24 / 43
第二部:らいおんはうさぎにこがれる
変わりゆく想い:箱の中で
しおりを挟む
「買い換えるのって、テント一つと寝袋三つ、だっけ?」
通りすがりに通路を覗き込みつつ、花が言う。
「それと、ランタンが二つ」
「そっか。あ、この辺りみたい」
その台詞と共に、彼女は立ち止まった。棚にズラリと並んでいるものがどうやら寝袋らしい。
「どれがいいかな」
問われても、正直困る。花の頭越しに覗き込んではみたが、司にはどれも同じに見えた。
「俺には全然判らない」
肩をすくめた司に、花は首をかしげてまた棚に眼を戻した。
「選べるっていうのも、結構困るね。迷っちゃう。防水と洗濯可っていうのは、絶対条件だよね。あとは保温だけど……こっちは氷点下もいけちゃうんだね。でも、ちょっとかさばるかなぁ……」
彼女は商品の説明書きを覗き込みながら、何やらブツブツ呟いている。
「これがいいかな」
迷うと言った割には、決断が早い。単純に、機能の比較で決めたらしい。
「じゃあ、次、テントね。四人用で、やっぱり軽いのがいいかな」
こちらも、すぐに決まった。
「ランタンはね、赤い光も出せるのがいいと思うの」
「赤?」
「そう。普通の光だと、星空見るのに邪魔になっちゃうから。白い光より赤っぽい光の方がいいの」
「へぇ……」
頷きはしたが、さっぱり口を出せない。
取り敢えず、司は花が選んだ寝袋とテントを引っ張り出した。彼女はランタンを手に取る。
「重くない?」
「いや、まったく」
気づかわしげに花は訊いてきたが、全部でせいぜい十キロ程度だ。片手でも持てる。
司は先に立って歩き出し、レジへ向かった。
会計を済ませた司は、片方の腕にテントとランタンが入った袋を、もう片方に寝袋三つが入った袋を抱える。歩き出してみると、重くはないが、かなりかさばることに気が付いた。
「やっぱりどっちか持つよ?」
トトッと小走りで司の前に回った花が、言いながら両手を出してきた。その、彼のものの半分ほどしかない手にチラリと目を走らせ、司はかぶりを振る。
「大丈夫だ」
「でも――」
花は重ねて訴えかけて来ようとしたが、どちらも五キロ程度はあるのだ。とてもじゃないが、彼女に持たせる気にはなれない。
「大丈夫だ。行くぞ」
答えて司は花の横を抜け、エスカレーターに向かう。
花はまた足を速めて司の横に並ぶと、眉間にしわを寄せて彼を見上げてきた。
「じゃあ、下りるのはエレベーターにしよう?」
彼女の台詞に、司は眉を上げる。
「宇佐美はそれでいいのか?」
上りは、わざわざ遠回りしてまでエスカレーターで来たというのに。
「……うん」
返事までに微妙な間が空いたような気がしたが、司がそこを突く前に、花はすぐそこに見えているエレベーターに足を向けていた。
さっきエスカレーターを選んだのは、単に嗜好の問題だったのか。
花がいいなら、確かにエレベーターの方が楽だ。特にここのエスカレーターは一人半分ほどの幅しかないから、大きな荷物を持っているときは使いづらい。
身軽な花が先にエレベーターに辿り着き、ドアの開ボタンを押してくれる。他の乗客はおらず、五人も乗ればすし詰め状態になってしまうであろうという狭い内部でも気を遣わずに済みそうだ。ここは、エスカレーターが狭ければ、エレベーターも負けず劣らず狭いのだ。
「一階……六階分ね」
花が、そんなことを呟きながら階数ボタンを押す。
ここの建物は古く、エレベーターの扉の動きも少しばかりぎこちない。それが閉まりきろうとするとき、花が微かに息を呑んだ。
まるで、檻か何かに閉じ込められようとしているかのような反応に、司は眉をひそめる。
「……宇佐美?」
呼びかけると小さな肩がピクリとはね、一拍遅れて彼女が顔を上げる。
「何?」
「いや……」
問い返してきた花が笑顔を浮かべていたから、『大丈夫か』の一言は司の喉の奥に押し戻されてしまった。だがそれは、彼女が取り繕おうとしていることに気付いたからであって、けっして、彼女は大丈夫だと思えたからではない。
(しくじったな)
どうやら、花が初めにエスカレーターを選んだのは、相応の理由があったらしい。
「獅子王くん?」
唇を引き結んだ司に花が怪訝そうに首をかしげたところで、ゆっくりと下っていた箱が、微かに揺れた。と思ったら、突然停止する。チカチカと室内灯が束の間瞬き、再び安定した。表示されている階数はまだ四階だが、扉が開く気配はない。
(またか)
内心、司は舌打ちをした。
ここのエレベーターは、結構頻繁にこうやって停まるのだ。とは言え長引くことはなく、たいてい、五分もすればまた動き出す。
今はさっさと花をここから出してやりたいのに。
苛立ちを抑え込みながら見下ろすと、硬く強張った彼女の背中が目に入ってきた。深くうつむいているせいで、痛々しいほど華奢なうなじが見えてしまう。
「宇佐美?」
