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喪失
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村にあるのは、『静寂』のみだった。
確かに、葉擦れの音は聞こえるし、鳥や虫の声も絶え間なく続いている。
だが、それでも、村の中を満たしているのは、『静寂』だった。ヒトの生活が途絶えると、こんなにも静かになるものなのだということを、カイネは噛み締める。
この時間、普段なら広場に建てられているアーシェル様の像の前での祈りも終えて、朝餉の支度でどの家からもパンやスープの良い匂いが漂ってくる筈だった。だが、その代わりに辺りに立ち込めているのは焦げ臭さと微かな死臭だ。
カイネは、横たわる人を見つけるたびに、触れてみる。そのうちの誰一人として、うめき声一つあげてはくれなかった。
――老いも若きも、男も女も、全てが息絶えていた。
カイネとローグが生きていられるのは、ただ、狩りの当番だったから、というだけなのだ。もしも他の誰かが森に行き、自分たちがこの村に残っていれば、その誰かがこうやって一人一人の息を確かめていたのだろう。そして、冷たくなって地面に倒れ伏しているのは、カイネとローグの方になっていたのだ。
――助かって、良かった……?
カイネは、そう、自問する。答えは、否《いな》だった。
いっそ、自分もこの中の一人だったら、どんなにか気が楽だったろう。
父と、母と、笑い合った仲間たちと。彼らと一緒に逝けたなら。
と、不意に。
胃の中身が逆流してくる。
カイネは身を折って、地面に向けて全てを吐き出す。熱くて苦い胃液も、悲しみも、後悔も、自己憐憫も。
そうやって自分の中の弱さを全部ぶちまけた後、残っていたのは怒りと憎悪と怨嗟だった。
それを向ける対象は、いったい何なのだろうか。
村を襲い、誰も彼もを殺しつくした奴らか。
いいや、違う。
カイネはギラギラと光る眼差しでアーシェル像の残骸を睨みつける。村を襲った者は特に念入りにそれを破壊していった。像は胴の辺りで折れ、上半身は地面に転がっている。
無残な姿だ。
村民はこの像を崇め、雨の日も雪の日も毎日交代で磨き上げていた。
とても、大事にしていたのだ。それが、今は見る影もない。
だが、蛮族が為していなければ、カイネがそうしていただろう。
襲撃者は、憎い。
しかし、彼らに対するものを遥かに凌駕する怒りが、カイネの中にはある。村を焼き尽くした炎よりも激しく彼の胸で燃え盛っているものは、『神』への怒りだった。彼にとって何よりも許し難いのは、助けてくれなかった『神』だった。
「信じて、いたのに」
カイネは硬い地面に爪を立てる。
物心つく前から、カイネの、いや、どの村人の心の中にも、アーシェルへの信仰が根付いていた。この村では何が起きるわけでもなかったが、もしも何かが起きたとしても、必ず神が助けてくれると固く信じていた。
だが、実際はどうだ。
誰もが皆篤い信仰心を抱いていたというのに、その中の誰一人として、救ってもらえなかったではないか。むごたらしく、苦悶の表情を浮かべて死ぬ羽目になったではないか。
抱いていた信仰心の強さの分だけ、裏切られた怒りも強くなる。
正体の判らない襲撃者共よりも、ずっと身近にいた『神』の方が、遥かに簡単に憎悪の対象になった。
自分たちは、日々、神の庇護を信じ、神を崇め、奉ってきた筈だ。常に感謝を捧げ、せっせと供物を貢ぎ。
それなのに、大事な時に、助けてはくれなかった。その素晴らしい神力とやらは、こんなちっぽけな村一つ、救うことができなかったのだ。
今となっては、どうしてあんなにも盲目的に信じていられたのか、理解できない。
どうして、何の根拠もないのに、あれほど愚かに慕っていられたのか。
「クソ……クソッ、クソッ!!」
見えない相手を罵りながら、カイネは拳を地面に叩きつける――何度も、何度も。皮が裂け、血が伝い始めても止めようとはしなかった。
*
それからひたすら、カイネは村人たちを埋葬し続けた。春よりも夏に近づきつつあるこの陽気に、のんびりとはしていられなかった。夜が明けると同時に墓穴を掘り、陽が沈んでも、続けた。手伝うローグは以前の快活さをすっかり失い、ただ人形のようにカイネが出す指示に従うだけだった。
