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第2章 王都フレンテと魔王の影
29話 第二ラウンド
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「リベンジマッチだッ!! かかってこいッ!!」
大雨の森の奥で、俺は仇敵である大ガニの魔物オーベルセルムと再会を果たした。前回の戦いでは、奴が体力切れで動けなくなったところを見計らって俺が逃走したことで一時休戦となった。しかし、ローガンさんの下で修行をした俺はあの時の俺とは違うはずだ。
怨嗟の炎を灯した隻眼が俺をまっすぐに捉える。目線が二つから一つに減ったにもかかわらず、その迫力は以前よりも増しているように感じる。
オーベルセルムが俺を叩き潰さんと右の鋏を振り上げた。いくら修行を積んだとはいえ別に人格が変わったというわけではないので、凶悪極まりない巨大な鋏にはやはり原始的恐怖を抱かざるを得ない。しかしここで動けずにいたら前と同じ結果になってしまう。すくむ足を奮い立たせて俺はオーベルセルムに向かって走り出した。
オーベルセルムの姿が近づく中で最高点に達した大槌が俺の脳天目がけて振り下ろされる。やけにゆっくりと流れる時間の中で、俺は剣を頭の上まで振りかぶると同時に右足にマナを集中させた。体内のマナを爆発的な推進力に変える技術である纏いのイメージは落下。右足を蹴り出す瞬間に集中させたマナを一気に力に変換して不可視の推進力を得る。薄暗い雨の森の中に紫の光を盛大にまき散らしながら俺の足は尋常ならざる速度で地面を蹴り、オーベルセルムの巨腕を頭上の剣が掠りながら俺は通り過ぎる。そしてそのままの勢いで象牙色の腹側の甲羅に剣を振り下ろした。ガツンッ! と硬いもの同士がぶつかり合う音が響き、また剣が損傷しないかと内心ヒヤヒヤだったが、さすがは高価な剣、せめぎ合いに打ち勝って見事その艶やかな甲殻に一本の深い亀裂を作って見せた。
オーベルセルムに人たち浴びせたところでバックステップして一旦呼吸を整える。修行の甲斐あってオーベルセルムの動きがよく見えるようになっている。そして、纏いもその有用性をいかんなく発揮してくれた。纏いの反動で痺れた脚を曲げ伸ばしして、再び剣を構える。先ほどの一撃は決まりはしたが恐らくほとんどダメージになっていない。奴を仕留めたくば、あの鎧のような硬質の甲殻を突き破るしかない。
そこで俺の一撃に数秒体を硬直させていたオーベルセルムも体勢を立て直し、今度は鋏を斜め上に掲げた。重量のある鋏をそんな位置においては前方に倒れてしまうんじゃないかと思っていると、案の定体全体が前に傾き出した。そしてある程度の速度が付いたところで突如こちらに向かって突進してきた。なるほど、わざと倒れるような姿勢を作ることで素早く獲物に向かって飛び出すというテクニックらしい。そういえばこの前こいつに出会ったとき、追いかけてくるオーベルセルムの足音がゆっくりの時と走る時で異なっていたのは、このように姿勢を変えていたからだったのか。というかカニのような見た目をしているくせに前に歩いてくるのは一体どういうことなのだ。
すさまじい速度で向かってくるオーベルセルムを見て俺は瞬間的に判断する。今から横に避けようとしても奴の体躯では避け切れない。となれば狙うは股抜けだろう。下手をすれば奴と正面衝突して一瞬であの世行きだろうが、もはやほかの対抗策を講じている暇はない。
プランを決定すると、俺は覚悟を決めて突進中のオーベルセルムに向かって駆け出した。下をくぐろうとしていることがバレてしまえば恐らくそれを阻止しようとしてくるはず。ゆえにぶつかる寸前にスライディングして攻撃を避けなければならないのだ。俺からオーベルセルムまでの距離はおよそ五メートル。どちらも互いの方に走っているので相対速度は大きくなり、その分だけ恐怖感が増す。残り二メートル。もう象牙色の腹が目前に迫るというところで、俺は素早く体を倒して背中から地面に滑り込んだ。幸い雨で地面が濡れているおかげで突っかかるようなこともなく、俺はついにオーベルセルムと交差した。仰向けで滑走する俺の顔面すれすれを大ガニのふんどしが通過していく。そのままオーベルセルムは俺の上を通過していき、俺の方もすぐさま立ち上がってオーベルセルムの方に向き直った。どうやらオーベルセルムは俺の姿を見失ったようで、その巨体を右に左に動かして俺を探している。攻撃を入れるには絶好のタイミングだと俺は剣を振りかぶって奴の背中に迫った。剣がその甲羅に直撃するという所で、俺を発見したオーベルセルムが後ろを向いたままこちらに突っ込んできた。前にも歩くし後ろにも飛んでくるし、もう何でもアリな魔物だ。俺はろくに受け身を取ることもできずに迫りくる尻、というか甲羅に吹き飛ばされた。この衝撃の大きさ、どう考えても普通は先ほどの近距離からあんな速度を出すことはできないだろう。恐らくは鋏を射出するのと同じような魔法的仕組みで体を動かしたのだ。
