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第1章
12話
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疑問に思ったことを聞いただけなのに、小馬鹿にされたような目つきでため息混じりに言われた。
「あのなぁ、表立って情報収集するバカがどこにいる。俺たちは周りの貴族らには、何もやってないように見せかけてんだ。その方が不正の証拠を掴みやすいしな。第六騎士団ってとこは貴族と平民のごちゃ混ぜ団だから、市民から見れば誰が貴族とかも知らねえはずだ」
なるほど。いろいろ考えてたんだ。へえ、と感心してると更に詳しく教えてもらえた。
制服を着てる時の街の巡回で、ある程度のいざこざを収拾しておくと、私服の時には市民の方から声をかけてくれるのだそうだ。何回か話しているうちに、かなり詳しい情報のやりとりができるようになるらしい。
うわぁ、何かここってスパイ集団みたいじゃん? ちょっとカッコイイ仕事してるじゃないの。ニコラスってば、いい職場に来れたわね、ていうか、私がこの仕事したくなっちゃう。
一人ひとりをよくよく観察していると、みんな目が生き生きしてるし、冴えないなあ、と思ってた青年とかが、だんだんカッコよくみえてくるし。やりがいのある仕事をしてる男の人って素敵なんだよねぇ。
「という訳で、お前は団長と晩飯食いながら、仲間の報告待ってるんだな。俺は近くの知り合いに話し聞いてから合流するから」
じゃあ、という言葉に続き「団長のお守りよろしく」と頭をグリグリされて、ひえっと言ってる間にスレイ君はどっかに消えてった。
残されたのは私と団長のみ、食事とかって個人的な話とか出ちゃうからなあ、話す内容に注意しなきゃ。そんな考え事をしつつ、俯きがちに団長の後ろを歩いてたので、不意に止まったのに気づかなかった。
思いっきり顔面で団長の背中にぶつかった。
「ったぁ……はにゃが折れるっすよ」
「ちゃんと前見ろよ、お前絶対エスコートとか下手だろ」
言われてちょっとカチンときた。何か小馬鹿にされてないかい? 私だってやるときゃやる女じゃい!
「い、今はちょっと考え事してただけですからっ。女性がいる時は気を抜きませんよ」
「ふうん、まあいいけど。で、今日の待機場所はここだ」
と紹介された場所は……
じゃーん、酒場ですよ、酒場。どっからどう見ても、ザ・酒場!
「う……わぁ……晩ご飯とかって話しでしたよねぇ」
「だから酒飲むんだろ? もしかしてお前、酒飲めないの?」
呆れ顔して聞かれたので、逆に強がってしまった。後から激しく後悔するだろう予感はしたが、この場は引くワケにはいかない。
「そ、そんなことないですって! あまり強くないので、ご迷惑をかけないように、と自分なりに気遣っていただけですからっ。こんなとこは行き慣れてますし、全然平気ですって」
「へえ、来慣れてるんだ。少しずつ飲むんだったらそこまで悪酔いもしないだろうし、ここは良い酒しか置いてない、安心しろ」
私は酒場の看板を見ながら、ゴクリと生唾を飲み込んだ。何でかって?