黙々と、ただ黙々と穴を掘り、一人一人を丁寧にその底に下していく。
一週間かけて、殆どの村人は誰にも侵されることのない安らかな眠りに就き、あとはカイネの両親とローグの母親を残すのみとなっていた。
そんな時。
「カイネ!?」
もう何日も聞いていない、自分の名を呼ぶ人間の声に、カイネは痛む腰をゆっくりと伸ばしながら振り返る。少し離れた場所に立つのは、一年に一度この村を訪れる、旅商人だ。
「ケネス」
ほぼ惰性でカイネが名を呼ぶと、彼はその場に荷物をドサリと落とし、駆け寄ってくる。
「いったい、これはどうしたんだ? 何があった? 他の皆は?」
案じる響きに満ちたケネスの言葉も、カイネの耳にはどこか遠く感じる。何人もの熱を失った村人の骸《むくろ》に触れ、彼の心も冷え切っていた。自分の心が再び動き出すことは、きっと、もう二度とないに違いないと、カイネは心の片隅で思った。
「あんたが言ってた奴らが、来たんだ……きっと。オレたちの他は、誰もいないよ」
淡々とそう答えたカイネに、ケネスがどこかが痛むかのように顔を歪ませる。
「すまない……僕がもっと早く来ていれば……」
そう、後悔を滲ませる彼に、カイネは肩をすくめた。
「別に。あんたが来たって、何も変わりゃしないさ」
「そりゃ、そうだろうけど、でも……」
「もういいさ。あと少しで終わるから、ちょっと待っといてよ」
更に言い募ろうとしたケネスをそうやっていなすと、カイネは再び農具を手に取り、もう少し穴を深くしようと地面に突き立てる。
そうやって、もう何人も手を出せないように深く掘り下げた墓穴に、父とそして母を横たえる。周囲の連中が冷やかすほどに仲がいい夫婦だったから、別々の穴よりも一緒に眠らせてやった方がいいだろうとカイネは思ったのだ。
隣では、ローグももう充分な大きさの穴を掘り終えていた。両親に土を被せるのは後回しにして、そちらへ向かう。
ローグは、母親を包んだ毛布を前に頭を下げて座り込んでいた。それは鼻を突く異臭を放ち始めている。だが、彼は、表情を変えることなく、ジッと母の骸を見つめ続けていた。
「ローグ、おふくろさんを休ませてやろう?」
屈みこんで弟分の顔を覗き込みながら、そう言い聞かせる。
ローグは、声を上げることはしなかった。ただ、ポタリ、ポタリと、いくつかの涙をこぼしただけで。
カイネはクシャクシャとローグの頭を撫でると、彼の母親を抱き上げた。穴の底に安置しようとした瞬間に、ローグがヒュッと息を吸い込むのが聞こえたが、動作をやめることはしなかった。少しはだけた毛布を直した後、穴から上がる。
「土、かけてやれよ」
それだけ言い置いて、カイネは再び自分の仕事へ戻った。奥歯をきつく噛み締め、ただひたすら土をすくい、落とす。ザッザッという無機質な音がするたびに、段々と両親の身体が隠れていく。そして、平穏だった、過去も。
何も知らず、何も見えていなかった愚かな自分は、両親と共にここに埋めていくのだ。
やがてすべてが覆いつくされ、何も見えなくなった。目の前にあるのは、少し盛り上がった地面だけ。その上に、パラパラと花の種を撒き散らす。
この村は、やがて、野に戻るだろう。カイネたちがここにいたという証は、いずれ何もかも消え失せてしまう。せめて、この花が、皆が眠ることの目印になってくれればいいと、カイネは思った。
確かに、葉擦れの音は聞こえるし、鳥や虫の声も絶え間なく続いている。
だが、それでも、村の中を満たしているのは、『静寂』だった。ヒトの生活が途絶えると、こんなにも静かになるものなのだということを、カイネは噛み締める。
この時間、普段なら広場に建てられているアーシェル様の像の前での祈りも終えて、朝餉の支度でどの家からもパンやスープの良い匂いが漂ってくる筈だった。だが、その代わりに辺りに立ち込めているのは焦げ臭さと微かな死臭だ。
カイネは、横たわる人を見つけるたびに、触れてみる。そのうちの誰一人として、うめき声一つあげてはくれなかった。
――老いも若きも、男も女も、全てが息絶えていた。
カイネとローグが生きていられるのは、ただ、狩りの当番だったから、というだけなのだ。もしも他の誰かが森に行き、自分たちがこの村に残っていれば、その誰かがこうやって一人一人の息を確かめていたのだろう。そして、冷たくなって地面に倒れ伏しているのは、カイネとローグの方になっていたのだ。
――助かって、良かった……?
