39 / 102
第2章
山からレッサードラゴンが降りてきた
しおりを挟む
プープープー、緊急通信、プープープー、緊急通信、プープープー、緊急通信、
「ギルマス、緊急通信です」
「オラニオ町からでレッサードラゴンが山から降りてきました」
「Cランク以上の冒険者は転移門でオラニオ町に向かう準備をしてくれ」
「ヒロシ、ミサエ、ダリナ、サブロー、お前たちは先発隊で調査を頼む」
「「「「はい」」」」」
◇ ◇ ◇ ◇
オラニオ町はバリカイ湖の対岸の街でイルクスからは湖を迂回して450キロの距離だった。直ぐにレッサードラゴン討伐隊が組まれ、冒険者たちはオラニオ町に集結する準備を始めたのだった。
イルクスカからはヒロシ、ミサエ、ダリナ、サブローの4名が先発隊として派遣されることになった。
「ヒロシ様、ミサエ様、ダリナ様、サブロー様、この扉を開けるとオラニオ町の冒険者ギルドにつながっています」
「分かりました。行ってきます」
「ヒロシ様、ミサエ様、ダリナ様、サブロー様、どうかよろしくお願いします」
「「「「「どうかよろしくお願いします」」」」」
ギルドマスターのフレルバータルさんとギルド職員たちは申し訳無さそうに頭を下げた。ヒロシとミサエさん、ダリナとサブローは直ぐにレッサードラゴンが降りてきた山に向かったのだった。
(ラファエル、周辺の状況を探索してくれ)
(了解です、既にドローン2機を飛ばしています)
レッサードラゴンが吐く高温のブレスは生身の人間が容易に近付くことが出来なかった。
(ヒロシさん、ミサエさん、対レッサードラン用に自動追尾ミサイル・イグラを作りましょう)
(ラファエル、イグラって何だ?)
(イグラは携帯式防空ミサイルの事です)
(アンギリア国に移住したジェネオスとアギオスがズメイ討伐に使った武器です)
画面には細長いロケットランチャーが映っていた。ラファエルはテオスシステムのデータから対レッサードラン戦には自動追尾ミサイル・イグラでの攻撃が有利だと答えを導き出したのだった。
(ラファエル、イグラの材料は揃っているのか?)
(はい、魔鉱石は大量にストックされているので大丈夫です)
(それと、ミスリル鉱からゴーレムの核を作りましょう)
(サブロー、ダリナ、キャンピングカーを出して準備してくれ)
((はい))
「ミサエさん、ダリナ、神様のお告げを聞いたことにしてフレルバータルさんには俺たち4人で戦うと言って」
「そうね、ミサイルを見たら驚くよね」
(ヒロシさん、大丈夫です。ミサイルはサジタリアスの矢で通じますよ)
(ラファエル、本当なの?)
(はい)
(ミサエさんとダリナさんは先に聖女の衣装に着替えてギルドに入ったら聖女の魔法・ホーリーライトで体を金色に光らせて下さい)
(それとダリナさんはティアラを頭につけて獣耳姫になりましょう)
ミサエさんとダリナの二人は聖女の衣装でギルドに戻り、聖女の魔法・ホーリーライトを使って体を金色に光らせた。
「「「「「おお、神様の降臨じゃ」」」」」」
「「「「「聖女様と獣耳姫様じゃ、ありがたや」」」」」
ギルド職員も含めて全員が一斉に床にひれ伏した。
「皆さん、たった今神様のお告げで冒険者・ヒロシとサブローが神の矢『サジタリアスの矢』を射るのででレッサードラゴンは必ず退治されます」
「ミサエ様、ダリナ様、それは本当ですか?」
「はい、皆さんどうかご安心下さい」
フレルバータルさんとギルド職員は手を取り合って喜んだ。
「職員と冒険者たちは城壁から町を守ってくれ」
「この町は神に守られているから安心するのだ」
「「「「「はい」」」」」
「では、ミサエ様、ダリナ様、どうかよろしくお願いします」
「「「「「聖女様、獣耳姫様、お願いします」」」」」
ミサエさんとダリナは再びホーリーライトを使って体を金色に光らせてギルドの外に出た。ヒロシが用意した転移門で直ぐにキャンピングカーに瞬間移動をしてきた。ヒロシとサブローはミサエさんとダリナが冒険者ギルドに行っている間に具現化で9K38 イグラを既に完成させていた。
キャンピングカーにミサエさんとダリナが乗り込んだのでサブローは結界を張ったままキャンピングカーを城壁の外に移動させた。
「サブロー、この辺でレッサードランを迎え撃とう」
「はい」
「ヒロシさん、それにしてもごい武器ですね」
「ああ、イグラにはゴーレムの核が付けてあるからドラゴンを自動追尾するんだ」
「そうなんですね」
「それと、俺も初めてエンチャントをしたけど爆裂魔法を付与してあるからね」
「付与するだけで魔力を半分持っていかれたよ」
「ヒロシさん、それって大魔導師が使う究極の火炎魔法のことですよね」
「ダリナ、よく知っているな」
「初級魔法便覧にエクスプロージョンの名前だけ出ていました」
「そうなのか」
ヒロシは中二病のような名前の爆裂魔法の事を全く知らなかったが、ラファエルの解説で大魔導師が使う究極の火炎魔法だと理解した。
レッサードラゴンを迎え撃つためにヒロシとミサエさん、ダリナとサブローは城壁から3キロ程度離れた草原で待機をしていた。
「ダリナ、土魔法で塹壕を作りましょう」
「ミサエさん、はい」
ミサエさんとダリナは土魔法を使ってドラゴンのブレス攻撃から身を守るために塹壕を作ってくれた。
「まもなくレッサードラゴンが来ます」
ズシン、ズシン、ズシン、ズシン、ズシン、ズシン、さながらヒロシが子ども時代に見た怪獣映画のように地響きがしてきた。
「サブロー、攻撃準備」
ヒロシとサブローはレッサー・ドラゴンに照準を合わせた。
「ヨーイ、撃てー」
バシューン、バシューン、ゴーレムの核を装着したイグラはレッサードラゴンの腹にめがけて真っ直ぐに飛んでいき大爆発を起こした。
チュドーン、チュドーン、大きな爆発音が2回響いたので城壁の冒険者たちは腰を抜かしそうになった。
「サブロー、レッサー・ドラゴンをやっつけたな」
「ヒロシさん、2発とも命中です」
ヒロシは珍しくとサブローとハイタッチをしたのだった。
「ミサエさん、私感激しました」
「ダリナ、私もよ」
ミサエさんとダリナは感激で抱き合っていた。
「やったー、レッサードラゴンが爆発したぞ」
「神の奇跡じゃ、サジタリアスの矢がレッサードラゴンに当たったのだ」
「聖女様と獣耳姫様、錬金術師の大勝利じゃ」
「「「「「「うぉ~~~~」」」」」」
ギルドは一瞬、歓喜の声が上がったが近隣の村々で負傷者が多数出てポーションの緊急配給要請が来ていたのだった。
(話終わり)
----------------------------------
「ギルマス、緊急通信です」
「オラニオ町からでレッサードラゴンが山から降りてきました」
「Cランク以上の冒険者は転移門でオラニオ町に向かう準備をしてくれ」
「ヒロシ、ミサエ、ダリナ、サブロー、お前たちは先発隊で調査を頼む」
「「「「はい」」」」」
◇ ◇ ◇ ◇
オラニオ町はバリカイ湖の対岸の街でイルクスからは湖を迂回して450キロの距離だった。直ぐにレッサードラゴン討伐隊が組まれ、冒険者たちはオラニオ町に集結する準備を始めたのだった。
イルクスカからはヒロシ、ミサエ、ダリナ、サブローの4名が先発隊として派遣されることになった。
「ヒロシ様、ミサエ様、ダリナ様、サブロー様、この扉を開けるとオラニオ町の冒険者ギルドにつながっています」
「分かりました。行ってきます」
「ヒロシ様、ミサエ様、ダリナ様、サブロー様、どうかよろしくお願いします」
「「「「「どうかよろしくお願いします」」」」」
ギルドマスターのフレルバータルさんとギルド職員たちは申し訳無さそうに頭を下げた。ヒロシとミサエさん、ダリナとサブローは直ぐにレッサードラゴンが降りてきた山に向かったのだった。
(ラファエル、周辺の状況を探索してくれ)
(了解です、既にドローン2機を飛ばしています)
レッサードラゴンが吐く高温のブレスは生身の人間が容易に近付くことが出来なかった。
(ヒロシさん、ミサエさん、対レッサードラン用に自動追尾ミサイル・イグラを作りましょう)
(ラファエル、イグラって何だ?)
(イグラは携帯式防空ミサイルの事です)
(アンギリア国に移住したジェネオスとアギオスがズメイ討伐に使った武器です)
画面には細長いロケットランチャーが映っていた。ラファエルはテオスシステムのデータから対レッサードラン戦には自動追尾ミサイル・イグラでの攻撃が有利だと答えを導き出したのだった。
(ラファエル、イグラの材料は揃っているのか?)
(はい、魔鉱石は大量にストックされているので大丈夫です)
(それと、ミスリル鉱からゴーレムの核を作りましょう)
(サブロー、ダリナ、キャンピングカーを出して準備してくれ)
((はい))
「ミサエさん、ダリナ、神様のお告げを聞いたことにしてフレルバータルさんには俺たち4人で戦うと言って」
「そうね、ミサイルを見たら驚くよね」
(ヒロシさん、大丈夫です。ミサイルはサジタリアスの矢で通じますよ)
(ラファエル、本当なの?)
(はい)
(ミサエさんとダリナさんは先に聖女の衣装に着替えてギルドに入ったら聖女の魔法・ホーリーライトで体を金色に光らせて下さい)
(それとダリナさんはティアラを頭につけて獣耳姫になりましょう)
ミサエさんとダリナの二人は聖女の衣装でギルドに戻り、聖女の魔法・ホーリーライトを使って体を金色に光らせた。
「「「「「おお、神様の降臨じゃ」」」」」」
「「「「「聖女様と獣耳姫様じゃ、ありがたや」」」」」
ギルド職員も含めて全員が一斉に床にひれ伏した。
「皆さん、たった今神様のお告げで冒険者・ヒロシとサブローが神の矢『サジタリアスの矢』を射るのででレッサードラゴンは必ず退治されます」
「ミサエ様、ダリナ様、それは本当ですか?」
「はい、皆さんどうかご安心下さい」
フレルバータルさんとギルド職員は手を取り合って喜んだ。
「職員と冒険者たちは城壁から町を守ってくれ」
「この町は神に守られているから安心するのだ」
「「「「「はい」」」」」
「では、ミサエ様、ダリナ様、どうかよろしくお願いします」
「「「「「聖女様、獣耳姫様、お願いします」」」」」
ミサエさんとダリナは再びホーリーライトを使って体を金色に光らせてギルドの外に出た。ヒロシが用意した転移門で直ぐにキャンピングカーに瞬間移動をしてきた。ヒロシとサブローはミサエさんとダリナが冒険者ギルドに行っている間に具現化で9K38 イグラを既に完成させていた。
キャンピングカーにミサエさんとダリナが乗り込んだのでサブローは結界を張ったままキャンピングカーを城壁の外に移動させた。
「サブロー、この辺でレッサードランを迎え撃とう」
「はい」
「ヒロシさん、それにしてもごい武器ですね」
「ああ、イグラにはゴーレムの核が付けてあるからドラゴンを自動追尾するんだ」
「そうなんですね」
「それと、俺も初めてエンチャントをしたけど爆裂魔法を付与してあるからね」
「付与するだけで魔力を半分持っていかれたよ」
「ヒロシさん、それって大魔導師が使う究極の火炎魔法のことですよね」
「ダリナ、よく知っているな」
「初級魔法便覧にエクスプロージョンの名前だけ出ていました」
「そうなのか」
ヒロシは中二病のような名前の爆裂魔法の事を全く知らなかったが、ラファエルの解説で大魔導師が使う究極の火炎魔法だと理解した。
レッサードラゴンを迎え撃つためにヒロシとミサエさん、ダリナとサブローは城壁から3キロ程度離れた草原で待機をしていた。
「ダリナ、土魔法で塹壕を作りましょう」
「ミサエさん、はい」
ミサエさんとダリナは土魔法を使ってドラゴンのブレス攻撃から身を守るために塹壕を作ってくれた。
「まもなくレッサードラゴンが来ます」
ズシン、ズシン、ズシン、ズシン、ズシン、ズシン、さながらヒロシが子ども時代に見た怪獣映画のように地響きがしてきた。
「サブロー、攻撃準備」
ヒロシとサブローはレッサー・ドラゴンに照準を合わせた。
「ヨーイ、撃てー」
バシューン、バシューン、ゴーレムの核を装着したイグラはレッサードラゴンの腹にめがけて真っ直ぐに飛んでいき大爆発を起こした。
チュドーン、チュドーン、大きな爆発音が2回響いたので城壁の冒険者たちは腰を抜かしそうになった。
「サブロー、レッサー・ドラゴンをやっつけたな」
「ヒロシさん、2発とも命中です」
ヒロシは珍しくとサブローとハイタッチをしたのだった。
「ミサエさん、私感激しました」
「ダリナ、私もよ」
ミサエさんとダリナは感激で抱き合っていた。
「やったー、レッサードラゴンが爆発したぞ」
「神の奇跡じゃ、サジタリアスの矢がレッサードラゴンに当たったのだ」
「聖女様と獣耳姫様、錬金術師の大勝利じゃ」
「「「「「「うぉ~~~~」」」」」」
ギルドは一瞬、歓喜の声が上がったが近隣の村々で負傷者が多数出てポーションの緊急配給要請が来ていたのだった。
(話終わり)
----------------------------------
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
