赤の魔女と青の魔導師 ~交わる運命と魔法の記憶~

にしのみつてる

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第2章

下級ポーションを作ってみた

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 モトヤとヒナノたちのログハウスが出来上がって数日後……ユカはヒナノに教わって朝から下級ポーションを作ることにした。

「ユカ、他人に使うのは今から作る下級ポーションまでよ」
「ヒナノさん、この前教わったマンドラゴラポーションでは駄目なのですか?」

「この前はエミリーに緊急で使ったけど普通は高価な上級ポーションなので絶対に使わないわ」
「そうなのですか」

「ユカ、薬草園でマグワートとアロイとハターニアを摘んできて」

 マグワートとは見習い冒険者が摘んで来る”ヨモギ”の事で下級ポーションの材料になっていた。アロイは医者いらずと呼ばれている万能薬だったが、こちらの世界では薬師でも一部の者しか栽培をしていなかった。ハターニアは”どくだみ”の事でこちらの世界では薬師でも一部の者しか効能を知らなかったのだ。

「ユカ、大鍋に魔力水を満たすのよ、魔力は水に少し流すだけでいいわ」
「大鍋にマグワートとアロイとハターニアを入れましょう」
「ヒナノさん、ハターニアって”どくだみ”ですよね、凄く臭います」
「そうね、『良薬口に苦し』よ」

「ユカ、準備が出来たら『サンクチュアリー』よ」
「サンクチュアリー」
 大鍋が光って下級ポーションが出来上がった。

 ヨウスケがポーションを入れる小瓶を用意してくれたので下級ポーションは100本が出来上がった。ヒナノと半分づつ収納にしまったのだった。

「ヨウスケ、下級ポーションの準備は出来たから直ぐに行けるわよ」
「ユカ、もう一度ダンジョンに潜ろうよ」

「モトヤさん、ヒナノさんもダンジョンに行きませんか?」
「そうだな、ヒナノ、俺たちも出かけるか?」
「そうね、モトヤ、今度は変な奴らに絡まれないでね」

◇ ◇ ◇ ◇

 4人は転移門でダンジョン前のテントの裏に転移していた。少し並びはしたが、今回はエレベーターで3階まで下りてスタートした。
「ヨウスケ、周りに遠慮せずにゴーレムを出して戦おう」
4人は3階入り口のメガバットを交して、コボルトを倒し、コボルトキングの部屋の手前で待っていた。

「ヒャ、負けた」
 駆け出し冒険者二人が奥の部屋から飛び出してきた。どうやらコボルトキングに負けたようで大怪我をしていたが命には危険が無いようだった。

「痛えよ、痛えよ」
「クリスしっかりするのよ、入口に戻って応急手当てをしてもらうまで我慢するのよ」

「ヒナノ、下級ポーションを出してやれ」
「貴方たち、これを使いなさい」
 ヘレンはヒナノから下級ポーションを受け取りクリスの傷口に振りかけた。クリスの傷口は直ぐに塞がって容体は回復したようだった。

「本当にありがとうございました」
 ヘレンはヒナノに金貨10枚を渡したので受け取った。ヘレンたちは地上に向かうエレベーターで帰って行った。

「ヒナノさん、下級ポーションって、そんなに高い薬なのですか?」
「ええ、お店で買うとおよそ金貨10枚よ」

「さあ、奥の部屋に入りましょう」
 ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、2体のゴーレムは魔導銃をコボルトキングに撃っていた。
「ファイアーボール」
 ズドーン、ヨウスケの火の玉が命中してコボルトキングは魔石に変わっていた。

「ヨウスケ、4階に降りよう」
「はい」
 4Fから冒険者はほとんどいなくなり、オークが出てくる階層だったが、2体のゴーレムはいい働きをしてくれたのでオークは全て肉の包みとして回収していった。

「モトヤさん、冒険者が少なくなりましたね」
「そうだな、3階のコボルトキングが初心者にはネックなのだろう」
「そうなのですね」

「モトヤ、オークキングの部屋よ」
「ヨウスケ、行こうか」
「はい」

 ブギー、ギー、ブギー、ギー、オークキングはロングソードを振り回して威嚇してきた。ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、2体のゴーレムは魔導銃をオークキングに向かって撃っている。