予想外の攻撃を浴びせられ、俺は再び地面に仰向けになってしまった。慌てて起き上がるとすでにオーベルセルムはこちらに向き直り、両の鋏をこちらに近づけていた。そういえば前に見た夢でこんな状況になったことがあったっけと思い出しながら剣を構えようとするがさっきまで握っていたはずの剣がない。ちらりと辺りを確認すると、どうやら突撃で吹き飛ばされたらしい剣が後方に転がっていた。……これはまずい、まずすぎる。これでは前の戦いの繰り返しどころかさらに悪化している。
どうにかして剣を取らなければと思いつつオーベルセルムに素手で向き合う。剣を持って相対していた時とは比べものにならないほどの緊張感。オーベルセルムの攻撃を受け止めたり受け流したりすることは極めて困難なので、一手でも間違えれば……、その先に待つ結末は考えたくもない。
両手の巨大な鋏が急速に迫る。俺は敢えて前方に飛び出すとバク宙のような姿勢で飛び上がった。元の世界ではこんな軽業はもちろんスポーツなども人並みくらいにしかできなかったが、なぜかこの世界に来てからメキメキと身体能力が上昇しているように思う。背後を鋏が通り抜けていくのを感じながら、再び右足にマナを集中させて纏いのプレモーションに入った。
「……シッ!!」
纏いの発動に伴って解放されたマナのエネルギーが爆発的な力となって俺の体をさらに回転させ、きれいな円を描きながらオーベルセルムの顔面と思しき部分を思い切り蹴り上げた。加速されたサマーソルトキックをもろに食らった大ガニの体が後方に傾くと同時に、俺は纏いの残滓を使って紫色の尾を引きながら後方に回転して戻っていく。着地した直後にオーベルセルムが後ろに倒れた衝撃が轟音とともに肌を打つ。しかし同時に俺の右足を金づちで殴られたかのような激痛が襲った。纏いは体の加速はできても頑丈さは変えられないので、普通以上にこちらにもダメージが入ってしまうのだ。
オーベルセルムの方を見やると、未だ地面に転がって起き上がろうともがいていた。やはり両腕がかなりの重量を持っているため体勢を崩されると簡単に倒れてしまうらしい。今の隙だと落ちた剣を拾い上げると、改めて安心感のある革巻きの柄を握り締めた。
剣を拾って構え直したタイミングでようやくオーベルセルムもひっくり返りを脱したようで、その目にはさらなる怒りの色がこもっているように見えた。今、俺とオーベルセルムとの距離は十メートルを切るくらい。ある程度の距離が空くと鋏を飛ばしてくるのは前回の戦いから学んでいる。若干遮蔽するように草木が生えてはいるものの、そんなものは奴の鋏ミサイルの前ではないに等しいだろう。飛んでくる鋏に警戒して身構えていると、予想通りオーベルセルムは右の鋏を俺に向かって掲げた。そして鋏の根本、関節あたりからオレンジ色の光が零れ始める。俺が受け流すためにやや左に飛んだ瞬間、爆発したかのような轟音が響き渡り、マズルフラッシュのようなオレンジの閃光をまき散らしながら鋏が射出された。修行を経験して成長した俺の目ですらその迫りくる巨大な砲弾を正確にとらえることが出来ない。しかしローガンさんの神速の攻撃に慣れた俺なら、そのもの自体は見えなくてもいつそれが到達するかくらいなら予測できる。自分の勘を信じて両手持ちにした剣を左後方に引き絞るとマナを手に集めた。纏いの発動でブーストしたバックハンドからの横薙ぎを直撃させれば、もしかするとうまく攻撃を受け流せるかもしれない。受け流しの猶予は一瞬、失敗すればすべてが水の泡。限界まで集中して研ぎ澄まされた俺の五感に飛来する鋏の情報が伝わってくる。
「ここ、だあッ!!」
