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王宮編
89の1.決着!
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パアン、という破裂音が聞こえると、私を襲ってくるはずのカマキリたちのほとんどが地面に落ちていた。
喉のあたりがふわっと温かくなり、確認するとハルからもらった王族用だというペンダントが光を放っている。たぶん、私の危機に反応して護身用の魔術が発動したのだろう。かなり強力な守りだったためか、かなりのカマキリが戦闘不能状態に陥ったようだ。
とりあえずの危険は去ったのかと考えている間に、グイッと腕を取られてルディに支えられながら大きく後退した。
私の前に立ったルディは、その場で態勢を整えて迎撃を始める。動けないままのカマキリたち目がけて、火の塊を何発も発射して焼き尽くしていく。辺り一面、鼻がバカになるくらいの焦げ臭さで一杯になった。
「くっ……俺の大切な子供たちをいたぶるんじゃないっ。クソ……こうなったらせめてこっちは始末してやるっ!」
カンは身を翻してレイニーさんに向き直ると右手を振り下ろした。それが合図だったのか、動けるカマキリの大半がレイニーさん目がけて飛んだ。
「ぎゃっ……ぐっ……かっ……」
全身がカマキリに覆われ、くぐもった悲鳴しか聞こえてこない。赤黒く立つ人型、まるでミイラのようないでだちにゾクっとした恐怖にとらわれる。
やがてドサリ、と大きな音を立ててレイニーさんが倒れた。彼女の全身から一斉にカマキリたちが去り、代わりに現れたのは全身を滴る血で真っ赤に染め、ヒクヒクとしている姿だった。
「コイツはもう終わり。時間の問題だ。さあ、お嬢ちゃん、アンタも素直に首を出しな。逃げるたびに周りのヤツらが死ぬんだぜ?」
「あ……レ、イニ、さ……」
カンの目がギラギラと凶悪な光を放って、危険度が増していくのがわかった。
血まみれのレイニーさんを目の当たりにしたら、衝撃が大きすぎて言葉が途切れて出てこない。
「こんのおっ! お前、ぜってー許さないっ!」
ルディがカンに食ってかかるように斬りつけていく。
怒りに任せた剣技のためか、大振りになってなかなかカンを追い詰めることができないでいる。対してカンの方は、余裕の笑みさえ浮かべてルディの剣を軽くいなしている。
「ほらほら、脇とかガラ空きになってるよ? こんなんで感情乱すとか、修行不足でしょ」
「うるせえっ! お前を倒せばいいだけだっ」
「そうかな、でも怒りに任せて自分のことだけ考えるなんてなあ……あっちのお嬢ちゃんはどうする? 大事なんじゃないのー?」
言うと同時に腕を振り下ろすカン。一斉に飛び立つカマキリたち。
ハッと顔を上げ、後退して私を守ろうと、ルディが手を伸ばして駆けつけようとするが、間に合わない。カマキリの大群が私の目前まで迫ってくるのを感じ、レイニーさんと同じ姿になることを想像してギュッと目を閉じた。
グッと身構えた割に体に纏わりつく感覚を感じることもなく、不思議に思ってゆっくりと目を開けてみれば、私の前には黒いヒョウとヘビが出現していた。
ラッセルがつけてくれた使い魔たちだ。彼らが素早く動いてカマキリの大群を追い払ってくれている。
ほうっと胸を撫で下ろし、ルディに向かって叫んだ。
「ルディ、こっちはこの子たちが何とかしてくれる。だから早くソイツをやっつけて!」
私の無事を確認すると、ルディはニッコリ笑って頷き返してくれた。
うん、大丈夫。あの笑顔ならきっとやってくれる。
「へへへ……サーラが傷つかないなら、俺は安心してお前と闘えるぜ。さっきはアツくなり過ぎちまったからな。今度は仕留めるっ!」
ルディの宣言で、また斬りつけ合いが始まった。お互いに一歩も引かない状態で、かすり傷は増えていくのに決定打には至らない。
間合いを詰めてはまた距離をとり、それが幾度も繰り返されて時間だけが過ぎていく。