低い声で呼びかけると、彼女がビクリと飛び跳ねた。比喩ではなく、実際に、数センチは跳び上がったのではなかろうか。
花に何かが起きていることは、火を見るよりも明らかだ。
(クソ)
司はその場に荷物を下ろし、膝を突く。頭を下げて覗き込んだ花の目は大きく見開かれていたが、彼がそうしていることに全く気付いていないようだった。息は浅く速く、まともな呼吸ができているようには見えない。
司は花の肩に手を伸ばしかけ、触れる直前で、止める。
今の彼女に触れてもいいものか、彼には判らなかった。
迷った末に、もう一度、呼びかけてみる。
「……宇佐美? 大丈夫か?」
焦点が定まらない、どこか、こことは違う場所に囚われているような瞳の奥を覗き込み、穏やかな声になるように意識して呼びかけた。
「宇佐美?」
三度目で、ようやく彼女の視線が揺らぐ。
「――ししおう、くん?」
花は茫洋とした口調で彼の名を呟き、そして、目をしばたたかせた。
「あ……ごめん。今、ちょっと、ぼぅっとしてた」
ぎこちない笑顔を浮かべながらそう言った彼女に、司は奥歯を食いしばる。
(ぼぅっとじゃ、ねぇだろうが)
無理に笑う必要などないのに、どうして笑うのか。
(辛いなら、ちゃんとそう言え)
声に出してそう言いたかったが、舌が動かなかった。
「あの、獅子王くん?」
ニコ、と、花が笑う。恐らく、彼の為に。
司は彼女の笑顔が好きだ。
だが、この笑顔は見ていたくなかった。
――こんな笑顔を浮かべさせてしまった自分に、腹が立った。
通りすがりに通路を覗き込みつつ、花が言う。
「それと、ランタンが二つ」
「そっか。あ、この辺りみたい」
その台詞と共に、彼女は立ち止まった。棚にズラリと並んでいるものがどうやら寝袋らしい。
「どれがいいかな」
問われても、正直困る。花の頭越しに覗き込んではみたが、司にはどれも同じに見えた。
「俺には全然判らない」
肩をすくめた司に、花は首をかしげてまた棚に眼を戻した。
「選べるっていうのも、結構困るね。迷っちゃう。防水と洗濯可っていうのは、絶対条件だよね。あとは保温だけど……こっちは氷点下もいけちゃうんだね。でも、ちょっとかさばるかなぁ……」
彼女は商品の説明書きを覗き込みながら、何やらブツブツ呟いている。
「これがいいかな」
迷うと言った割には、決断が早い。単純に、機能の比較で決めたらしい。
「じゃあ、次、テントね。四人用で、やっぱり軽いのがいいかな」
こちらも、すぐに決まった。
「ランタンはね、赤い光も出せるのがいいと思うの」
「赤?」
「そう。普通の光だと、星空見るのに邪魔になっちゃうから。白い光より赤っぽい光の方がいいの」
「へぇ……」
頷きはしたが、さっぱり口を出せない。
取り敢えず、司は花が選んだ寝袋とテントを引っ張り出した。彼女はランタンを手に取る。
「重くない?」
「いや、まったく」
気づかわしげに花は訊いてきたが、全部でせいぜい十キロ程度だ。片手でも持てる。
司は先に立って歩き出し、レジへ向かった。
会計を済ませた司は、片方の腕にテントとランタンが入った袋を、もう片方に寝袋三つが入った袋を抱える。歩き出してみると、重くはないが、かなりかさばることに気が付いた。
「やっぱりどっちか持つよ?」
トトッと小走りで司の前に回った花が、言いながら両手を出してきた。その、彼のものの半分ほどしかない手にチラリと目を走らせ、司はかぶりを振る。
「大丈夫だ」
「でも――」
花は重ねて訴えかけて来ようとしたが、どちらも五キロ程度はあるのだ。とてもじゃないが、彼女に持たせる気にはなれない。
「大丈夫だ。行くぞ」
答えて司は花の横を抜け、エスカレーターに向かう。
花はまた足を速めて司の横に並ぶと、眉間にしわを寄せて彼を見上げてきた。
「じゃあ、下りるのはエレベーターにしよう?」
彼女の台詞に、司は眉を上げる。
「宇佐美はそれでいいのか?」
上りは、わざわざ遠回りしてまでエスカレーターで来たというのに。
「……うん」
返事までに微妙な間が空いたような気がしたが、司がそこを突く前に、花はすぐそこに見えているエレベーターに足を向けていた。
さっきエスカレーターを選んだのは、単に嗜好の問題だったのか。
花がいいなら、確かにエレベーターの方が楽だ。特にここのエスカレーターは一人半分ほどの幅しかないから、大きな荷物を持っているときは使いづらい。
身軽な花が先にエレベーターに辿り着き、ドアの開ボタンを押してくれる。他の乗客はおらず、五人も乗ればすし詰め状態になってしまうであろうという狭い内部でも気を遣わずに済みそうだ。ここは、エスカレーターが狭ければ、エレベーターも負けず劣らず狭いのだ。
「一階……六階分ね」
花が、そんなことを呟きながら階数ボタンを押す。
ここの建物は古く、エレベーターの扉の動きも少しばかりぎこちない。それが閉まりきろうとするとき、花が微かに息を呑んだ。