瞬間、ねじった体を一気に引き戻し、それと同時に纏いを発動させて全力で剣を振り抜く。紫光の奔流と橙色の輝きが衝突し、せめぎ合い、轟音と振動を俺に伝える。ここで負けるわけにはいかないのだ。雄たけびを上げながら剣を振り抜いて一瞬の静寂が訪れる。数秒遅れて背後から鋏が地面に激突した音が響き突風が吹き荒れる。俺は鋏を受け流した勢いで足を軸に一回転すると左手を正面に掲げる。鋏ミサイルの反動か何かで体を硬直させているオーベルセルムに向かって俺は魔法の詠唱を開始した。
「テネロ・ショトゥ・タグ:ディス・スペウ:オクタデク・ルーン!!」
魔法のための呪文、式句を唱えていくたびに左の手のひらを中心に紫色に淡く発光する円が空中に描き出され、最後のルーンの発声とともに円が一段と強く輝く。そして円の先に真っ黒な円盤が生成されるや否や、野球選手の投球ばりの速度でまっすぐにオーベルセルムの方へ飛んでいった。俺の左手と奴との間を遮る植物を軽々と切断しながら黒いディスクは直線軌道を描いて飛来し、鮮やかにオーベルセルムの右足一本に半ばまで切り込みを入れた。奴の体重を加味すれば傷ついた右足が折れるのも時間の問題だろう。
俺の反撃を食らってオーベルセルムはぐらりとよろける。一気に攻め落とすなら今しかない。俺はハードル走のように木々を避けつつ大ガニの元に走る。すでに奴の右腕に鋏はないので右半身から攻めるのがよいだろう。右腕にマナを集中させながら地面を蹴る。ひとまずは先ほど切りつけた右足を切断したい。
しかし、これまで順調だったからと言ってこの作戦も成功するなどと妄信してしまうのは愚かだった。寸前まで動きを止めていたオーベルセルムは突然左腕をこちらに向けると、オレンジ色の光とともに鋏を射出した。右の鋏とは違い鋏の開かれたそれは、あたかも刺又のように俺の胴をがっちりと捕らえて後方の太い木に打ち付けられた。太い木がしなるほどの衝撃に呼吸が出来ず、視界がちかちかと明滅する。ごぽごぽと何が体の奥から湧いてくるような感覚がした直後に鉄の味がする液体がせり上がってきてたまらず口外に吐き出した。どうやら胃か何かにも損傷が行ったらしい。段々と目が見えるようになってきて辺りを確認すると、そこで俺の体が鋏でゆっくりと締め上げられて行っていることに気付いた。確かにカニの鋏は体から離れてもつかんで離さないというのを聞いた覚えがある。。幸い両腕は自由だが、このままではいつ俺の胴体が背後の幹ごと両断されるか分かったものではない。
俺をハサミで拘束したオーベルセルムは両腕を失ってむしろバランスが良くなったのか、ゆっくりとではあるもののこちらに迫り始めた。表情の見えないその顔面だが、なんとなく勝ち誇ったような、俺を嘲笑っているような色を感じる。やはりローガンさんの言う通り魔物の成長は著しい。前回の戦闘では奴は右の鋏をの温存して戦っていたが、どうやらその状態ではバランスが悪いのか、結局俺程度の相手に右腕を持っていかれてしまったのだ。その反省を生かして惜しまずに切り札を使い、なおかつ俺を封じるまでになるとは全く恐ろしい話だ。
「だけどな、俺だって今まで何もしてこなかったわけじゃないぜ……!」
まだ俺の心の炎は消えてなどいない。俺は右腕にマナを集中させて剣を思い切り振りかぶる。どうか当たってくれと願いながら放った全力の纏いは、その思いを反映させたように紫色の激しい光を発しながら腕を押した。放たれた鋼色の剣は紫の光を散らしながら回転してオーベルセルム目がけて飛んでいき、吸い込まれるように奴の裏の甲羅の真ん中に突き刺さった。一瞬遅れて突風とともにかつての愛剣の破砕音にも似た轟音が大気をつんざく。
たまらず足と口の大あごをめちゃくちゃに動かすオーベルセルムをちらりと見つつ、今度は俺を引きちぎらんとする鋏の処理にかかる。両腕で左右それぞれの鋏を掴み、残りのマナ全てを集中させて纏いを発動。どれだけ力を加えてもびくともしなかった鋏を纏いによるさらなるブーストで開く。
「おおおッ!!」
気合とともに辺りを照らすほどに紫光が弾け、わずかに、しかし着実に鋏が開き始めた。じわりじわりと鋏を広げていき、ある点に達したところでガコ! という関節が外れる音を盛大に響かせて、俺は鋏の拘束から解放された。マナが枯渇したことを知らせるような体の芯の痺れと虚脱感の中でひとしきりせき込んだのち、俺は呼吸を整えてオーベルセルムに向き合った。胸の少し上あたりに俺の剣が突き刺さってはいるもののまだ奴は健在なようで、怒りに満ちた様子で顎をバチバチと動かしている。もはや両者とも得物と呼べるようなものは持ち合わせていない。マナも先ほどの纏いで底を尽きてしまった。ならばあの突き刺さった剣をどうにかすることが出来ればこちらが圧倒的に有利になるのではないか。
