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王宮編
60の2.情報網、すごっ!
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ほう、なかなか興味深い話しだわ。
っていうか、ウチの王様太っ腹じゃないか。
一週間行方不明になったお姫様を助けだして、しかも自分のお嫁さんにしちゃうって。どんだけ愛され系乙女だよ。
普通は得体の知れない人の子を妊娠してる可能性のあるお嬢様は突き返して賠償責任を問うのが国としての対応だろうに、あえて受け入れるなんてさ。懐の深さを感じるねぇ。
私の中で、この間ご対面した王様の株が、グンとうなぎのぼりになったところで、また別の方からの話しが聞こえる。
「仮にユーグレイ公が王の子だとすれば、王太子もあり得るってことですわよね?」
どこぞのお嬢様のその言葉に、みなピタリと止まり、お互いに少しだけ牽制するかのような視線が交差するのが見て取れた。
「そうですわ。今や王から一番信頼されているのはユーグレイ公ですもの。カシアス様より注目を浴びてますから、王太子ポストも考えられますわね」
「ただ、ご年配の貴族の皆様の中には、ユーグレイ公をお認めにならない方も多いようで。私、ユーグレイ公を支援してもらうよう、お父様にお願いしてみようかしら?」
ニッコリ笑うエラン伯爵令嬢が口を開くと、皆やはり狙うのか、と納得して牽制の視線が再び交わり、同時に緊張が走るのも感じた。
「わ、私もお父様にお願いしてみますわ」
勇気あるお嬢様に、一斉に挑戦的な視線が集まるが、それも一瞬のことで、すぐに和やかな雰囲気が戻ってくる。
さすが歴戦のお嬢様方だ。この場の空気を壊さずに、誰もがユーグレイ公の婚約者の座まで狙っているのをアピールすることを忘れていない。
「あ、あのー。現在は第一王子が王太子ですけれども、第一王子には婚約者はいらっしゃらないのかしら?」
私は素直な疑問を皆さんに投げかけてみた。
そもそも第一王子が王太子のままならば、ハルとかユーグレイ公とかの婚約者の座に目の色を変えてまで執着することもないのでは、と考えたからだ。
「第一王子は既にご結婚なされてますもの。第三妃までその座は埋まってますから無駄ですわ。ですから婚約を狙うなら第三王子かしら。あの方ならば第三妃までまだ誰もいらっしゃいませんものね」
ニッコリ笑って説明してくれたお嬢様の言葉に激しい違和感を覚えて、さり気なくたずねてみる。
「えっとですね、第三王子は三人までお嫁さんをもらえるって認識で合ってますか?」
「第三王子と言いますか、王族はみな正妻の他に第三夫人までいらっしゃいますよ。世継ぎ問題もありますから、それが通例になってますの」
「ユーグレイ公も王が認めた王族。つまりあの方やカシアス様の妻になれば、社交の場での勢力図も変わりますわね」
うっへぇ、ハーレムかっ!
確かに、子供が生まれなかったら王家の死活問題にもなりかねないものね。うん、わかるよ、わかる。
ん? ちょっと待てよ?
私、ハルからプロポーズされたんだよね。てことは、何番目のお嫁さんになるん?
いや、それ以前に、一夫多妻制がまず無理だわ。
だって公認の浮気相手と同居するってことだよ? 日本で育った私としてはモラル的に許せない。
ハルからお嫁さんになってって言われたことは嬉しいけどね。でもさ、実は妾でしたってオチもあり得るじゃん?
