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第4章
黄金の壺 島で見た幻の夢
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ポーン、ポーン、「まもなくユーリー島です。島の西側に着陸します」
コーヘーのログハウスは無事に試験飛行を終えた。シローとスミレ、コーヘーとチハールの4人は、空飛ぶログハウスから降り立ち、ユーリー島に足を踏み入れた。
「さぁ、着いたよ。暫くの間、ここで暮らそう」
「「「は~い!」」」
4人は海岸でバーベキューを始めた。
珍しく全員がスパークリングワインを飲んだが……この日は酔いが回るのが早く、あっという間に酔いつぶれて寝てしまった。
◇ ◇ ◇ ◇
海岸の辺りには濃い霧が立ち込めてきた。
「コーヘーさん、チハールさん! たった今、神様から神託が降りました。今からハリマヤナカ市に飛んで“幻の金の壺”を探してほしいそうです!」
「ハニエル、本当か?」
「はい。金の壺が埋まっている山は“アース・ドラゴン”が守護しているそうです」
「シローさん、どうしますか?」
「今夜はここでキャンプして、明日の朝一番でキャンピングカーで飛ぼう。まずはハリマヤナカ市の冒険者ギルドで情報収集が先だね」
「そうですね。分かりました」
翌朝……
シローとスミレはコーヘーのキャンピングカーでハリマヤナカ市の冒険者ギルドへ到着した。
「幻の金の坪の情報はありますか?」
「幻の金の壺ですか? 一つだけあると言われていますが、現在はAランク冒険者チームが捜索中です。
2週間以内に発見されれば、買い取り手が現れるかもしれません」
「Aランクでも見つけにくいんですか?」
「はい、“銀の壺”や“銅の壺”なら発見例が何点かありますが、金の壺だけは“空の青き塔”にあるため、そこに行った冒険者が誰一人戻ってこないんです。
だから“幻の財宝”と呼ばれているんですよ」
「“空の青き塔”の場所の詳細は分かりますか?」
「はい、こちらの地図をご覧ください。この『赤いマーク』がそうです。ここに空に浮かぶ島があり、古代文明の廃墟と言われています。アース・ドラゴンが空に浮かぶ島と財宝を守護していると言い伝えられています」
「そこに黄金の壺があるんですね?」
「はい、そうです」
「情報ありがとうございました。僕たちも挑戦していいですか?」
「はい、先に見つけた者が勝ちです。ただし、途中で失敗しても命の保証はできませんよ」
◇ ◇ ◇ ◇
情報を得たシローたちはキャンピングカーで飛び、カツラギ浜の草原に降り立った。
「みんな、早速ドラゴンの住処を探そう」
しばらく歩くと、遠くに空に浮かぶ島が見えてきた。
「あれが“幻の島”か……かなり距離があるな」
「シローさん、飛んでいるときは見えませんでしたね」
「ドラゴンがいるから、上空から近づくのは危険だね。コーヘー、チハール、何かいい作戦はないかな?」
「シローさん、空中戦は不利かもしれません。地上から攻めませんか?」
「ああ、それがいい」
4人は周囲を魔物探知で警戒しつつ、キャンピングカーで幻の島へ向かった。
上陸すると、中央にある古代廃墟を目指して進んだ。
途中、ドラゴネットの群れが襲いかかったが、コーヘーとチハールが次々と撃破した。ちなみに、ドラゴネットとは小さなドラゴンで幼竜とも呼ばれていた。
「チハール、ドラゴネット弱くね?」
「コーヘーさん、私たちの魔力が上がったからよ」
◇ ◇ ◇ ◇
やがて、赤いドラゴネットが二人の前に出現してきた。どうやらボス級らしいが、二人が倒しても何度でも復活する厄介な存在だった。
「シローさん、このドラゴネットおかしいです!」
「ああ、俺もこんなの初めて見た」
さらに、黄色の大きなドラゴンが現れ、4人に火のブレスを吐きつけた。
4人はバリアで防御するも、押され気味だった。
「アース・ドラゴンが本当に守護してるみたいだな」
「攻撃魔法は効きにくいです。ブレスを封じるしか……シローさん、俺たちに任せてもらえますか?」
「コーヘー、チハール、黄色い奴を頼んだ」
---
4人は雷魔法・タケミカヅチを同時に発動した。
巨大な雷が降り注ぎ、黄色いドラゴンを消滅させ、アース・ドラゴンも撃退した。
「シローさん、見事です!」
「まだ終わってないよ。早く幻の金の壺を見つけないと」
廃墟をくまなく探す4人だったが、金の壺は見つからなかった。
諦めかけたその時――
巨大なアース・ドラゴンが現れた!