オーベルセルムに突進した俺を迎撃しようと奴の鋏のない腕が振り下ろされる。鋏がなくなったとはいえ大質量の腕から繰り出される攻撃は食らえばただでは済まないだろう。迫りくる腕の攻撃を跳んだりスライディングしたりしながら前へ突き進んでいく。そして剣の前にたどり着いた俺は剣の柄を両手で握り甲羅に足をかけて引っ張った。しかし内部の筋肉の影響か、どれだけ力を込めてもびくりともしない。そうこうしているうちに再びの腕の振りが背後に接近し、避ける暇もなく背中に痛撃を食らってしまった。刃物で刺されたかのような感覚があるのは恐らく腕の甲殻にとげのようなものがあったからだろう。直撃を食らって膝をついた俺は作戦を練り直す。ここまま剣を引き抜こうとしても多分抜けず、仮に抜けたとしてもこの怪我で戦い続けるのは厳しいはずだ。
窮地に立たされた俺の頭にある一つのアイデアが浮かんだ。引いてだめなら押してみる。ともすれば急所、つまりは核袋を切り裂いて奴を殺すことが出来る。なんとも短絡的な作戦だが、もう残された時間は少ないし、なによりやってみないことには分からないのだ。
手を突いて立ち上がると、オーベルセルムを睨みつける。狙うのは剣の柄頭。思い切り殴りつければ奴の体に深く刺しこめるかもしれない。深く呼吸をしながら右腕を引き絞る。
「おらああッ!!」
気合の一声とともにため込んだ力を弾けさせ右腕を全力で突き出した。固く握られた拳はまっすぐに剣のポメルを打ち抜き、反動が腕から方にまで伝わってくる。金属でできた柄頭を思い切り殴りつけたので当たり前だが拳から血が流れている。剣の押し込みが効いたのか大ガニが暴れるが、依然としてその生命の灯を絶やすことなく俺を腕で殴りつけてきた。左から迫る豪速の腕がもはや避けようのないものだと判断した俺は、左手に装備している籠手をさらに右手で支えて受け止めることを試みる。瞬間、車と正面衝突したかのようなインパクトが襲い吹き飛ばされそうになるが、俺はそれに抗って全身の筋肉を酷使して左手の籠手を盾にして思い切り押し込んだ。途中鈍い音がして左腕に激痛が走ったが、何とか腕の攻撃を押しとどめることが出来た。俺は再び剣に向き直る。まだだ、まだ燃え尽きるには早い。
「は、あああッ!!」
もう一度柄頭を殴りつける。さらに剣が中に食い込み、隙間から青い液体が溢れてきた。オーベルセルムも先ほどとは比べ物にならないほどの暴れぶりを見せる。もう少し、もう少しできっとこいつにとどめを刺せる。しかし、さっきのパンチの瞬間に拳に鋭い痛みが走り、恐らく骨が折れてしまった。激痛に息を荒げていると、今度は右から腕の振り下ろしがやってくる。
随分とゆっくりと流れる時間の中で無慈悲に迫りくる巨大な腕を見ながら、俺の頭には走馬灯のようなものが見えていた。晴れた午後のとある日、おんぼろな工房の中で魔法の師ライさんが俺に語り掛けてくる。
「いいかい、魔法で一番重要なのは冷静な心さ。冷静な心がなくてはマナというのはちゃんとお前さんに突き従ってくれないんだよ」
なぜこのタイミングでそれを思い出したのかはわからない。だが、ライさんの言葉のおかげで俺も冷静さを取り戻せた気がした。
わずかに、ほんのわずかに回復したマナと、ありったけの気合を傷ついた右手に送り込む。狙うのは三度目となって血がついてしまった剣の柄頭。迫りくるオーベルセルムの腕が俺を吹き飛ばすのにはもう猶予はない。
「いっけええええええッ!!!」
裂帛の気合とともに振り抜かれた渾身の一撃は仄かな紫光の尾を引いて一直線に飛び出し、柄頭をまっすぐに打ち抜いた。びしりという破砕音が響き、拳の破壊とともに何かが壊れた事実が伝わってきた。俺まで数センチに迫っていた腕がぴたりと硬直する。一瞬の静寂がその場を支配し、直後ゆっくりとオーベルセルムの巨体が後方に崩れ落ちた。
「はあっ……はあっ……、やった、のか……?」
無論俺の問いに答える者はいない。しかし、オーベルセルムの亡骸はその事実を伝えるようにピクリとも動かなかった。
「やった、やったぞおお!!」
勝利の雄たけびを上げて俺は雨に濡れた地面に仰向けに倒れこんだ。脳内麻薬のおかげで今は痛くないが、後から体のあちこちの怪我がとんでもないことになりそうだなあと他人事のように思いながら、しばらくの間、少し弱くなった雨を浴びて寝転がっていた。
