国会議事堂爆破

久手堅悠作

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国会議事堂爆破

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女「ねぇ、一緒に国会議事堂爆破しない?」

男「そんなに今の政治に不満があるの?」

女「いや全然」

男「じゃあ、なんで?」

女「私、映画に携わりたいんだよね。でも演技も出来ないし、脚本も書けない。制作会社の面接ではことごとく落ちちゃったんだ。だから、映画を作る側じゃなくて映画を作られる側になろうと思って」

男「ふーん。だから国会議事堂を爆破したいんだ」

女「うん、そうなの」

男「でも日本だと死者の権利が守られてそういう映画作られにくいから、アメリカとかでやった方がいいんじゃない?」

女「私、英語出来ないからそれはいいや。それに今映画されなくても100年後にはきっと映画化されてるはずだよ。悲劇も100年経てばコンテンツなわけだし」

男「そうなんだ。でも、俺は100年後とかは嫌だなぁ。だって、自分の役を演じる俳優が誰か知りたいもん」
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