消耗戦になってきているようで、二人とも肩が上下して荒い息をついているのが見えるのだが、時間が経つにつれ、ルディの方が押され気味になってきてるのが第三者から見てもわかるようになってきた。
喉のあたりがふわっと温かくなり、確認するとハルからもらった王族用だというペンダントが光を放っている。たぶん、私の危機に反応して護身用の魔術が発動したのだろう。かなり強力な守りだったためか、かなりのカマキリが戦闘不能状態に陥ったようだ。
とりあえずの危険は去ったのかと考えている間に、グイッと腕を取られてルディに支えられながら大きく後退した。
私の前に立ったルディは、その場で態勢を整えて迎撃を始める。動けないままのカマキリたち目がけて、火の塊を何発も発射して焼き尽くしていく。辺り一面、鼻がバカになるくらいの焦げ臭さで一杯になった。
「くっ……俺の大切な子供たちをいたぶるんじゃないっ。クソ……こうなったらせめてこっちは始末してやるっ!」
カンは身を翻してレイニーさんに向き直ると右手を振り下ろした。それが合図だったのか、動けるカマキリの大半がレイニーさん目がけて飛んだ。
「ぎゃっ……ぐっ……かっ……」
全身がカマキリに覆われ、くぐもった悲鳴しか聞こえてこない。赤黒く立つ人型、まるでミイラのようないでだちにゾクっとした恐怖にとらわれる。
やがてドサリ、と大きな音を立ててレイニーさんが倒れた。彼女の全身から一斉にカマキリたちが去り、代わりに現れたのは全身を滴る血で真っ赤に染め、ヒクヒクとしている姿だった。
「コイツはもう終わり。時間の問題だ。さあ、お嬢ちゃん、アンタも素直に首を出しな。逃げるたびに周りのヤツらが死ぬんだぜ?」
「あ……レ、イニ、さ……」
カンの目がギラギラと凶悪な光を放って、危険度が増していくのがわかった。
血まみれのレイニーさんを目の当たりにしたら、衝撃が大きすぎて言葉が途切れて出てこない。
「こんのおっ! お前、ぜってー許さないっ!」
ルディがカンに食ってかかるように斬りつけていく。
怒りに任せた剣技のためか、大振りになってなかなかカンを追い詰めることができないでいる。対してカンの方は、余裕の笑みさえ浮かべてルディの剣を軽くいなしている。
「ほらほら、脇とかガラ空きになってるよ? こんなんで感情乱すとか、修行不足でしょ」
「うるせえっ! お前を倒せばいいだけだっ」
「そうかな、でも怒りに任せて自分のことだけ考えるなんてなあ……あっちのお嬢ちゃんはどうする? 大事なんじゃないのー?」
言うと同時に腕を振り下ろすカン。一斉に飛び立つカマキリたち。
ハッと顔を上げ、後退して私を守ろうと、ルディが手を伸ばして駆けつけようとするが、間に合わない。カマキリの大群が私の目前まで迫ってくるのを感じ、レイニーさんと同じ姿になることを想像してギュッと目を閉じた。
グッと身構えた割に体に纏わりつく感覚を感じることもなく、不思議に思ってゆっくりと目を開けてみれば、私の前には黒いヒョウとヘビが出現していた。
ラッセルがつけてくれた使い魔たちだ。彼らが素早く動いてカマキリの大群を追い払ってくれている。
ほうっと胸を撫で下ろし、ルディに向かって叫んだ。
「ルディ、こっちはこの子たちが何とかしてくれる。だから早くソイツをやっつけて!」
私の無事を確認すると、ルディはニッコリ笑って頷き返してくれた。
うん、大丈夫。あの笑顔ならきっとやってくれる。
「へへへ……サーラが傷つかないなら、俺は安心してお前と闘えるぜ。さっきはアツくなり過ぎちまったからな。今度は仕留めるっ!」
ルディの宣言で、また斬りつけ合いが始まった。お互いに一歩も引かない状態で、かすり傷は増えていくのに決定打には至らない。
間合いを詰めてはまた距離をとり、それが幾度も繰り返されて時間だけが過ぎていく。
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