ハルが誠実なのは知ってるから、仮に私が結婚したとしても放ったらかしってことはないだろう。だからこそ、あと二人の女性にも誠実にあり続けるだろうと予測がつく。
今どきの表現だと『ハルをシェアする』ってなワケだ。
……ごめん、やっぱ無理だ。
こちらの世界の皆さんには当たり前のことなんだろうけれど、私の気持ちが納得できない。我慢して結婚しても、気持ちがついていかないなら、いずれ私の心が破綻するのはわかりきっている。
今、自分の気持ちに整理がついた。うん、スッキリ。
今度ハルに会ったら、しっかりとお断りをしよう。
ダメならダメ。早く伝えた方が誰にとっても良い方向になると信じて。
一人でいろいろ考えこんでいたら、隣のお嬢さんに手を握られて、ハッと我に返った。
「ご気分が悪いかしら? おやすみになる?」
「あ……平気です、ありがとう」
この場の話しに意識を戻すと、内容はまた例のユーグレイ公や、その他の将来有望株の貴族に話しが膨らんでいた。
全く、できるイケメンの話しって尽きることがないのね、と心の中で呆れながらも、しっかりと情報を仕入れることは、お茶会が終わるまで抜かりなく続けた。
っていうか、ウチの王様太っ腹じゃないか。
一週間行方不明になったお姫様を助けだして、しかも自分のお嫁さんにしちゃうって。どんだけ愛され系乙女だよ。
普通は得体の知れない人の子を妊娠してる可能性のあるお嬢様は突き返して賠償責任を問うのが国としての対応だろうに、あえて受け入れるなんてさ。懐の深さを感じるねぇ。
私の中で、この間ご対面した王様の株が、グンとうなぎのぼりになったところで、また別の方からの話しが聞こえる。
「仮にユーグレイ公が王の子だとすれば、王太子もあり得るってことですわよね?」
どこぞのお嬢様のその言葉に、みなピタリと止まり、お互いに少しだけ牽制するかのような視線が交差するのが見て取れた。
「そうですわ。今や王から一番信頼されているのはユーグレイ公ですもの。カシアス様より注目を浴びてますから、王太子ポストも考えられますわね」
「ただ、ご年配の貴族の皆様の中には、ユーグレイ公をお認めにならない方も多いようで。私、ユーグレイ公を支援してもらうよう、お父様にお願いしてみようかしら?」
ニッコリ笑うエラン伯爵令嬢が口を開くと、皆やはり狙うのか、と納得して牽制の視線が再び交わり、同時に緊張が走るのも感じた。
「わ、私もお父様にお願いしてみますわ」
勇気あるお嬢様に、一斉に挑戦的な視線が集まるが、それも一瞬のことで、すぐに和やかな雰囲気が戻ってくる。
さすが歴戦のお嬢様方だ。この場の空気を壊さずに、誰もがユーグレイ公の婚約者の座まで狙っているのをアピールすることを忘れていない。
「あ、あのー。現在は第一王子が王太子ですけれども、第一王子には婚約者はいらっしゃらないのかしら?」
私は素直な疑問を皆さんに投げかけてみた。
そもそも第一王子が王太子のままならば、ハルとかユーグレイ公とかの婚約者の座に目の色を変えてまで執着することもないのでは、と考えたからだ。
「第一王子は既にご結婚なされてますもの。第三妃までその座は埋まってますから無駄ですわ。ですから婚約を狙うなら第三王子かしら。あの方ならば第三妃までまだ誰もいらっしゃいませんものね」
ニッコリ笑って説明してくれたお嬢様の言葉に激しい違和感を覚えて、さり気なくたずねてみる。
「えっとですね、第三王子は三人までお嫁さんをもらえるって認識で合ってますか?」
「第三王子と言いますか、王族はみな正妻の他に第三夫人までいらっしゃいますよ。世継ぎ問題もありますから、それが通例になってますの」
「ユーグレイ公も王が認めた王族。つまりあの方やカシアス様の妻になれば、社交の場での勢力図も変わりますわね」
うっへぇ、ハーレムかっ!
確かに、子供が生まれなかったら王家の死活問題にもなりかねないものね。うん、わかるよ、わかる。
ん? ちょっと待てよ?
私、ハルからプロポーズされたんだよね。てことは、何番目のお嫁さんになるん?
いや、それ以前に、一夫多妻制がまず無理だわ。
だって公認の浮気相手と同居するってことだよ? 日本で育った私としてはモラル的に許せない。
ハルからお嫁さんになってって言われたことは嬉しいけどね。でもさ、実は妾でしたってオチもあり得るじゃん?
ハルが誠実なのは知ってるから、仮に私が結婚したとしても放ったらかしってことはないだろう。だからこそ、あと二人の女性にも誠実にあり続けるだろうと予測がつく。
今どきの表現だと『ハルをシェアする』ってなワケだ。
……ごめん、やっぱ無理だ。
こちらの世界の皆さんには当たり前のことなんだろうけれど、私の気持ちが納得できない。我慢して結婚しても、気持ちがついていかないなら、いずれ私の心が破綻するのはわかりきっている。
今、自分の気持ちに整理がついた。うん、スッキリ。
今度ハルに会ったら、しっかりとお断りをしよう。
ダメならダメ。早く伝えた方が誰にとっても良い方向になると信じて。
一人でいろいろ考えこんでいたら、隣のお嬢さんに手を握られて、ハッと我に返った。
「ご気分が悪いかしら? おやすみになる?」
「あ……平気です、ありがとう」
この場の話しに意識を戻すと、内容はまた例のユーグレイ公や、その他の将来有望株の貴族に話しが膨らんでいた。
全く、できるイケメンの話しって尽きることがないのね、と心の中で呆れながらも、しっかりと情報を仕入れることは、お茶会が終わるまで抜かりなく続けた。
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