シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~

尾山塩之進

文字の大きさ
351 / 579

第351話 何処までも

しおりを挟む
「…ヴィシル…
…貴女は大魔王様の人となり…
…いや魔族なりを其の目に見てしまったのね…

…あの御方は魔界の歴史の中でも最も強い力を持った魔王…
…その全てを破壊し尽くす圧倒的な力のみで…
…魔界史上初の魔界統一を成し遂げた御方…
…荒ぶる力のままに行動し、他者へ掛ける心は一切持たぬ御方…

…私以外の魔界五軍将のうち…
…リリンシアを除く三人は魔界の各地を統べていた魔王だった…
…だけど大魔王様の圧倒的な力に敗れ…
…あるいは屈し、あるいは従属して配下となった…
…彼等は大魔王様の強大な力に無理やり従っているだけで…
…心から従っているわけでは無いと思うわ…

…でも私は彼等とは違い元々魔王では無い…
…並み居る中位魔族のひとりでしか無く、力も大したことは無かった…
…そんな私が偶然通りがかった魔界の奥底で…
…動けない大魔王様に精神感応力の高さを見初められて…
…大魔王様の代言、魔界五軍将・魔言将になったのよ…
…私は、大魔王様なくては高位魔族には成れなかった…
…よって私は、大魔王様の代言にして最も忠実なる僕…
…それ以上でもそれ以下でも無い存在…
…例え捨て駒にされようとも、それでも私は大魔王様に従うのみ…

…でも、私の配下である魔族はその限りで無いわ…
…私はあなた達には生きて欲しいと願っている…
…大魔王様の所業を目にして、魔族軍に居られないと思うのは…
…魔族として、そして生き物として正しい判断なのでしょう…

…ヴィシル、その願い聞き届けました…
…貴女にしばし、いとまを与えましょう…」

「ありがとうございますイルーラ様」

 ヴィシルは涙を流しながら感謝の言葉で答えた。
 彼女はイルーラに対しては心底思慕の気持ちで仕えていたのだろう。
 しかしイルーラの主である大魔王に対しては嫌悪の気持ちしかなかった。
 その反目する気持ちがあの様な悲しみの涙を流させたのだ。
 何とも…ままならないものである。
 この異世界エゾン・レイギスの人間側の書物では
 魔族のセカイは一切情のない冷酷非情なものであると見聞されていたが、
 実際のところは人間のセカイと何ら変わらないものだと俺は再度感じた。

「…それでヴィシル…
…あなたはこれからどうするのかしら…?
…魔界で貴女が元住んでいた村に帰るのなら…
…途中まで一緒に行きましょう…」

「えっと、それが…イルーラ様…
ちょっとお耳を」

 ヴィシルは俺の方をちらりと見ると、
 イルーラに耳打ちした。

「…え…
…ケイガに負けたから一族の掟に従って…
…彼の妹になって何処までも一緒に付いていくの…?」

 俺は驚きのあまりその場にひっくり返った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。 無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。 やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン] 何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?… たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。 ※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける 縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は…… ゆっくりしていってね!!! ※ 現在書き直し慣行中!!!

S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。 そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。 王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。 しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。 突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。 スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。 王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。 そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。 Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。 スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが―― なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。 スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。 スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。 この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります

Sランクパーティーを追放された鑑定士の俺、実は『神の眼』を持ってました〜最神神獣と最強になったので、今さら戻ってこいと言われてももう遅い〜

夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティーで地味な【鑑定】スキルを使い、仲間を支えてきたカイン。しかしある日、リーダーの勇者から「お前はもういらない」と理不尽に追放されてしまう。 絶望の淵で流れ着いた辺境の街。そこで偶然発見した古代ダンジョンが、彼の運命を変える。絶体絶命の危機に陥ったその時、彼のスキルは万物を見通す【神の眼】へと覚醒。さらに、ダンジョンの奥で伝説のもふもふ神獣「フェン」と出会い、最強の相棒を得る。 一方、カインを失った元パーティーは鑑定ミスを連発し、崩壊の一途を辿っていた。「今さら戻ってこい」と懇願されても、もう遅い。 無能と蔑まれた鑑定士の、痛快な成り上がり冒険譚が今、始まる!

スキル『倍加』でイージーモードな異世界生活

怠惰怠man
ファンタジー
異世界転移した花田梅。 スキル「倍加」により自分のステータスを倍にしていき、超スピードで最強に成り上がる。 何者にも縛られず、自由気ままに好きなことをして生きていくイージーモードな異世界生活。

科学×魔法で世界最強! 〜高校生科学者は異世界魔法を科学で進化させるようです〜

難波一
ファンタジー
「魔法ってのは……要はエネルギーの制御だろ?」 高校生にして超人的な科学知識を持つ天才・九条迅は、ある日、異世界アルセイア王国に「勇者」として召喚された。 だが、魔王軍との戦争に駆り出されると思いきや—— 「お前、本当に勇者か? 剣も魔法も、まともに使えないのか……?」 「科学的に考えれば、魔法ってのはもっと進化できるはずだ!」 剣も魔法も素人の迅だったが、「魔法を科学的に解析し、進化させる」という異端の方法で異世界の常識を根底から覆し始める! 魔法の密度を最適化した「魔力収束砲」 魔法と人体の関係を解明し、魔力を増大させる「魔力循環トレーニング」 神経伝達を強化し、攻撃を見切る「神経加速《ニューロ・ブースト》」 次々と編み出される新技術に、世界は驚愕! やがて、魔王軍の知将《黒の賢者》アーク・ゲオルグも迅の存在に興味を持ち始め—— 「科学 vs 魔法」「知能 vs 知能」 最強の頭脳戦が今、幕を開ける——! これは、「魔法を科学で進化させる勇者」が、異世界を変革していく物語! ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。

処理中です...