「サンダーボルト」
 ズドーン、ヨウスケのサンダーボルトはオークキングに命中し、魔石に変わっていった。

「次は5階ね」
5階には4人の他に誰もいなかったので4人はお茶にした。

 モトヤさん、ここまでは順調に来れましたね」
「そうだな、ヨウスケ魔導銃の出力を上げよう、ダイアルを"3"に合わせてくれ」
「はい」
 モトヤが作った短剣型魔道銃はダイアルで5段階に出力が変更できた。

 ガゴーン、ガゴーン、ガゴーン、ガゴーン、通路の奥からゴーレムの歩く音が聞こえてきた。

「ヨウスケ、ゴーレムは一旦収納だ」
「コレクト」
 2体のゴーレムは収納に消えていった。

「ヨウスケ、ゴーレムの額を魔導銃で狙おう」
「はい」
 ビー、ビー、モトヤとヨウスケが撃ったサンダーボルトがゴーレムの額に当たり魔石は砕け散った。
 ガシャーン、ガシャーン、ゴーレムは消え去り通路には鉱石が落ちていた。進んでいくと、もう2体ゴーレムに遭遇したが、短剣型魔道銃で仕留めた。

「モトヤ、奥の部屋よ」
 グワーン、カキーン、グワーン、カキーン、ゴーレムナイトはロングソードを無茶苦茶に振り回していた。

「ヨウスケ、額の魔石を最大出力で撃とう」
 ビーーー、ビーーー、グシャーン、バキーン、ゴーレムナイトの魔石は砕けて少し大きな鉱石に変わった。

「ふぅ~、疲れました」
「今のでCランクの上の方だ」

「ヒナノ、地上に戻るか」
「そうね、ユカも戻りましょう」

 4人は魔導エレベーターで地上に戻り、交換所で魔石を金貨にしてもらった。コボルトキングの魔石3枚、オークキングの魔石5枚、ゴーレムの魔石6枚、ゴーレムナイトの魔石10枚、全部で金貨24枚になった。

「モトヤさん、苦労した割にはお金になりませんね」

「ヨウスケ、何を言っているんだ。贅沢を言い過ぎだぞ、確かにダンジョンの魔物は買取金額は安いが、金貨24枚あれば普通は2年間は楽に暮らせるぞ」

「えっ、そうなんですか?」

「ヨウスケ、ユカ、この世界の物価を知るためにそこの屋台で昼飯を食べようか?」
4人は串肉を8本注文して銅貨4枚支払った。ヨウスケは銅貨1枚が100円の価値だと勝手に思い込んでいたが、実際はヨウスケが思っている10倍の価値で銅貨1枚が1000円の価値があったのだった。

「ヒナノさん、ポーションのお店です」
「ユカ、下級ポーションの値段を聞いてみるといいわ」
「お嬢さん、下級ポーションは1本、金貨15枚です」
「こちらの中級ポーションは1本、金貨30枚です」

「ヒナノさん、私たちは安く売ったのではないでしょうか?」
「まぁ、ダンジョンの中だったし、緊急事態だったから仕方ないわね」

「串肉と比べると、ポーションは凄く高い薬なのですね」
「そうよ、命には代えられないからポーションは高いのよ」

 4人はダンジョン前の武器屋で剣の高さにもっと驚いたのだった。

「モトヤさん、中古の短剣で金貨10枚って高いですよね」
「そうだな、俺も知らないけど、剣は高いからな」

「ヨウスケ、魔道具を店で買うと中古の剣よりももっと高いぞ」
「そうなんですか?知らなかったです」

「ヨウスケ、魔道具は買わなくてもこれから自分で開発していけばいいのさ」
「じゃぁ、家に戻ろうか」

「そうしましょう」
 モトヤはテント裏で転移門を出して一瞬で戻ってきた。

(話終わり)
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