「これがアース・ドラゴンか……!」
「まずは壺を探しましょう!」
大きな岩の間で、紫色の壺を発見した。
壺の中には『黄金の茶筒』が眠っていた。
「見つけたぞ!」
シローは茶筒を振り上げて、天に向かって叫んだ。
「金よ出でよ! 銀よ出でよ!」
すると、地面から金と銀のドラゴンが出現した。
2体の守護龍はアース・ドラゴンを圧倒し、ついに撃破した。
「シローさん、すごいです……!」
「でも、まだ終わりじゃない」
◇ ◇ ◇ ◇
その時……パシュ、パシュ、パシュ、パシューン……ミカエルの攻撃魔法がセイレーンに命中して術が破られた。
(セイレーンの討伐確認、幻夢解除に成功)
(バイタルチェック正常、キュアポイズン、エリアヒール発動)
「あれ~……ミカエル?俺たちどうたの?」
「シローさん、4人とも“セイレーン”の魔法でワインで酔いつぶれて幻の夢を見せられていたのです」
「ああ、そういえば妙にリアルに感じたて黄金の壺を探していたな……」
「はい、それが全部セイレーンが見せていた幻の夢なのです」
「スミレさん、妙にリアルだったよな」
「ほんとに不思議ね……」
「ミカエル、結局セイレーンは何だったの?」
「はい、非常に珍しいケースですが、セイレーンは他の星から転移してきたと考えられます。他国から流れてきた可能性もありますが、ここは内海なのでそれは無いと思われます」
「なるほど~、それなら辻褄が合うね」
「シローさん、それじゃぁ俺たちは夢の中でドラゴンと戦っていたのですか?」
「たぶんそうだと思うよ」
「俺、とっても疲れました」
「そうだね」
(話終わり)
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ユーリー島……由利島
コーヘーのログハウスは無事に試験飛行を終えた。シローとスミレ、コーヘーとチハールの4人は、空飛ぶログハウスから降り立ち、ユーリー島に足を踏み入れた。
「さぁ、着いたよ。暫くの間、ここで暮らそう」
「「「は~い!」」」
4人は海岸でバーベキューを始めた。
珍しく全員がスパークリングワインを飲んだが……この日は酔いが回るのが早く、あっという間に酔いつぶれて寝てしまった。
◇ ◇ ◇ ◇
海岸の辺りには濃い霧が立ち込めてきた。
「コーヘーさん、チハールさん! たった今、神様から神託が降りました。今からハリマヤナカ市に飛んで“幻の金の壺”を探してほしいそうです!」
「ハニエル、本当か?」
「はい。金の壺が埋まっている山は“アース・ドラゴン”が守護しているそうです」
「シローさん、どうしますか?」
「今夜はここでキャンプして、明日の朝一番でキャンピングカーで飛ぼう。まずはハリマヤナカ市の冒険者ギルドで情報収集が先だね」
「そうですね。分かりました」
翌朝……
シローとスミレはコーヘーのキャンピングカーでハリマヤナカ市の冒険者ギルドへ到着した。
「幻の金の坪の情報はありますか?」
「幻の金の壺ですか? 一つだけあると言われていますが、現在はAランク冒険者チームが捜索中です。
2週間以内に発見されれば、買い取り手が現れるかもしれません」
「Aランクでも見つけにくいんですか?」
「はい、“銀の壺”や“銅の壺”なら発見例が何点かありますが、金の壺だけは“空の青き塔”にあるため、そこに行った冒険者が誰一人戻ってこないんです。
だから“幻の財宝”と呼ばれているんですよ」
「“空の青き塔”の場所の詳細は分かりますか?」
「はい、こちらの地図をご覧ください。この『赤いマーク』がそうです。ここに空に浮かぶ島があり、古代文明の廃墟と言われています。アース・ドラゴンが空に浮かぶ島と財宝を守護していると言い伝えられています」
「そこに黄金の壺があるんですね?」
「はい、そうです」
「情報ありがとうございました。僕たちも挑戦していいですか?」
「はい、先に見つけた者が勝ちです。ただし、途中で失敗しても命の保証はできませんよ」
◇ ◇ ◇ ◇
