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第一章
010 私が悪いのですか?
答えの予想はしている。キリアルートが王子であるとバレるわけにはいかないと判断した三妃の兄である当主は、誰の子とも言わなかったのだろう。
一妃擁する派閥は、過去のやらかし話から考えても多い。王都からは離れているとはいえ、どこにその関係者が潜んでいるかも分からない状況では、キリアルートの事を知る者は少ない方が良い。
だから、家族にもその手が伸びないよう、曖昧に説明したのではないだろうか。これにより、多くの憶測を呼び、当主の態度から安易な判断を下したのだと思われる。
「本人から聞いた話でもないのに、不名誉になることを疑うとは……あなた方が、どれだけ主人に不義理をしているか分かりますか?」
「不義理……って……」
「どう言う意味だよ……」
年齢や身分を考えていなかったと反省する。貴族の子息ならば問題のない年齢でも、平民には難しい場合は多い。もう少し分かりやすく言い換えようとしたその時、現れたのは当主の息子、長男のシェルマだった。
「お前! 愛妾の子の分際で、使用人を呼び出すとは、私の友人達に何をさせるつもりだ!」
そこに、ユウリがビルスと共に駆けつけた。
「シェルマ様っ、キリア坊ちゃまは呼び出してなどおりません! 二人が謝りたいと言って来られたのです!」
「なんだと? 謝る? 何を謝ることがある! コイツは、母上を苦しめる悪魔だぞ!」
「っ、悪魔だなどとっ……キリア坊ちゃまは何も……っ」
「うるさい! お前も同罪だ! こんなやつを守ろうとしているのだからな!」
「っ……」
ユウリが絶句し、顔色を悪くする。主人の息子からの言葉だ。まだ子どもとはいえ、当然の反応だろう。しかし、本来言うべきことではないことをかなり口にしている。それを指摘せずに黙っていられるキリアルートではなかった。
「口を閉じていただけますか? 私からすれば、あなたの方が悪魔に近いです。アレは価値観も違う上に、人の話など聞きませんからね」
「……何を言って……」
この時、騒ぎを聞きつけた使用人達が、部屋の近くに集まって聞き耳を立てていた。誰が話しているのか、分からない者も多い。キリアルートがまともに話すところなど、ほぼ見た事がないはずだ。
「ところで、彼らにも聞きましたが、あなたは自分の父親から、私が愛妾の子であると聞きましたか?」
「は? そんなこと言うはずがないだろう!」
「何故です?」
「っ、当たり前だ! そんな不名誉な事! 口にするはずがない!」
「なるほど……」
そこで腕を組み、キリアルートは目を伏せる。ふうと息を吐くと、キッと目を開けた。
「では、そのような不名誉な事を言い広めているのはなぜですか」
「そっ……っ、お、お前が悪いと示しているんだ!」
「今一度確認しますが、それを当主が認めましたか?」
「だから! そんなことを口にするはずがっ」
「ならば、そのような事実がなかったら、どうされるつもりですか?」
「なに……?」
「「っ……」」
聞いている見習いメイドと庭師の少年は顔色を変えた。ざわついた雰囲気がピリついたのは、聞いていた使用人達も、及ばなかった考えに、ドキリとしたのだろう。
「ただの言いがかりであったなら、あなた方はどうしますか? 主人や父親に、事実にない不名誉な事を言いふらしたあなた方は、どう責任を取りますか?」
「っ、なっ」
「そもそも、ここの主人は誠実であり、何事にも筋を通そうとする正義感もある方のはず。そんな方が連れてきた私という存在が、本当に不義の子であると思いますか? そう思ったのならば、あなた方は、主人を、父親をどのような方だと思っているのです?」
「そ、それは……っ」
「「っ……」」
ようやく気づき始めた。自分たちが、どれだけ主人や父親を貶めたのかを。
「噂通りに誠実な方が子どもを預かるというならば、可能性としては不義の子よりも恩ある人から託された子ども、または、なんらかの事情で自らが守らなくてはならないと判断した子どもであると考えるのが自然です」
「っ……」
「あなた方は、そのような誠実な方の、品位を酷く貶めている。なんとも不敬で、不義理な方々だ。私は、あなた方を軽蔑します」
息を呑む気配が部屋の外から感じられた。聞いていた使用人達は大人だ。ここまで言えば理解できるはずだ。これまでのキリアルートへの対応や、主人を疑ったことに対して、顔色を失くしていることだろう。
「っ……お、お前が……」
「私が悪いのですか? 何一つ事情も知らない子どもの私が? 意味もわからず嫌がらせを受け、昨日は主人の息子の、友人のためにと、殺されかけた私が悪いのですか?」
「こ、殺されかけた?」
「っ……うっ……」
「……っ」
見習いメイドは涙を溢れさせていた。それは人を殺しかけたという罪悪感や怖さを理解したからだろう。ようやくだと感じた。見習い庭師の少年も、罪の理解を示しているようだ。
「別に私を悪者にしたいならすればよろしい。人は罪の前では、自分の心を守るため、正当性を守るために、他人を悪と決めつけがちです。それで心が壊れないならばよしとしましょう。ですが、いずれは受け止めなくてはならない時が来ます。それをお忘れなく」
「「「「「っ……」」」」」
これは、外にいる使用人達へ向けての言葉だ。正しく受け取られたはずだ。
「まずは事実を確認してください。理由があって、私がどこから来たのか、どういった経緯でここに来たのかは話せないかもしれない。けれど、あなた方の言う不義の子かどうかの確認はできるはずです。きちんとそれを確認してから、手を出すなら出しなさい。受けて立ちましょう」
「っ……そんな……っ」
「さあ、出て行ってください。あなた方二人もです。私の殺人未遂の件は、しっかりと覚えておきます。この件の始末は、未成年である私が自身で下すことではありません。当主の判断に委ねます」
「っ……はい……」
「っ……」
見習い庭師の少年は、罪を認めたくなさそうだが、見習いメイドの方は本気で後悔しているようなので、話は当主に伝わるだろう。そこで反省できるならば構わない。
反省のない謝罪は、どちらにとっても良くない。時間がかかっても、理解させ、反省させるべきだろう。
「私のことについての、当主への不名誉な噂が払拭されるまで、私には近付かないでください。外の皆さんもです! 食事ももはや信用できませんので要りません。ユウリ、そう厨房に伝えてください。嫌がらせでわざわざ用意させるのも申し訳ないですからね」
「あ、わ、分かりました」
「大丈夫。食事は考えていますから」
「はい。キリア坊ちゃまを信じます。必要なものがありましたら、お言い付けください」
「うん。ありがとう。じゃあ、悪いけど皆を追い出してくれる?」
「もちろんです! さあ! お戻りください!」
こう言う時、ユウリは本当に頼りになる。ビルスも協力してくれているようだ。ユウリへの想いは、どうやら周知の事実なので、特にビルスの行動を不思議がる者はいない。
そうして、全員をなんとか部屋の外に出して、扉を閉めた後、キリアルートはユウリにさっそくお願いした。
「それじゃあユウリ。ビルスを使っ……利よ……いえ、彼に頼んでもいいので、コレらを町で売ってきてください」
そう言って、キリアルートは床にどこからともなくいくつかのインゴットと薬草を並べた。
「はい!?」
**********
読んでくださりありがとうございます◎
一妃擁する派閥は、過去のやらかし話から考えても多い。王都からは離れているとはいえ、どこにその関係者が潜んでいるかも分からない状況では、キリアルートの事を知る者は少ない方が良い。
だから、家族にもその手が伸びないよう、曖昧に説明したのではないだろうか。これにより、多くの憶測を呼び、当主の態度から安易な判断を下したのだと思われる。
「本人から聞いた話でもないのに、不名誉になることを疑うとは……あなた方が、どれだけ主人に不義理をしているか分かりますか?」
「不義理……って……」
「どう言う意味だよ……」
年齢や身分を考えていなかったと反省する。貴族の子息ならば問題のない年齢でも、平民には難しい場合は多い。もう少し分かりやすく言い換えようとしたその時、現れたのは当主の息子、長男のシェルマだった。
「お前! 愛妾の子の分際で、使用人を呼び出すとは、私の友人達に何をさせるつもりだ!」
そこに、ユウリがビルスと共に駆けつけた。
「シェルマ様っ、キリア坊ちゃまは呼び出してなどおりません! 二人が謝りたいと言って来られたのです!」
「なんだと? 謝る? 何を謝ることがある! コイツは、母上を苦しめる悪魔だぞ!」
「っ、悪魔だなどとっ……キリア坊ちゃまは何も……っ」
「うるさい! お前も同罪だ! こんなやつを守ろうとしているのだからな!」
「っ……」
ユウリが絶句し、顔色を悪くする。主人の息子からの言葉だ。まだ子どもとはいえ、当然の反応だろう。しかし、本来言うべきことではないことをかなり口にしている。それを指摘せずに黙っていられるキリアルートではなかった。
「口を閉じていただけますか? 私からすれば、あなたの方が悪魔に近いです。アレは価値観も違う上に、人の話など聞きませんからね」
「……何を言って……」
この時、騒ぎを聞きつけた使用人達が、部屋の近くに集まって聞き耳を立てていた。誰が話しているのか、分からない者も多い。キリアルートがまともに話すところなど、ほぼ見た事がないはずだ。
「ところで、彼らにも聞きましたが、あなたは自分の父親から、私が愛妾の子であると聞きましたか?」
「は? そんなこと言うはずがないだろう!」
「何故です?」
「っ、当たり前だ! そんな不名誉な事! 口にするはずがない!」
「なるほど……」
そこで腕を組み、キリアルートは目を伏せる。ふうと息を吐くと、キッと目を開けた。
「では、そのような不名誉な事を言い広めているのはなぜですか」
「そっ……っ、お、お前が悪いと示しているんだ!」
「今一度確認しますが、それを当主が認めましたか?」
「だから! そんなことを口にするはずがっ」
「ならば、そのような事実がなかったら、どうされるつもりですか?」
「なに……?」
「「っ……」」
聞いている見習いメイドと庭師の少年は顔色を変えた。ざわついた雰囲気がピリついたのは、聞いていた使用人達も、及ばなかった考えに、ドキリとしたのだろう。
「ただの言いがかりであったなら、あなた方はどうしますか? 主人や父親に、事実にない不名誉な事を言いふらしたあなた方は、どう責任を取りますか?」
「っ、なっ」
「そもそも、ここの主人は誠実であり、何事にも筋を通そうとする正義感もある方のはず。そんな方が連れてきた私という存在が、本当に不義の子であると思いますか? そう思ったのならば、あなた方は、主人を、父親をどのような方だと思っているのです?」
「そ、それは……っ」
「「っ……」」
ようやく気づき始めた。自分たちが、どれだけ主人や父親を貶めたのかを。
「噂通りに誠実な方が子どもを預かるというならば、可能性としては不義の子よりも恩ある人から託された子ども、または、なんらかの事情で自らが守らなくてはならないと判断した子どもであると考えるのが自然です」
「っ……」
「あなた方は、そのような誠実な方の、品位を酷く貶めている。なんとも不敬で、不義理な方々だ。私は、あなた方を軽蔑します」
息を呑む気配が部屋の外から感じられた。聞いていた使用人達は大人だ。ここまで言えば理解できるはずだ。これまでのキリアルートへの対応や、主人を疑ったことに対して、顔色を失くしていることだろう。
「っ……お、お前が……」
「私が悪いのですか? 何一つ事情も知らない子どもの私が? 意味もわからず嫌がらせを受け、昨日は主人の息子の、友人のためにと、殺されかけた私が悪いのですか?」
「こ、殺されかけた?」
「っ……うっ……」
「……っ」
見習いメイドは涙を溢れさせていた。それは人を殺しかけたという罪悪感や怖さを理解したからだろう。ようやくだと感じた。見習い庭師の少年も、罪の理解を示しているようだ。
「別に私を悪者にしたいならすればよろしい。人は罪の前では、自分の心を守るため、正当性を守るために、他人を悪と決めつけがちです。それで心が壊れないならばよしとしましょう。ですが、いずれは受け止めなくてはならない時が来ます。それをお忘れなく」
「「「「「っ……」」」」」
これは、外にいる使用人達へ向けての言葉だ。正しく受け取られたはずだ。
「まずは事実を確認してください。理由があって、私がどこから来たのか、どういった経緯でここに来たのかは話せないかもしれない。けれど、あなた方の言う不義の子かどうかの確認はできるはずです。きちんとそれを確認してから、手を出すなら出しなさい。受けて立ちましょう」
「っ……そんな……っ」
「さあ、出て行ってください。あなた方二人もです。私の殺人未遂の件は、しっかりと覚えておきます。この件の始末は、未成年である私が自身で下すことではありません。当主の判断に委ねます」
「っ……はい……」
「っ……」
見習い庭師の少年は、罪を認めたくなさそうだが、見習いメイドの方は本気で後悔しているようなので、話は当主に伝わるだろう。そこで反省できるならば構わない。
反省のない謝罪は、どちらにとっても良くない。時間がかかっても、理解させ、反省させるべきだろう。
「私のことについての、当主への不名誉な噂が払拭されるまで、私には近付かないでください。外の皆さんもです! 食事ももはや信用できませんので要りません。ユウリ、そう厨房に伝えてください。嫌がらせでわざわざ用意させるのも申し訳ないですからね」
「あ、わ、分かりました」
「大丈夫。食事は考えていますから」
「はい。キリア坊ちゃまを信じます。必要なものがありましたら、お言い付けください」
「うん。ありがとう。じゃあ、悪いけど皆を追い出してくれる?」
「もちろんです! さあ! お戻りください!」
こう言う時、ユウリは本当に頼りになる。ビルスも協力してくれているようだ。ユウリへの想いは、どうやら周知の事実なので、特にビルスの行動を不思議がる者はいない。
そうして、全員をなんとか部屋の外に出して、扉を閉めた後、キリアルートはユウリにさっそくお願いした。
「それじゃあユウリ。ビルスを使っ……利よ……いえ、彼に頼んでもいいので、コレらを町で売ってきてください」
そう言って、キリアルートは床にどこからともなくいくつかのインゴットと薬草を並べた。
「はい!?」
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