カイネは、そう、自問する。答えは、否《いな》だった。
いっそ、自分もこの中の一人だったら、どんなにか気が楽だったろう。
父と、母と、笑い合った仲間たちと。彼らと一緒に逝けたなら。
と、不意に。
胃の中身が逆流してくる。
カイネは身を折って、地面に向けて全てを吐き出す。熱くて苦い胃液も、悲しみも、後悔も、自己憐憫も。
そうやって自分の中の弱さを全部ぶちまけた後、残っていたのは怒りと憎悪と怨嗟だった。
それを向ける対象は、いったい何なのだろうか。
村を襲い、誰も彼もを殺しつくした奴らか。
いいや、違う。
カイネはギラギラと光る眼差しでアーシェル像の残骸を睨みつける。村を襲った者は特に念入りにそれを破壊していった。像は胴の辺りで折れ、上半身は地面に転がっている。
無残な姿だ。
村民はこの像を崇め、雨の日も雪の日も毎日交代で磨き上げていた。
とても、大事にしていたのだ。それが、今は見る影もない。
だが、蛮族が為していなければ、カイネがそうしていただろう。
襲撃者は、憎い。
しかし、彼らに対するものを遥かに凌駕する怒りが、カイネの中にはある。村を焼き尽くした炎よりも激しく彼の胸で燃え盛っているものは、『神』への怒りだった。彼にとって何よりも許し難いのは、助けてくれなかった『神』だった。
「信じて、いたのに」
カイネは硬い地面に爪を立てる。
物心つく前から、カイネの、いや、どの村人の心の中にも、アーシェルへの信仰が根付いていた。この村では何が起きるわけでもなかったが、もしも何かが起きたとしても、必ず神が助けてくれると固く信じていた。
だが、実際はどうだ。
誰もが皆篤い信仰心を抱いていたというのに、その中の誰一人として、救ってもらえなかったではないか。むごたらしく、苦悶の表情を浮かべて死ぬ羽目になったではないか。
抱いていた信仰心の強さの分だけ、裏切られた怒りも強くなる。
正体の判らない襲撃者共よりも、ずっと身近にいた『神』の方が、遥かに簡単に憎悪の対象になった。
自分たちは、日々、神の庇護を信じ、神を崇め、奉ってきた筈だ。常に感謝を捧げ、せっせと供物を貢ぎ。
それなのに、大事な時に、助けてはくれなかった。その素晴らしい神力とやらは、こんなちっぽけな村一つ、救うことができなかったのだ。
今となっては、どうしてあんなにも盲目的に信じていられたのか、理解できない。
どうして、何の根拠もないのに、あれほど愚かに慕っていられたのか。
「クソ……クソッ、クソッ!!」
見えない相手を罵りながら、カイネは拳を地面に叩きつける――何度も、何度も。皮が裂け、血が伝い始めても止めようとはしなかった。
*
それからひたすら、カイネは村人たちを埋葬し続けた。春よりも夏に近づきつつあるこの陽気に、のんびりとはしていられなかった。夜が明けると同時に墓穴を掘り、陽が沈んでも、続けた。手伝うローグは以前の快活さをすっかり失い、ただ人形のようにカイネが出す指示に従うだけだった。
黙々と、ただ黙々と穴を掘り、一人一人を丁寧にその底に下していく。
一週間かけて、殆どの村人は誰にも侵されることのない安らかな眠りに就き、あとはカイネの両親とローグの母親を残すのみとなっていた。
そんな時。