大雨の森の奥で、俺は仇敵である大ガニの魔物オーベルセルムと再会を果たした。前回の戦いでは、奴が体力切れで動けなくなったところを見計らって俺が逃走したことで一時休戦となった。しかし、ローガンさんの下で修行をした俺はあの時の俺とは違うはずだ。
怨嗟の炎を灯した隻眼が俺をまっすぐに捉える。目線が二つから一つに減ったにもかかわらず、その迫力は以前よりも増しているように感じる。
オーベルセルムが俺を叩き潰さんと右の鋏を振り上げた。いくら修行を積んだとはいえ別に人格が変わったというわけではないので、凶悪極まりない巨大な鋏にはやはり原始的恐怖を抱かざるを得ない。しかしここで動けずにいたら前と同じ結果になってしまう。すくむ足を奮い立たせて俺はオーベルセルムに向かって走り出した。
オーベルセルムの姿が近づく中で最高点に達した大槌が俺の脳天目がけて振り下ろされる。やけにゆっくりと流れる時間の中で、俺は剣を頭の上まで振りかぶると同時に右足にマナを集中させた。体内のマナを爆発的な推進力に変える技術である纏いのイメージは落下。右足を蹴り出す瞬間に集中させたマナを一気に力に変換して不可視の推進力を得る。薄暗い雨の森の中に紫の光を盛大にまき散らしながら俺の足は尋常ならざる速度で地面を蹴り、オーベルセルムの巨腕を頭上の剣が掠りながら俺は通り過ぎる。そしてそのままの勢いで象牙色の腹側の甲羅に剣を振り下ろした。ガツンッ! と硬いもの同士がぶつかり合う音が響き、また剣が損傷しないかと内心ヒヤヒヤだったが、さすがは高価な剣、せめぎ合いに打ち勝って見事その艶やかな甲殻に一本の深い亀裂を作って見せた。
オーベルセルムに人たち浴びせたところでバックステップして一旦呼吸を整える。修行の甲斐あってオーベルセルムの動きがよく見えるようになっている。そして、纏いもその有用性をいかんなく発揮してくれた。纏いの反動で痺れた脚を曲げ伸ばしして、再び剣を構える。先ほどの一撃は決まりはしたが恐らくほとんどダメージになっていない。奴を仕留めたくば、あの鎧のような硬質の甲殻を突き破るしかない。
そこで俺の一撃に数秒体を硬直させていたオーベルセルムも体勢を立て直し、今度は鋏を斜め上に掲げた。重量のある鋏をそんな位置においては前方に倒れてしまうんじゃないかと思っていると、案の定体全体が前に傾き出した。そしてある程度の速度が付いたところで突如こちらに向かって突進してきた。なるほど、わざと倒れるような姿勢を作ることで素早く獲物に向かって飛び出すというテクニックらしい。そういえばこの前こいつに出会ったとき、追いかけてくるオーベルセルムの足音がゆっくりの時と走る時で異なっていたのは、このように姿勢を変えていたからだったのか。というかカニのような見た目をしているくせに前に歩いてくるのは一体どういうことなのだ。
すさまじい速度で向かってくるオーベルセルムを見て俺は瞬間的に判断する。今から横に避けようとしても奴の体躯では避け切れない。となれば狙うは股抜けだろう。下手をすれば奴と正面衝突して一瞬であの世行きだろうが、もはやほかの対抗策を講じている暇はない。
プランを決定すると、俺は覚悟を決めて突進中のオーベルセルムに向かって駆け出した。下をくぐろうとしていることがバレてしまえば恐らくそれを阻止しようとしてくるはず。ゆえにぶつかる寸前にスライディングして攻撃を避けなければならないのだ。俺からオーベルセルムまでの距離はおよそ五メートル。どちらも互いの方に走っているので相対速度は大きくなり、その分だけ恐怖感が増す。残り二メートル。もう象牙色の腹が目前に迫るというところで、俺は素早く体を倒して背中から地面に滑り込んだ。幸い雨で地面が濡れているおかげで突っかかるようなこともなく、俺はついにオーベルセルムと交差した。仰向けで滑走する俺の顔面すれすれを大ガニのふんどしが通過していく。そのままオーベルセルムは俺の上を通過していき、俺の方もすぐさま立ち上がってオーベルセルムの方に向き直った。どうやらオーベルセルムは俺の姿を見失ったようで、その巨体を右に左に動かして俺を探している。攻撃を入れるには絶好のタイミングだと俺は剣を振りかぶって奴の背中に迫った。剣がその甲羅に直撃するという所で、俺を発見したオーベルセルムが後ろを向いたままこちらに突っ込んできた。前にも歩くし後ろにも飛んでくるし、もう何でもアリな魔物だ。俺はろくに受け身を取ることもできずに迫りくる尻、というか甲羅に吹き飛ばされた。この衝撃の大きさ、どう考えても普通は先ほどの近距離からあんな速度を出すことはできないだろう。恐らくは鋏を射出するのと同じような魔法的仕組みで体を動かしたのだ。
予想外の攻撃を浴びせられ、俺は再び地面に仰向けになってしまった。慌てて起き上がるとすでにオーベルセルムはこちらに向き直り、両の鋏をこちらに近づけていた。そういえば前に見た夢でこんな状況になったことがあったっけと思い出しながら剣を構えようとするがさっきまで握っていたはずの剣がない。ちらりと辺りを確認すると、どうやら突撃で吹き飛ばされたらしい剣が後方に転がっていた。……これはまずい、まずすぎる。これでは前の戦いの繰り返しどころかさらに悪化している。
どうにかして剣を取らなければと思いつつオーベルセルムに素手で向き合う。剣を持って相対していた時とは比べものにならないほどの緊張感。オーベルセルムの攻撃を受け止めたり受け流したりすることは極めて困難なので、一手でも間違えれば……、その先に待つ結末は考えたくもない。
両手の巨大な鋏が急速に迫る。俺は敢えて前方に飛び出すとバク宙のような姿勢で飛び上がった。元の世界ではこんな軽業はもちろんスポーツなども人並みくらいにしかできなかったが、なぜかこの世界に来てからメキメキと身体能力が上昇しているように思う。背後を鋏が通り抜けていくのを感じながら、再び右足にマナを集中させて纏いのプレモーションに入った。
「……シッ!!」
纏いの発動に伴って解放されたマナのエネルギーが爆発的な力となって俺の体をさらに回転させ、きれいな円を描きながらオーベルセルムの顔面と思しき部分を思い切り蹴り上げた。加速されたサマーソルトキックをもろに食らった大ガニの体が後方に傾くと同時に、俺は纏いの残滓を使って紫色の尾を引きながら後方に回転して戻っていく。着地した直後にオーベルセルムが後ろに倒れた衝撃が轟音とともに肌を打つ。しかし同時に俺の右足を金づちで殴られたかのような激痛が襲った。纏いは体の加速はできても頑丈さは変えられないので、普通以上にこちらにもダメージが入ってしまうのだ。
オーベルセルムの方を見やると、未だ地面に転がって起き上がろうともがいていた。やはり両腕がかなりの重量を持っているため体勢を崩されると簡単に倒れてしまうらしい。今の隙だと落ちた剣を拾い上げると、改めて安心感のある革巻きの柄を握り締めた。
剣を拾って構え直したタイミングでようやくオーベルセルムもひっくり返りを脱したようで、その目にはさらなる怒りの色がこもっているように見えた。今、俺とオーベルセルムとの距離は十メートルを切るくらい。ある程度の距離が空くと鋏を飛ばしてくるのは前回の戦いから学んでいる。若干遮蔽するように草木が生えてはいるものの、そんなものは奴の鋏ミサイルの前ではないに等しいだろう。飛んでくる鋏に警戒して身構えていると、予想通りオーベルセルムは右の鋏を俺に向かって掲げた。そして鋏の根本、関節あたりからオレンジ色の光が零れ始める。俺が受け流すためにやや左に飛んだ瞬間、爆発したかのような轟音が響き渡り、マズルフラッシュのようなオレンジの閃光をまき散らしながら鋏が射出された。修行を経験して成長した俺の目ですらその迫りくる巨大な砲弾を正確にとらえることが出来ない。しかしローガンさんの神速の攻撃に慣れた俺なら、そのもの自体は見えなくてもいつそれが到達するかくらいなら予測できる。自分の勘を信じて両手持ちにした剣を左後方に引き絞るとマナを手に集めた。纏いの発動でブーストしたバックハンドからの横薙ぎを直撃させれば、もしかするとうまく攻撃を受け流せるかもしれない。受け流しの猶予は一瞬、失敗すればすべてが水の泡。限界まで集中して研ぎ澄まされた俺の五感に飛来する鋏の情報が伝わってくる。
「ここ、だあッ!!」
瞬間、ねじった体を一気に引き戻し、それと同時に纏いを発動させて全力で剣を振り抜く。紫光の奔流と橙色の輝きが衝突し、せめぎ合い、轟音と振動を俺に伝える。ここで負けるわけにはいかないのだ。雄たけびを上げながら剣を振り抜いて一瞬の静寂が訪れる。数秒遅れて背後から鋏が地面に激突した音が響き突風が吹き荒れる。俺は鋏を受け流した勢いで足を軸に一回転すると左手を正面に掲げる。鋏ミサイルの反動か何かで体を硬直させているオーベルセルムに向かって俺は魔法の詠唱を開始した。
「テネロ・ショトゥ・タグ:ディス・スペウ:オクタデク・ルーン!!」
魔法のための呪文、式句を唱えていくたびに左の手のひらを中心に紫色に淡く発光する円が空中に描き出され、最後のルーンの発声とともに円が一段と強く輝く。そして円の先に真っ黒な円盤が生成されるや否や、野球選手の投球ばりの速度でまっすぐにオーベルセルムの方へ飛んでいった。俺の左手と奴との間を遮る植物を軽々と切断しながら黒いディスクは直線軌道を描いて飛来し、鮮やかにオーベルセルムの右足一本に半ばまで切り込みを入れた。奴の体重を加味すれば傷ついた右足が折れるのも時間の問題だろう。
俺の反撃を食らってオーベルセルムはぐらりとよろける。一気に攻め落とすなら今しかない。俺はハードル走のように木々を避けつつ大ガニの元に走る。すでに奴の右腕に鋏はないので右半身から攻めるのがよいだろう。右腕にマナを集中させながら地面を蹴る。ひとまずは先ほど切りつけた右足を切断したい。
しかし、これまで順調だったからと言ってこの作戦も成功するなどと妄信してしまうのは愚かだった。寸前まで動きを止めていたオーベルセルムは突然左腕をこちらに向けると、オレンジ色の光とともに鋏を射出した。右の鋏とは違い鋏の開かれたそれは、あたかも刺又のように俺の胴をがっちりと捕らえて後方の太い木に打ち付けられた。太い木がしなるほどの衝撃に呼吸が出来ず、視界がちかちかと明滅する。ごぽごぽと何が体の奥から湧いてくるような感覚がした直後に鉄の味がする液体がせり上がってきてたまらず口外に吐き出した。どうやら胃か何かにも損傷が行ったらしい。段々と目が見えるようになってきて辺りを確認すると、そこで俺の体が鋏でゆっくりと締め上げられて行っていることに気付いた。確かにカニの鋏は体から離れてもつかんで離さないというのを聞いた覚えがある。。幸い両腕は自由だが、このままではいつ俺の胴体が背後の幹ごと両断されるか分かったものではない。
俺をハサミで拘束したオーベルセルムは両腕を失ってむしろバランスが良くなったのか、ゆっくりとではあるもののこちらに迫り始めた。表情の見えないその顔面だが、なんとなく勝ち誇ったような、俺を嘲笑っているような色を感じる。やはりローガンさんの言う通り魔物の成長は著しい。前回の戦闘では奴は右の鋏をの温存して戦っていたが、どうやらその状態ではバランスが悪いのか、結局俺程度の相手に右腕を持っていかれてしまったのだ。その反省を生かして惜しまずに切り札を使い、なおかつ俺を封じるまでになるとは全く恐ろしい話だ。
「だけどな、俺だって今まで何もしてこなかったわけじゃないぜ……!」
まだ俺の心の炎は消えてなどいない。俺は右腕にマナを集中させて剣を思い切り振りかぶる。どうか当たってくれと願いながら放った全力の纏いは、その思いを反映させたように紫色の激しい光を発しながら腕を押した。放たれた鋼色の剣は紫の光を散らしながら回転してオーベルセルム目がけて飛んでいき、吸い込まれるように奴の裏の甲羅の真ん中に突き刺さった。一瞬遅れて突風とともにかつての愛剣の破砕音にも似た轟音が大気をつんざく。
たまらず足と口の大あごをめちゃくちゃに動かすオーベルセルムをちらりと見つつ、今度は俺を引きちぎらんとする鋏の処理にかかる。両腕で左右それぞれの鋏を掴み、残りのマナ全てを集中させて纏いを発動。どれだけ力を加えてもびくともしなかった鋏を纏いによるさらなるブーストで開く。
「おおおッ!!」
気合とともに辺りを照らすほどに紫光が弾け、わずかに、しかし着実に鋏が開き始めた。じわりじわりと鋏を広げていき、ある点に達したところでガコ! という関節が外れる音を盛大に響かせて、俺は鋏の拘束から解放された。マナが枯渇したことを知らせるような体の芯の痺れと虚脱感の中でひとしきりせき込んだのち、俺は呼吸を整えてオーベルセルムに向き合った。胸の少し上あたりに俺の剣が突き刺さってはいるもののまだ奴は健在なようで、怒りに満ちた様子で顎をバチバチと動かしている。もはや両者とも得物と呼べるようなものは持ち合わせていない。マナも先ほどの纏いで底を尽きてしまった。ならばあの突き刺さった剣をどうにかすることが出来ればこちらが圧倒的に有利になるのではないか。
オーベルセルムに突進した俺を迎撃しようと奴の鋏のない腕が振り下ろされる。鋏がなくなったとはいえ大質量の腕から繰り出される攻撃は食らえばただでは済まないだろう。迫りくる腕の攻撃を跳んだりスライディングしたりしながら前へ突き進んでいく。そして剣の前にたどり着いた俺は剣の柄を両手で握り甲羅に足をかけて引っ張った。しかし内部の筋肉の影響か、どれだけ力を込めてもびくりともしない。そうこうしているうちに再びの腕の振りが背後に接近し、避ける暇もなく背中に痛撃を食らってしまった。刃物で刺されたかのような感覚があるのは恐らく腕の甲殻にとげのようなものがあったからだろう。直撃を食らって膝をついた俺は作戦を練り直す。ここまま剣を引き抜こうとしても多分抜けず、仮に抜けたとしてもこの怪我で戦い続けるのは厳しいはずだ。
窮地に立たされた俺の頭にある一つのアイデアが浮かんだ。引いてだめなら押してみる。ともすれば急所、つまりは核袋を切り裂いて奴を殺すことが出来る。なんとも短絡的な作戦だが、もう残された時間は少ないし、なによりやってみないことには分からないのだ。
手を突いて立ち上がると、オーベルセルムを睨みつける。狙うのは剣の柄頭。思い切り殴りつければ奴の体に深く刺しこめるかもしれない。深く呼吸をしながら右腕を引き絞る。
「おらああッ!!」
気合の一声とともにため込んだ力を弾けさせ右腕を全力で突き出した。固く握られた拳はまっすぐに剣のポメルを打ち抜き、反動が腕から方にまで伝わってくる。金属でできた柄頭を思い切り殴りつけたので当たり前だが拳から血が流れている。剣の押し込みが効いたのか大ガニが暴れるが、依然としてその生命の灯を絶やすことなく俺を腕で殴りつけてきた。左から迫る豪速の腕がもはや避けようのないものだと判断した俺は、左手に装備している籠手をさらに右手で支えて受け止めることを試みる。瞬間、車と正面衝突したかのようなインパクトが襲い吹き飛ばされそうになるが、俺はそれに抗って全身の筋肉を酷使して左手の籠手を盾にして思い切り押し込んだ。途中鈍い音がして左腕に激痛が走ったが、何とか腕の攻撃を押しとどめることが出来た。俺は再び剣に向き直る。まだだ、まだ燃え尽きるには早い。
「は、あああッ!!」
もう一度柄頭を殴りつける。さらに剣が中に食い込み、隙間から青い液体が溢れてきた。オーベルセルムも先ほどとは比べ物にならないほどの暴れぶりを見せる。もう少し、もう少しできっとこいつにとどめを刺せる。しかし、さっきのパンチの瞬間に拳に鋭い痛みが走り、恐らく骨が折れてしまった。激痛に息を荒げていると、今度は右から腕の振り下ろしがやってくる。
随分とゆっくりと流れる時間の中で無慈悲に迫りくる巨大な腕を見ながら、俺の頭には走馬灯のようなものが見えていた。晴れた午後のとある日、おんぼろな工房の中で魔法の師ライさんが俺に語り掛けてくる。
「いいかい、魔法で一番重要なのは冷静な心さ。冷静な心がなくてはマナというのはちゃんとお前さんに突き従ってくれないんだよ」
なぜこのタイミングでそれを思い出したのかはわからない。だが、ライさんの言葉のおかげで俺も冷静さを取り戻せた気がした。
わずかに、ほんのわずかに回復したマナと、ありったけの気合を傷ついた右手に送り込む。狙うのは三度目となって血がついてしまった剣の柄頭。迫りくるオーベルセルムの腕が俺を吹き飛ばすのにはもう猶予はない。
「いっけええええええッ!!!」
裂帛の気合とともに振り抜かれた渾身の一撃は仄かな紫光の尾を引いて一直線に飛び出し、柄頭をまっすぐに打ち抜いた。びしりという破砕音が響き、拳の破壊とともに何かが壊れた事実が伝わってきた。俺まで数センチに迫っていた腕がぴたりと硬直する。一瞬の静寂がその場を支配し、直後ゆっくりとオーベルセルムの巨体が後方に崩れ落ちた。
「はあっ……はあっ……、やった、のか……?」
無論俺の問いに答える者はいない。しかし、オーベルセルムの亡骸はその事実を伝えるようにピクリとも動かなかった。
「やった、やったぞおお!!」
勝利の雄たけびを上げて俺は雨に濡れた地面に仰向けに倒れこんだ。脳内麻薬のおかげで今は痛くないが、後から体のあちこちの怪我がとんでもないことになりそうだなあと他人事のように思いながら、しばらくの間、少し弱くなった雨を浴びて寝転がっていた。
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