情報を得たシローたちはキャンピングカーで飛び、カツラギ浜の草原に降り立った。
「みんな、早速ドラゴンの住処を探そう」
しばらく歩くと、遠くに空に浮かぶ島が見えてきた。
「あれが“幻の島”か……かなり距離があるな」
「シローさん、飛んでいるときは見えませんでしたね」
「ドラゴンがいるから、上空から近づくのは危険だね。コーヘー、チハール、何かいい作戦はないかな?」
「シローさん、空中戦は不利かもしれません。地上から攻めませんか?」
「ああ、それがいい」
4人は周囲を魔物探知で警戒しつつ、キャンピングカーで幻の島へ向かった。
上陸すると、中央にある古代廃墟を目指して進んだ。
途中、ドラゴネットの群れが襲いかかったが、コーヘーとチハールが次々と撃破した。ちなみに、ドラゴネットとは小さなドラゴンで幼竜とも呼ばれていた。
「チハール、ドラゴネット弱くね?」
「コーヘーさん、私たちの魔力が上がったからよ」
◇ ◇ ◇ ◇
やがて、赤いドラゴネットが二人の前に出現してきた。どうやらボス級らしいが、二人が倒しても何度でも復活する厄介な存在だった。
「シローさん、このドラゴネットおかしいです!」
「ああ、俺もこんなの初めて見た」
さらに、黄色の大きなドラゴンが現れ、4人に火のブレスを吐きつけた。
4人はバリアで防御するも、押され気味だった。
「アース・ドラゴンが本当に守護してるみたいだな」
「攻撃魔法は効きにくいです。ブレスを封じるしか……シローさん、俺たちに任せてもらえますか?」
「コーヘー、チハール、黄色い奴を頼んだ」
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4人は雷魔法・タケミカヅチを同時に発動した。
巨大な雷が降り注ぎ、黄色いドラゴンを消滅させ、アース・ドラゴンも撃退した。
「シローさん、見事です!」
「まだ終わってないよ。早く幻の金の壺を見つけないと」
廃墟をくまなく探す4人だったが、金の壺は見つからなかった。
諦めかけたその時――
巨大なアース・ドラゴンが現れた!
「これがアース・ドラゴンか……!」
「まずは壺を探しましょう!」
大きな岩の間で、紫色の壺を発見した。
壺の中には『黄金の茶筒』が眠っていた。
「見つけたぞ!」
シローは茶筒を振り上げて、天に向かって叫んだ。
「金よ出でよ! 銀よ出でよ!」
すると、地面から金と銀のドラゴンが出現した。
2体の守護龍はアース・ドラゴンを圧倒し、ついに撃破した。
「シローさん、すごいです……!」
「でも、まだ終わりじゃない」
◇ ◇ ◇ ◇
その時……パシュ、パシュ、パシュ、パシューン……ミカエルの攻撃魔法がセイレーンに命中して術が破られた。
(セイレーンの討伐確認、幻夢解除に成功)
(バイタルチェック正常、キュアポイズン、エリアヒール発動)
「あれ~……ミカエル?俺たちどうたの?」
「シローさん、4人とも“セイレーン”の魔法でワインで酔いつぶれて幻の夢を見せられていたのです」
「ああ、そういえば妙にリアルに感じたて黄金の壺を探していたな……」
「はい、それが全部セイレーンが見せていた幻の夢なのです」
「スミレさん、妙にリアルだったよな」
「ほんとに不思議ね……」
「ミカエル、結局セイレーンは何だったの?」
「はい、非常に珍しいケースですが、セイレーンは他の星から転移してきたと考えられます。他国から流れてきた可能性もありますが、ここは内海なのでそれは無いと思われます」
「なるほど~、それなら辻褄が合うね」
「シローさん、それじゃぁ俺たちは夢の中でドラゴンと戦っていたのですか?」
「たぶんそうだと思うよ」
「俺、とっても疲れました」
「そうだね」
(話終わり)
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ユーリー島……由利島
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