そう、私は今まで夜の街に出た事がないのだ。
この歳になるまで、夜出歩くといえば、夜とも言えないような早い時間にレストランでお食事とか、観劇のみですぐ帰宅。
街の夜、しかも酒が絡むことなんて一度も経験したことがない。お酒は飲んでもワインを一杯だけお代わりする程度しか飲んでないし……
今日生きて帰れる自信がない。
ヒクつく顔だけ団長に向け、一応家に連絡する旨伝えた。
団長は快く連絡させてくれたが、泊まりになる可能性が高いことは必ずするように、と念押しされた。
急いで家に連絡を取り始めたのだが、隣で団長が黒い笑みを覗かせてたなんて、そんなことには気づきもしなかった。
そしてワナにハマる獲物のように、背中を押されて店の中にゆっくりと足を踏み入れた。
「あのなぁ、表立って情報収集するバカがどこにいる。俺たちは周りの貴族らには、何もやってないように見せかけてんだ。その方が不正の証拠を掴みやすいしな。第六騎士団ってとこは貴族と平民のごちゃ混ぜ団だから、市民から見れば誰が貴族とかも知らねえはずだ」
なるほど。いろいろ考えてたんだ。へえ、と感心してると更に詳しく教えてもらえた。
制服を着てる時の街の巡回で、ある程度のいざこざを収拾しておくと、私服の時には市民の方から声をかけてくれるのだそうだ。何回か話しているうちに、かなり詳しい情報のやりとりができるようになるらしい。
うわぁ、何かここってスパイ集団みたいじゃん? ちょっとカッコイイ仕事してるじゃないの。ニコラスってば、いい職場に来れたわね、ていうか、私がこの仕事したくなっちゃう。
一人ひとりをよくよく観察していると、みんな目が生き生きしてるし、冴えないなあ、と思ってた青年とかが、だんだんカッコよくみえてくるし。やりがいのある仕事をしてる男の人って素敵なんだよねぇ。
「という訳で、お前は団長と晩飯食いながら、仲間の報告待ってるんだな。俺は近くの知り合いに話し聞いてから合流するから」
じゃあ、という言葉に続き「団長のお守りよろしく」と頭をグリグリされて、ひえっと言ってる間にスレイ君はどっかに消えてった。
残されたのは私と団長のみ、食事とかって個人的な話とか出ちゃうからなあ、話す内容に注意しなきゃ。そんな考え事をしつつ、俯きがちに団長の後ろを歩いてたので、不意に止まったのに気づかなかった。
思いっきり顔面で団長の背中にぶつかった。
「ったぁ……はにゃが折れるっすよ」
「ちゃんと前見ろよ、お前絶対エスコートとか下手だろ」
言われてちょっとカチンときた。何か小馬鹿にされてないかい? 私だってやるときゃやる女じゃい!
「い、今はちょっと考え事してただけですからっ。女性がいる時は気を抜きませんよ」
「ふうん、まあいいけど。で、今日の待機場所はここだ」
と紹介された場所は……
じゃーん、酒場ですよ、酒場。どっからどう見ても、ザ・酒場!
「う……わぁ……晩ご飯とかって話しでしたよねぇ」
「だから酒飲むんだろ? もしかしてお前、酒飲めないの?」
呆れ顔して聞かれたので、逆に強がってしまった。後から激しく後悔するだろう予感はしたが、この場は引くワケにはいかない。
「そ、そんなことないですって! あまり強くないので、ご迷惑をかけないように、と自分なりに気遣っていただけですからっ。こんなとこは行き慣れてますし、全然平気ですって」
「へえ、来慣れてるんだ。少しずつ飲むんだったらそこまで悪酔いもしないだろうし、ここは良い酒しか置いてない、安心しろ」
私は酒場の看板を見ながら、ゴクリと生唾を飲み込んだ。何でかって?
そう、私は今まで夜の街に出た事がないのだ。
この歳になるまで、夜出歩くといえば、夜とも言えないような早い時間にレストランでお食事とか、観劇のみですぐ帰宅。
街の夜、しかも酒が絡むことなんて一度も経験したことがない。お酒は飲んでもワインを一杯だけお代わりする程度しか飲んでないし……
今日生きて帰れる自信がない。
ヒクつく顔だけ団長に向け、一応家に連絡する旨伝えた。
団長は快く連絡させてくれたが、泊まりになる可能性が高いことは必ずするように、と念押しされた。
急いで家に連絡を取り始めたのだが、隣で団長が黒い笑みを覗かせてたなんて、そんなことには気づきもしなかった。
そしてワナにハマる獲物のように、背中を押されて店の中にゆっくりと足を踏み入れた。
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