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君のせいじゃない
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その日、僕と彼女はショッピングモールで買い物をしていた。
「ホストファザーへのプレゼント、何がいいかなぁ」
「その浮世絵柄のバスタオルがいいんじゃない?」
僕は彼女の意見を信じ、70ドルのバスタオルを5枚も買った。
「やっぱり18年、アメリカに住んでる人の意見は違うね」
「いや、そんなことないよ。適当に言っただけ」
「ね~」
「そういや翔太くん、誕生日近いよね? 何か欲しいものとかある?」
「……ものじゃないけどいい?」
「いいよ」
「付き合ってもう3ヶ月経ったし、嫌じゃなかったから誕生日に僕とキス……」
突然、バンという銃声のような音が響き渡った。すると、彼女が僕に寄りかかってきた。よく見ると、白いコートの肩の部分が赤く染まっていた。僕があたふたしていると、彼女が僕を柱の影まで引っ張った。
「早く止血しないと」
「しなくて大丈夫。むしろしない方が都合いいよ」
彼女はそう言うと僕を押し倒した。そして、僕の胸に自分の血を垂らした。彼女の血で白いシャツが赤く染まっていった。
そして彼女は僕の胸に覆い被さると、こう耳打ちした。
「目を瞑って死んだふりしてて」
それから僕はずっと目を瞑り、死んだふりをしていた。5分間ずっと銃声が鳴り響いていたが、僕はずっとそれに耐え続けた。そして銃声が止んだかと思うと、一人の足音がこちらに向かって近づいてきた。僕は薄目を開け様子を確認すると、銃を持った男が僕に覆い被さっていた彼女を蹴飛ばした。それから僕の胸の血痕を一瞥すると、彼女の胸に向かって銃口を突きつけ、引き金を引いた。
僕は今にも男を殴りたい衝動を抑え、死んだふりを続けた。そして男が遠くに行ったことを確認すると、起き上がり彼女を抱きかかえた。彼女の頬を触ると冷たくなっていた。僕がもっとちゃんとしていれば彼女を守れたかもしれなかったのに……。彼女を抱え泣いていると声が大きすぎたのか、銃を持った男がこっちに向かってゆっくり歩いてきた。そして僕と30cmほどの距離になると、僕に銃を向けた。もうダメだ。僕が目を瞑った瞬間、2つの銃声が鳴り響いた。全然痛くない。恐る恐る目を開けると、男が地面に倒れ、死んでしまったはずの彼女が銃を構えていた。
「ダメだよ、翔太くん。ちゃんと死んだふりしてなきゃ」
「……なんで生きてるの?」
「なんでって、防弾チョッキ付けてたからに決まってんじゃん。アメリカって最近は物騒なんだよ」
彼女はそう言うと、袋からさっき僕が買ったバスタオルを取り出し止血しようとした。しかし突然、ばたりと床に倒れた。
「大丈夫?」
倒れる寸前の彼女の抱きかかえた。よく見ると顔が真っ青だった。しかも、目の焦点が全く合っていない。
「……ごめん。今ので太もも撃たれたの。多分、止血しても間に合わない」
「僕のせいだ。僕が死んだふりをやめていなければこんなことにならなかったのに」
「そんなことないよ。私も防弾チョッキ付けてること黙ってたし。翔太くんのせいじゃないよ」
そして、僕の頬を優しく撫でると僕にキスをした。
「……こんな時にごめんね。もう誕生日は無理みたいだから」
彼女は弱々しくそう言うと、ゆっくりと目を閉じた。しかし僕は諦めきれず、彼女の太ももの止血を始めた。
「ホストファザーへのプレゼント、何がいいかなぁ」
「その浮世絵柄のバスタオルがいいんじゃない?」
僕は彼女の意見を信じ、70ドルのバスタオルを5枚も買った。
「やっぱり18年、アメリカに住んでる人の意見は違うね」
「いや、そんなことないよ。適当に言っただけ」
「ね~」
「そういや翔太くん、誕生日近いよね? 何か欲しいものとかある?」
「……ものじゃないけどいい?」
「いいよ」
「付き合ってもう3ヶ月経ったし、嫌じゃなかったから誕生日に僕とキス……」
突然、バンという銃声のような音が響き渡った。すると、彼女が僕に寄りかかってきた。よく見ると、白いコートの肩の部分が赤く染まっていた。僕があたふたしていると、彼女が僕を柱の影まで引っ張った。
「早く止血しないと」
「しなくて大丈夫。むしろしない方が都合いいよ」
彼女はそう言うと僕を押し倒した。そして、僕の胸に自分の血を垂らした。彼女の血で白いシャツが赤く染まっていった。
そして彼女は僕の胸に覆い被さると、こう耳打ちした。
「目を瞑って死んだふりしてて」
それから僕はずっと目を瞑り、死んだふりをしていた。5分間ずっと銃声が鳴り響いていたが、僕はずっとそれに耐え続けた。そして銃声が止んだかと思うと、一人の足音がこちらに向かって近づいてきた。僕は薄目を開け様子を確認すると、銃を持った男が僕に覆い被さっていた彼女を蹴飛ばした。それから僕の胸の血痕を一瞥すると、彼女の胸に向かって銃口を突きつけ、引き金を引いた。
僕は今にも男を殴りたい衝動を抑え、死んだふりを続けた。そして男が遠くに行ったことを確認すると、起き上がり彼女を抱きかかえた。彼女の頬を触ると冷たくなっていた。僕がもっとちゃんとしていれば彼女を守れたかもしれなかったのに……。彼女を抱え泣いていると声が大きすぎたのか、銃を持った男がこっちに向かってゆっくり歩いてきた。そして僕と30cmほどの距離になると、僕に銃を向けた。もうダメだ。僕が目を瞑った瞬間、2つの銃声が鳴り響いた。全然痛くない。恐る恐る目を開けると、男が地面に倒れ、死んでしまったはずの彼女が銃を構えていた。
「ダメだよ、翔太くん。ちゃんと死んだふりしてなきゃ」
「……なんで生きてるの?」
「なんでって、防弾チョッキ付けてたからに決まってんじゃん。アメリカって最近は物騒なんだよ」
彼女はそう言うと、袋からさっき僕が買ったバスタオルを取り出し止血しようとした。しかし突然、ばたりと床に倒れた。
「大丈夫?」
倒れる寸前の彼女の抱きかかえた。よく見ると顔が真っ青だった。しかも、目の焦点が全く合っていない。
「……ごめん。今ので太もも撃たれたの。多分、止血しても間に合わない」
「僕のせいだ。僕が死んだふりをやめていなければこんなことにならなかったのに」
「そんなことないよ。私も防弾チョッキ付けてること黙ってたし。翔太くんのせいじゃないよ」
そして、僕の頬を優しく撫でると僕にキスをした。
「……こんな時にごめんね。もう誕生日は無理みたいだから」
彼女は弱々しくそう言うと、ゆっくりと目を閉じた。しかし僕は諦めきれず、彼女の太ももの止血を始めた。
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