まるで、檻か何かに閉じ込められようとしているかのような反応に、司は眉をひそめる。
「……宇佐美?」
呼びかけると小さな肩がピクリとはね、一拍遅れて彼女が顔を上げる。
「何?」
「いや……」
問い返してきた花が笑顔を浮かべていたから、『大丈夫か』の一言は司の喉の奥に押し戻されてしまった。だがそれは、彼女が取り繕おうとしていることに気付いたからであって、けっして、彼女は大丈夫だと思えたからではない。
(しくじったな)
どうやら、花が初めにエスカレーターを選んだのは、相応の理由があったらしい。
「獅子王くん?」
唇を引き結んだ司に花が怪訝そうに首をかしげたところで、ゆっくりと下っていた箱が、微かに揺れた。と思ったら、突然停止する。チカチカと室内灯が束の間瞬き、再び安定した。表示されている階数はまだ四階だが、扉が開く気配はない。
(またか)
内心、司は舌打ちをした。
ここのエレベーターは、結構頻繁にこうやって停まるのだ。とは言え長引くことはなく、たいてい、五分もすればまた動き出す。
今はさっさと花をここから出してやりたいのに。
苛立ちを抑え込みながら見下ろすと、硬く強張った彼女の背中が目に入ってきた。深くうつむいているせいで、痛々しいほど華奢なうなじが見えてしまう。
「宇佐美?」
低い声で呼びかけると、彼女がビクリと飛び跳ねた。比喩ではなく、実際に、数センチは跳び上がったのではなかろうか。
花に何かが起きていることは、火を見るよりも明らかだ。
(クソ)
司はその場に荷物を下ろし、膝を突く。頭を下げて覗き込んだ花の目は大きく見開かれていたが、彼がそうしていることに全く気付いていないようだった。息は浅く速く、まともな呼吸ができているようには見えない。
司は花の肩に手を伸ばしかけ、触れる直前で、止める。
今の彼女に触れてもいいものか、彼には判らなかった。
迷った末に、もう一度、呼びかけてみる。
「……宇佐美? 大丈夫か?」
焦点が定まらない、どこか、こことは違う場所に囚われているような瞳の奥を覗き込み、穏やかな声になるように意識して呼びかけた。
「宇佐美?」
三度目で、ようやく彼女の視線が揺らぐ。
「――ししおう、くん?」
花は茫洋とした口調で彼の名を呟き、そして、目をしばたたかせた。
「あ……ごめん。今、ちょっと、ぼぅっとしてた」
ぎこちない笑顔を浮かべながらそう言った彼女に、司は奥歯を食いしばる。
(ぼぅっとじゃ、ねぇだろうが)
無理に笑う必要などないのに、どうして笑うのか。
(辛いなら、ちゃんとそう言え)
声に出してそう言いたかったが、舌が動かなかった。
「あの、獅子王くん?」
ニコ、と、花が笑う。恐らく、彼の為に。
司は彼女の笑顔が好きだ。
だが、この笑顔は見ていたくなかった。
――こんな笑顔を浮かべさせてしまった自分に、腹が立った。
0
あなたにおすすめの小説
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
結婚相手は、初恋相手~一途な恋の手ほどき~
馬村 はくあ
ライト文芸
「久しぶりだね、ちとせちゃん」
入社した会社の社長に
息子と結婚するように言われて
「ま、なぶくん……」
指示された家で出迎えてくれたのは
ずっとずっと好きだった初恋相手だった。
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
ちょっぴり照れ屋な新人保険師
鈴野 ちとせ -Chitose Suzuno-
×
俺様なイケメン副社長
遊佐 学 -Manabu Yusa-
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
「これからよろくね、ちとせ」
ずっと人生を諦めてたちとせにとって
これは好きな人と幸せになれる
大大大チャンス到来!
「結婚したい人ができたら、いつでも離婚してあげるから」
この先には幸せな未来しかないと思っていたのに。
「感謝してるよ、ちとせのおかげで俺の将来も安泰だ」
自分の立場しか考えてなくて
いつだってそこに愛はないんだと
覚悟して臨んだ結婚生活
「お前の頭にあいつがいるのが、ムカつく」
「あいつと仲良くするのはやめろ」
「違わねぇんだよ。俺のことだけ見てろよ」
好きじゃないって言うくせに
いつだって、強引で、惑わせてくる。
「かわいい、ちとせ」
溺れる日はすぐそこかもしれない
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
俺様なイケメン副社長と
そんな彼がずっとすきなウブな女の子
愛が本物になる日は……
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる