18 / 54
本編
018 結婚願望ってある?
しおりを挟む
アルティナは、少し距離があるために微かに聞こえる自らの評判や、部下達の考えよりも、向けられる視線が煩いなと思って進んでいた。
この辺りはほぼ魔獣達は出て来ないようになっている。盗賊の残党の気配もない。それを一応は確認しなからも、アルティナがオリエルを婚約者に選ぶ前。母に言われた言葉を思い出していた。
『ティナは、結婚願望ってある?』
今日もいい天気。海賊退治も絶好調だと、お宝を荷台で運んで気分よく帰ってきた時の言葉だった。
『なんで?』
『いや、ティナくらいの年齢の娘は、恋に恋する頃だって聞いてね』
『それ、お姉様にも聞いた?』
『あの子が恋に恋するような玉ですか。ティナくらいの年の頃には、既に男も女も使えるか使えないかで分けて考えていたわよ。将来性まで込みでね』
きっと、姉のビオラならば『結婚とは生涯タダで使える補佐との契約ですわね』と言っただろう。それが分かるくらいには、家族で性格を理解している。
『じゃあ、なんで私に聞くの?』
『ビオラより、ティナの将来が不安だから』
『え~。でも、性格は母様にそっくりだって言われてるんだよ? 何とかなるよ』
『ああ……って、誤魔化されないからな!』
『え~……う~ん……結婚かあ……貴族の夫婦見てると、上手くやれるのって稀なのかな~って思うんだよ。だから夢見れないんだよね~』
『……何を見た?』
『何人か、盗賊に相手を襲わせてた。依頼書、しっかり回収したからね』
『……』
そう。ガティーラで活動するに当たって、盗賊達の住処からは、いくつもの犯罪の証拠が出てくる。その裏取りをする仕事も、アルティナはしていた。
『だから、私も結婚するなら使える人を選ぶかな。あと、本性見せて叩き潰して、文句言わせないように出来そうな人?』
『特殊過ぎるわ! というか、相手が不憫!』
『口うるさい人じゃないといいな~って』
『わかった……それが第一条件だな。で? 結婚願望は?』
『今のところないねえ』
『被害者が出なくて良かったよ……』
母が本気で胸を撫で下ろしていたのがつい一年ほど前のことだった。
その一年の間に、アルティナはオリエルとの婚約を決めた。打診したのは、ほんの数ヶ月前のこと。
王宮での舞踏会で、デビュタントを迎えた時には、頭の足りない王女にひっつかれ、表情を変えずに令嬢達に囲まれていたオリエルを初めて見た。
浮かれた様子もなく、ただ、騎士のように王女の側に居るだけ。王女も、オリエルを見せびらかすための装飾品のように扱っているのが感じられて思わず眉を寄せた。
その時はオリエルを気の毒な人だと思っただけだった。王女に、王家に何かあった時にきちんと逃してあげようとチェックを入れただけ。
しかし、それから約半年後。参加した舞踏会で、顔に傷をつくって戦場から帰ってきたオリエルを声高に呼び出し、褒章を与えるでもなく、手酷く王女が切り捨てたのだ。
『そのような醜い顔を、よくもわたくしの前に出せたわね! お前のようなものとの婚約などごめんよ! 二度とわたくしに近づかないで!』
それを聞いて、無表情のまま一礼すると、オリエルは会場を後にした。
よくも怒らずに堪えたものだと感心し、アルティナはオリエルに興味を持った。
その日の夜。
アルティナは、オリエルの様子を見に行った。あの舞踏会の時には、顔が、傷が見えるようにと指示されていたのだろう。まだ血が滲んでいるのにも関わらず包帯をしていなかったが、さすがにそのままではなかったようだ。
顔に包帯を巻いているオリエルを見つけるのは容易かった。家ではなく、町の酒屋にいたのだ。
『っ、くそっ……』
一人でイライラしながらお酒を飲むオリエルに、アルティナは少し安心した。ちゃんと人らしい感情があったのだとわかったからだ。
人形のように感情を壊してしまった人たちを、アルティナは見てきた。何もかも奪われて、壊れてしまった人たちを。
だから嬉しくなって明るく声をかけた。
『ねえ。お兄さん』
『っ……?』
フードを目深に被り、仕事用の黒衣を着ているアルティナを、貴族の令嬢だとは思わないだろう。
『その包帯の下の傷。完全に何もなかったかのように治す薬と、傷痕がしっかりと残るけど今すぐ治る薬。どっちが欲しい?』
『……』
『怪しいと思うのは分かるよ? 聞いたんだ。お兄さん、先月の隣国との戦で大活躍だったんだってねっ。それなのに、王族が褒賞を与えるどころか、傷を作ったことを罵ったとか?』
『っ……』
『戦の被害を少なくしてくれた英雄様に、せめてもの贈り物をと思ってさ』
これは本心だった。戦があれば、国は疲弊し、民が割りを食う。そして、生活が出来なくなった者が盗賊に落ちる。だから、避けられない戦は短期決戦が望ましい。それを叶えてくれたのだ。お礼をするのは間違いではない。
『……それは……本当に効くのか……』
『なんなら、二つともあげるよ。こっちの傷が残る方を今飲むと良い。すぐに痛みも消える。こちらの薬は……』
