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誰かが誰かを愛している ~蛍視点~
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父は、桜井昭弘の一歳年下であり、彼らは高校と大学が偶然にも同じだった。
昭弘は一年浪人をして大学に入学をしたから、同学年として二人は大学生活を送ったことになる。
以前は、父と昭弘と三人で暮らしていたんだ、と昭弘の親友である三田浩平から、チラリと聞いたことがある。
三田は、昭弘や父の母校がN大法学部であること。
昭弘がそこを中退したことも教えてくれた。
蛍は父の戸籍に入っていたが、父は女と入籍をしてはいなかった。
どういった経緯で、男三人で暮らすことになったのか。
母親はどうしたのか。
どうして、父は昭弘や蛍から離れたのか。
そもそも、二人は愛しあっていたのか。
愛し合っていたと仮定したならば、自分はなぜ、生まれてきたのだろう。
この命は、誰に望まれたものなのだろう。
昭弘と同居をしていた部屋を出て、父の家へと引越し、五日が経った。
父は弁護士事務所に勤務をし、家には寝に帰ってくるだけだ。
彼の妻と小学一年生の少女は、蛍を居候として見ているようだった。
どれほど夜が遅くなろうとも、帰ってこなくとも、高校へ行かなくとも、食事を採らなくとも、何も言ってきやしない。
血の繋がりがないってのは、こういうことなんだ。
確かに、本当の親子じゃなくとも、愛しあえる人達もいるだろう。
だけど、父の妻や昭弘にとって、蛍は愛する人が他の人間を抱いた証拠なのだ。
そんなガキを、素直に愛せるはずがない。
昭弘は一年浪人をして大学に入学をしたから、同学年として二人は大学生活を送ったことになる。
以前は、父と昭弘と三人で暮らしていたんだ、と昭弘の親友である三田浩平から、チラリと聞いたことがある。
三田は、昭弘や父の母校がN大法学部であること。
昭弘がそこを中退したことも教えてくれた。
蛍は父の戸籍に入っていたが、父は女と入籍をしてはいなかった。
どういった経緯で、男三人で暮らすことになったのか。
母親はどうしたのか。
どうして、父は昭弘や蛍から離れたのか。
そもそも、二人は愛しあっていたのか。
愛し合っていたと仮定したならば、自分はなぜ、生まれてきたのだろう。
この命は、誰に望まれたものなのだろう。
昭弘と同居をしていた部屋を出て、父の家へと引越し、五日が経った。
父は弁護士事務所に勤務をし、家には寝に帰ってくるだけだ。
彼の妻と小学一年生の少女は、蛍を居候として見ているようだった。
どれほど夜が遅くなろうとも、帰ってこなくとも、高校へ行かなくとも、食事を採らなくとも、何も言ってきやしない。
血の繋がりがないってのは、こういうことなんだ。
確かに、本当の親子じゃなくとも、愛しあえる人達もいるだろう。
だけど、父の妻や昭弘にとって、蛍は愛する人が他の人間を抱いた証拠なのだ。
そんなガキを、素直に愛せるはずがない。
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