「カイネ!?」
もう何日も聞いていない、自分の名を呼ぶ人間の声に、カイネは痛む腰をゆっくりと伸ばしながら振り返る。少し離れた場所に立つのは、一年に一度この村を訪れる、旅商人だ。
「ケネス」
ほぼ惰性でカイネが名を呼ぶと、彼はその場に荷物をドサリと落とし、駆け寄ってくる。
「いったい、これはどうしたんだ? 何があった? 他の皆は?」
案じる響きに満ちたケネスの言葉も、カイネの耳にはどこか遠く感じる。何人もの熱を失った村人の骸《むくろ》に触れ、彼の心も冷え切っていた。自分の心が再び動き出すことは、きっと、もう二度とないに違いないと、カイネは心の片隅で思った。
「あんたが言ってた奴らが、来たんだ……きっと。オレたちの他は、誰もいないよ」
淡々とそう答えたカイネに、ケネスがどこかが痛むかのように顔を歪ませる。
「すまない……僕がもっと早く来ていれば……」
そう、後悔を滲ませる彼に、カイネは肩をすくめた。
「別に。あんたが来たって、何も変わりゃしないさ」
「そりゃ、そうだろうけど、でも……」
「もういいさ。あと少しで終わるから、ちょっと待っといてよ」
更に言い募ろうとしたケネスをそうやっていなすと、カイネは再び農具を手に取り、もう少し穴を深くしようと地面に突き立てる。
そうやって、もう何人も手を出せないように深く掘り下げた墓穴に、父とそして母を横たえる。周囲の連中が冷やかすほどに仲がいい夫婦だったから、別々の穴よりも一緒に眠らせてやった方がいいだろうとカイネは思ったのだ。
隣では、ローグももう充分な大きさの穴を掘り終えていた。両親に土を被せるのは後回しにして、そちらへ向かう。
ローグは、母親を包んだ毛布を前に頭を下げて座り込んでいた。それは鼻を突く異臭を放ち始めている。だが、彼は、表情を変えることなく、ジッと母の骸を見つめ続けていた。
「ローグ、おふくろさんを休ませてやろう?」
屈みこんで弟分の顔を覗き込みながら、そう言い聞かせる。
ローグは、声を上げることはしなかった。ただ、ポタリ、ポタリと、いくつかの涙をこぼしただけで。
カイネはクシャクシャとローグの頭を撫でると、彼の母親を抱き上げた。穴の底に安置しようとした瞬間に、ローグがヒュッと息を吸い込むのが聞こえたが、動作をやめることはしなかった。少しはだけた毛布を直した後、穴から上がる。
「土、かけてやれよ」
それだけ言い置いて、カイネは再び自分の仕事へ戻った。奥歯をきつく噛み締め、ただひたすら土をすくい、落とす。ザッザッという無機質な音がするたびに、段々と両親の身体が隠れていく。そして、平穏だった、過去も。
何も知らず、何も見えていなかった愚かな自分は、両親と共にここに埋めていくのだ。
やがてすべてが覆いつくされ、何も見えなくなった。目の前にあるのは、少し盛り上がった地面だけ。その上に、パラパラと花の種を撒き散らす。
この村は、やがて、野に戻るだろう。カイネたちがここにいたという証は、いずれ何もかも消え失せてしまう。せめて、この花が、皆が眠ることの目印になってくれればいいと、カイネは思った。
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