耳に口を寄せて囁くように告げる。
『森の守り神からの贈り物なんだ。神の秘薬だよ』
『っ……!』
『だから、こっちの薬を使った後でも、何年後かでも効果がある。あ、でも飲む時に、ここを治したいってちょっと意識してよね。何年か前の傷だと、傷があるのが正常だって体が認識してしまっているから、それだと治らないんだ』
『っ、それは、正常な状態にするもの……ということか? 病にも……』
そこでアルティナが思い出したのは、オリエルの母親のこと。長く患っていると聞いたことがあった。
『効くね。ああ、そうか。病気の家族がいるのかな。なら、もう一つ……』
『っ、いや、これでいい。十分だ。俺の傷はこれで治す気はない』
『そう? まあ、また何か頑張ってくれたら、あげられる時が来るかもね。それじゃあ』
『えっ、おいっ』
アルティナは薬を二本渡すと、完全に酔いが醒めて追いかけられる前にと酒場を飛び出した。
その後、窓から覗き込めば、すぐにオリエルは痕は残るが、傷がすぐに治る薬を飲んで包帯の上から傷を触って確かめていた。普通なら怪しんで薬をどこかに調べに出すだろう。だが、オリエルはどうなっても構わないと思うほどに追い詰められていたようだ。
神の秘薬だけでなく、もう一つを出したのは、オリエルがあの王女から逃げたいと思っていると感じたから。一時でも逃してやれるものをと思ったのだ。
オリエルは、酔いが完全に醒めたのか、酒場を後にすると、家に向かって駆け出していた。手にはしっかりとあの秘薬が握られている。
その秘薬は、正しく森の神が与えると思った人の手にしか渡らない。アルティナは運び屋だ。
森を焼きかねなかった戦。それを早期終結させたオリエルの奮闘ぶりを森の神は見ていた。
『国が出す褒賞より、よほど良いものよね』
アルティナはクスクスと笑い、その時に決めた。あれだけ王女を嫌っているならば、今の王家につくことはない。縋りもしないだろう。
『まあ、こんな怪しい人からもらった薬を信じてしまうほど追い詰められているのは問題だけど……そこはこちらでどうにかすればいいかな』
少し不安だが、アルティナや家族の力を借りれば全く問題はない。お人好しのフォローもお手のものだ。
『騎士団への繋ぎも取るなら、手っ取り早いのは婚姻か。うん。何とかなるかな』
そんはノリで決めた婚約者候補だった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
◆恋愛っぽくなってきたので
二日後【20日頃に】
カテゴリー変更します!
内容はファンタジー寄りの
もので間違いはありません◎
ファンタジー▶︎恋愛
この辺りはほぼ魔獣達は出て来ないようになっている。盗賊の残党の気配もない。それを一応は確認しなからも、アルティナがオリエルを婚約者に選ぶ前。母に言われた言葉を思い出していた。
『ティナは、結婚願望ってある?』
今日もいい天気。海賊退治も絶好調だと、お宝を荷台で運んで気分よく帰ってきた時の言葉だった。
『なんで?』
『いや、ティナくらいの年齢の娘は、恋に恋する頃だって聞いてね』
『それ、お姉様にも聞いた?』
『あの子が恋に恋するような玉ですか。ティナくらいの年の頃には、既に男も女も使えるか使えないかで分けて考えていたわよ。将来性まで込みでね』
きっと、姉のビオラならば『結婚とは生涯タダで使える補佐との契約ですわね』と言っただろう。それが分かるくらいには、家族で性格を理解している。
『じゃあ、なんで私に聞くの?』
『ビオラより、ティナの将来が不安だから』
『え~。でも、性格は母様にそっくりだって言われてるんだよ? 何とかなるよ』
『ああ……って、誤魔化されないからな!』
『え~……う~ん……結婚かあ……貴族の夫婦見てると、上手くやれるのって稀なのかな~って思うんだよ。だから夢見れないんだよね~』
『……何を見た?』
『何人か、盗賊に相手を襲わせてた。依頼書、しっかり回収したからね』
『……』
そう。ガティーラで活動するに当たって、盗賊達の住処からは、いくつもの犯罪の証拠が出てくる。その裏取りをする仕事も、アルティナはしていた。
『だから、私も結婚するなら使える人を選ぶかな。あと、本性見せて叩き潰して、文句言わせないように出来そうな人?』
『特殊過ぎるわ! というか、相手が不憫!』
『口うるさい人じゃないといいな~って』
『わかった……それが第一条件だな。で? 結婚願望は?』
『今のところないねえ』
『被害者が出なくて良かったよ……』
母が本気で胸を撫で下ろしていたのがつい一年ほど前のことだった。
その一年の間に、アルティナはオリエルとの婚約を決めた。打診したのは、ほんの数ヶ月前のこと。
王宮での舞踏会で、デビュタントを迎えた時には、頭の足りない王女にひっつかれ、表情を変えずに令嬢達に囲まれていたオリエルを初めて見た。
浮かれた様子もなく、ただ、騎士のように王女の側に居るだけ。王女も、オリエルを見せびらかすための装飾品のように扱っているのが感じられて思わず眉を寄せた。
