緊張の糸を解く。
構えていた拳を収めた。
だが其処で、『見通しの眼鏡』が急反応した。
「…新たな魔力数値の反応だと!?」
慧河は見通しの眼鏡が指し示す、
自分とエクゼヴ達の丁度間にある虚空を見やった。
其処には自分の背丈よりも高い杖を携え、
自身の頭よりも二回りは大きな帽子を被り、
背丈よりも長いマントを羽織ったひとりの少女が浮遊し、
慧河を見下ろしていた。
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