改訂版 勇者と聖女の育成請け負います_みんなで育てれば怖くないね

にしのみつてる

文字の大きさ
44 / 78
第4章

リフレッシュしたい

しおりを挟む
「ミカエル、結局セイレーンは何だったの?」

「はい、かなり珍しいケースになりますが、セイレーンは他の星から転移してきたと考えられます。他国から流れついた可能性もありますが、ここは内海なのでその可能性は低いと思われます」

「なるほど~、それなら辻褄が合うね」

「シローさん、それじゃぁ俺たちはセイレーンが見せた夢の中で幻のドラゴンと戦っていたのですか?」
「たぶんそうだと思うよ」

「シローさん、俺、とっても疲れてきました」
「コーヘー、全員が同じ夢の中で戦ったから皆んな疲れているよ」

「シローさん、私もぐったりだわ」
「スミレさん、私も疲れたのでマンドラゴラのポーション出しました」

「皆んな~、マンドラゴラのポーションを飲みましょう」
「「「は~い」」」

「ゴク、ゴク、ゴク……プハ~」
「シローさん、なんかオヤジみたいな飲みっぷりですね」

「コーヘー、元の俺は60歳のお爺さんだよ」
「スミレさんと旅行中に中学生を助けようとして崖から落ちて転生してきたんだ」

「へえ~、そうだったんですか?」
「だから、時々、物知りなんですね」

「俺とチハールはの本当の名前は航平こうへい千春ちはるだったのですが……」
「あっ、思い出した。そうか、俺は包丁を作っている工場のプレス職人だったんだ。だから包丁にこだわりがあったんだ」

「チハールも何か思い出していない?」
「あっ、思い出したわ。私は航平の工場の近くに通う女子大生だったの……強姦されそうになった私を航平が助けてくれた時に……あのあと、強姦魔に二人とも殺されたのよ」

「そうだ思い出した。痛かったし辛かった思い出だった」
「今の私は平気よ」

「ハニエル、ステータスを開示してくれ」
「ステータス・オープン」
 ◇ ◇ ◇ ◇

【名前】コーへー・ペリー
【種族】人族
【年齢】20
【称号】鍛冶師《神の使徒》
【スキル】
 ヘパイストス神の加護 アフロディテ神の加護
 創造・創薬・具現化、鑑定、転移、収納、料理人、隠蔽、AIクリスタル脳、思念伝達、魔法付与、召喚、ゴーレムマスター
【LV】565
【MP】565000

【名前】チハール・ペリー
【種族】人族
【年齢】20
【称号】薬師《神の使徒》
【スキル】
 ヘパイストス神の加護 アフロディテ神の加護
 創造・創薬・具現化、鑑定、転移、収納、料理人、隠蔽、AIクリスタル脳、思念伝達、魔法付与、召喚、ゴーレムマスター
【LV】565
【MP】565000

 ◇ ◇ ◇ ◇

【名前】シロー・アマダ
【種族】人族
【年齢】22
【称号】大錬金術師《亜神》
【スキル】
 創造・創薬・具現化、鑑定、転移、収納、料理人、隠蔽、AIクリスタル脳、思念伝達、魔法付与、召喚、ゴーレムマスター

【LV】1411
【MP】1411000

【名前】スミレ・アマダ
【種族】人族
【年齢】22
【称号】大魔女《亜神》
【スキル】
 ゼウス神の加護、ヘーラー神の加護
 創造・創薬・具現化、鑑定、転移、収納、料理人、隠蔽、AIクリスタル脳、思念伝達、魔法付与、召喚、ゴーレムマスター

【LV】1411
【MP】1411000

 ◇ ◇ ◇ ◇

「チハール、俺たちのレベルが凄いことになっているぞ」
「コーヘー、何度も危ない目に遭ったのだから当然よ」

「シローさん、『召喚』と『ゴーレムマスター』って、新しいスキルですか?」
「そのようだね」

「ハニエル、俺たちもゴーレムを作れるのか?」
「はい、皆さんは既にゴーレムを作って持っていますよ」

「このログハウス自体がゴーレムなのです」
「あっ、そうだったの?」

「シローさん、どういうことですか?」

「コーヘー、俺たちの空飛ぶ家はゴーレムの核を使っているから、ログハウス全体がゴーレムなんだ。だからハニエルが答えたゴーレムマスターは間違いではないよ」
「ふ~ん、そうなんですね」

 コーヘーは少し納得できない様子だったが、AIクリスタル脳は直ぐに理解をした。

「スミレさん、私たちはこれからどうしたらいいのですか?」

「そうね……転生前の記憶も戻ったようだし、二人のレベルが大幅に上っっているから、そろそろ神様から神託が降りてくると思うわ。今後は二人だけで新たな冒険を始めると思うのよね。この世界にはまだまだ探索すべき秘密がたくさんあるから」


「シローさん、セイレーンが他の星から来たってことは、この星は他にも異世界と繋がっている場所とかがあるのかもしれないですね」

「コーヘー、そうかも知れないね。俺は元がお爺さんだから召喚とか異世界転移は詳しくないんだ」
「普通はそうですよね」

「ハニエル、神様から神託は来ているの?」
「いいえ、まだ来ていません」

「神様たちも今は忙しいと思うんだ」
「そうなんですか」

「何となくだけどね」

 実際にシローとスミレのAIクリスタル脳はコーヘーとチハールのAIクリスタル脳より数段先読みが出来るように鍛えられていた。シローが言った、『神様たちも忙しい』はシローが感じ取った『未来予知』の一部だった。


「シローさん、スミレさん、今からこの近くで温泉を探しに行きませんか?」
「コーヘー、急にどうしたの?」

「何となくですけど、温泉に入って一度リフレッシュしたい気分だからです」
「スミレさん、俺たちもこっちの世界に来てからは温泉に入っていないね」

「そうね、お風呂と違って、たまには温泉でのんびりするのもいいかも知れないわ」
「コーヘー、早く連れて行ってよ」

「ハニエル、周辺に温泉地があるか調べてくれ」
「了解しました。マツイヨ市のデータを解析中します。」

「コーヘー、温泉は確かに癒しの場所だから冒険の疲れを癒すのにもってこいだ」
「そうですね、俺たち全員がもっとくつろいでもいいはずです」

「コーヘーさん、地図データから、この近くに温泉地があるようです。ここから5分ほど走った場所に『セレス温泉』という温泉ががあります」
「ハニエル、キャンピングカーでセレス温泉に向かおう。心地よい温泉でリラックスするのもいいね」

「了解しました。既に出発準備は出来ています」

 一行はセレス温泉へとキャンピングカーの地上走行で向かった。セレス温泉につかってのんびりと過ごすことで、絆も深まり、新たな冒険への準備を整えることになるかもしれない。

 


 セレス温泉に到着した一行は、美しい自然に囲まれたその場所で、疲れを癒す温泉の湯につかったのだった。湯から立ち上る温かな蒸気と、鳥のさえずりが心地よい雰囲気を醸し出していた。

「ほんとに気持ちいいね、こうして温泉につかるのは」
「そうだね、しばらくゆっくりできるのもいいわ」

「シローさん、温泉の中で何か考え事でもしてるんですか?」
「そうだね、次の依頼は何処になるか?考えてたんだ」

「俺も同じです。俺とチハールは夢で見たハリマヤナカ市に行こうと思っています」
「神様から神託が降りれば直ぐに行けるね」

「スミレさんは何か考えがあるのですか?」
「そうね、漠然とだけど……この世界のスイーツ探訪はヘーラ様から言われているわ」

「へえ~、スイーツですか? 私もお手伝いしたいです」
「ええ、お願いするわ」


 温泉でのくつろぎのひとときが過ぎ、一行は湯上りのリラックスした状態でログハウスに戻った。シローとコーヘーが具現化で冷えたコーヒー牛乳とフルーツ牛乳を作ったので皆んなで飲んだのだった。

 夕飯はマツイヨ市の市場で新鮮な魚を買ってきたので、コーヘーが作った包丁で刺身の盛り合わせを作ってくれた。スミレさんとチハールはマツイヨ市のスイーツ店でマンダリンケーキを見つけて買ってきたので、食後のデザートに美味しくいただいた。マンダリンは元の世界のみかんの事でキーナ国から苗木を輸入して栽培が始まったとスミレさんとチハールが言っていた。


 夜が訪れ、星々が輝きを増して夜空を埋め尽くしていた。キャンピングカーを2台並べてこの日は安心してぐっすりと夢の世界に旅立った。

(話終わり)
 ---------------------
色々とツッコミはありますが……異世界の温泉は男女とも水着を着用して混浴です。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

なほ
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模るな子。新入社員として入った会社でるなを待ち受ける運命とは....。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

金髪女騎士の♥♥♥な舞台裏

AIに♥♥♥な質問
ファンタジー
高貴な金髪女騎士、身体強化魔法、ふたなり化。何も起きないはずがなく…。

友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった

海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····? 友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))

処理中です...