その時はオリエルを気の毒な人だと思っただけだった。王女に、王家に何かあった時にきちんと逃してあげようとチェックを入れただけ。
しかし、それから約半年後。参加した舞踏会で、顔に傷をつくって戦場から帰ってきたオリエルを声高に呼び出し、褒章を与えるでもなく、手酷く王女が切り捨てたのだ。
『そのような醜い顔を、よくもわたくしの前に出せたわね! お前のようなものとの婚約などごめんよ! 二度とわたくしに近づかないで!』
それを聞いて、無表情のまま一礼すると、オリエルは会場を後にした。
よくも怒らずに堪えたものだと感心し、アルティナはオリエルに興味を持った。
その日の夜。
アルティナは、オリエルの様子を見に行った。あの舞踏会の時には、顔が、傷が見えるようにと指示されていたのだろう。まだ血が滲んでいるのにも関わらず包帯をしていなかったが、さすがにそのままではなかったようだ。
顔に包帯を巻いているオリエルを見つけるのは容易かった。家ではなく、町の酒屋にいたのだ。
『っ、くそっ……』
一人でイライラしながらお酒を飲むオリエルに、アルティナは少し安心した。ちゃんと人らしい感情があったのだとわかったからだ。
人形のように感情を壊してしまった人たちを、アルティナは見てきた。何もかも奪われて、壊れてしまった人たちを。
だから嬉しくなって明るく声をかけた。
『ねえ。お兄さん』
『っ……?』
フードを目深に被り、仕事用の黒衣を着ているアルティナを、貴族の令嬢だとは思わないだろう。
『その包帯の下の傷。完全に何もなかったかのように治す薬と、傷痕がしっかりと残るけど今すぐ治る薬。どっちが欲しい?』
『……』
『怪しいと思うのは分かるよ? 聞いたんだ。お兄さん、先月の隣国との戦で大活躍だったんだってねっ。それなのに、王族が褒賞を与えるどころか、傷を作ったことを罵ったとか?』
『っ……』
『戦の被害を少なくしてくれた英雄様に、せめてもの贈り物をと思ってさ』
これは本心だった。戦があれば、国は疲弊し、民が割りを食う。そして、生活が出来なくなった者が盗賊に落ちる。だから、避けられない戦は短期決戦が望ましい。それを叶えてくれたのだ。お礼をするのは間違いではない。
『……それは……本当に効くのか……』
『なんなら、二つともあげるよ。こっちの傷が残る方を今飲むと良い。すぐに痛みも消える。こちらの薬は……』
耳に口を寄せて囁くように告げる。
『森の守り神からの贈り物なんだ。神の秘薬だよ』
『っ……!』
『だから、こっちの薬を使った後でも、何年後かでも効果がある。あ、でも飲む時に、ここを治したいってちょっと意識してよね。何年か前の傷だと、傷があるのが正常だって体が認識してしまっているから、それだと治らないんだ』
『っ、それは、正常な状態にするもの……ということか? 病にも……』
そこでアルティナが思い出したのは、オリエルの母親のこと。長く患っていると聞いたことがあった。
『効くね。ああ、そうか。病気の家族がいるのかな。なら、もう一つ……』
『っ、いや、これでいい。十分だ。俺の傷はこれで治す気はない』
『そう? まあ、また何か頑張ってくれたら、あげられる時が来るかもね。それじゃあ』
『えっ、おいっ』
アルティナは薬を二本渡すと、完全に酔いが醒めて追いかけられる前にと酒場を飛び出した。
その後、窓から覗き込めば、すぐにオリエルは痕は残るが、傷がすぐに治る薬を飲んで包帯の上から傷を触って確かめていた。普通なら怪しんで薬をどこかに調べに出すだろう。だが、オリエルはどうなっても構わないと思うほどに追い詰められていたようだ。
神の秘薬だけでなく、もう一つを出したのは、オリエルがあの王女から逃げたいと思っていると感じたから。一時でも逃してやれるものをと思ったのだ。
オリエルは、酔いが完全に醒めたのか、酒場を後にすると、家に向かって駆け出していた。手にはしっかりとあの秘薬が握られている。
その秘薬は、正しく森の神が与えると思った人の手にしか渡らない。アルティナは運び屋だ。
森を焼きかねなかった戦。それを早期終結させたオリエルの奮闘ぶりを森の神は見ていた。
『国が出す褒賞より、よほど良いものよね』
アルティナはクスクスと笑い、その時に決めた。あれだけ王女を嫌っているならば、今の王家につくことはない。縋りもしないだろう。
『まあ、こんな怪しい人からもらった薬を信じてしまうほど追い詰められているのは問題だけど……そこはこちらでどうにかすればいいかな』
少し不安だが、アルティナや家族の力を借りれば全く問題はない。お人好しのフォローもお手のものだ。
『騎士団への繋ぎも取るなら、手っ取り早いのは婚姻か。うん。何とかなるかな』
そんはノリで決めた婚約者候補だった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
◆恋愛っぽくなってきたので
二日後【20日頃に】
カテゴリー変更します!
内容はファンタジー寄りの
もので間違いはありません◎
ファンタジー▶︎恋愛
397
あなたにおすすめの小説
3歳児にも劣る淑女(笑)
章槻雅希
恋愛
公爵令嬢は、第一王子から理不尽な言いがかりをつけられていた。
男爵家の庶子と懇ろになった王子はその醜態を学園内に晒し続けている。
その状況を打破したのは、僅か3歳の王女殿下だった。
カテゴリーは悩みましたが、一応5歳児と3歳児のほのぼのカップルがいるので恋愛ということで(;^ω^)
ほんの思い付きの1場面的な小噺。
王女以外の固有名詞を無くしました。
元ネタをご存じの方にはご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。
創作SNSでの、ジャンル外での配慮に欠けておりました。
聖女の力に目覚めた私の、八年越しのただいま
藤 ゆみ子
恋愛
ある日、聖女の力に目覚めたローズは、勇者パーティーの一員として魔王討伐に行くことが決まる。
婚約者のエリオットからお守りにとペンダントを貰い、待っているからと言われるが、出発の前日に婚約を破棄するという書簡が届く。
エリオットへの想いに蓋をして魔王討伐へ行くが、ペンダントには秘密があった。
妻を蔑ろにしていた結果。
下菊みこと
恋愛
愚かな夫が自業自得で後悔するだけ。妻は結果に満足しています。
主人公は愛人を囲っていた。愛人曰く妻は彼女に嫌がらせをしているらしい。そんな性悪な妻が、屋敷の最上階から身投げしようとしていると報告されて急いで妻のもとへ行く。
小説家になろう様でも投稿しています。
心配するな、俺の本命は別にいる——冷酷王太子と籠の花嫁
柴田はつみ
恋愛
王国の公爵令嬢セレーネは、家を守るために王太子レオニスとの政略結婚を命じられる。
婚約の儀の日、彼が告げた冷酷な一言——「心配するな。俺の好きな人は別にいる」。
その言葉はセレーネの心を深く傷つけ、王宮での新たな生活は噂と誤解に満ちていく。
好きな人が別にいるはずの彼が、なぜか自分にだけ独占欲を見せる。
嫉妬、疑念、陰謀が渦巻くなかで明らかになる「真実」。
契約から始まった婚約は、やがて運命を変える愛の物語へと変わっていく——。
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
その断罪、三ヶ月後じゃダメですか?
荒瀬ヤヒロ
恋愛
ダメですか。
突然覚えのない罪をなすりつけられたアレクサンドルは兄と弟ともに深い溜め息を吐く。
「あと、三ヶ月だったのに…」
*「小説家になろう」にも掲載しています。
将来の嫁ぎ先は確保済みです……が?!
翠月るるな
恋愛
ある日階段から落ちて、とある物語を思い出した。
侯爵令息と男爵令嬢の秘密の恋…みたいな。
そしてここが、その話を基にした世界に酷似していることに気づく。
私は主人公の婚約者。話の流れからすれば破棄されることになる。
この歳で婚約破棄なんてされたら、名に傷が付く。
それでは次の結婚は望めない。
その前に、同じ前世の記憶がある男性との婚姻話を水面下で進めましょうか。
うっかり結婚を承諾したら……。
翠月るるな
恋愛
「結婚しようよ」
なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。
相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。
白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。
実際は思った感じではなくて──?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる