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第一章
020 勘かな!
驚くユウリとビルスは気にせず、キリアルートは、あねさんに確認する。
「フラッフネアとトルモルなんだけど」
「っ、はあ!? 飛び蛇と土鼠!?」
今度はあねさんが飛び上がるほど驚いている。それを横目に、椅子から飛び降り、作業台の方へと歩いていく。
「うん。昨日、森で見つけて。持って来た」
「ど、どこに……っ」
「ここ?」
キリアルートは、作業台から、二十センチ上の辺りを指さすと、そこに淡い黄色の丸いお皿のような薄さの光が現れた。それが空間庫の入り口だ。そこからトトトッと絡まった飛び蛇が落ちるようにして出て来る。空間庫の入り口である光を指差しながら、そこから少し離れた横に移す。止まったところで、次にドタッ、ドタッと出て来たのは大きく丸々と太った土鼠が二匹。
もちろん討伐済みで、動くことはない。フラッフネアは羽の生えた蛇のようなものだ。蛇とは断定できない。土地によっては、血吸い蛇とも呼ばれる。顔は口の尖った魚のようで、飛び魚のようなヒレが四対胴体に付いており、それで飛び掛かってくるのだ。体の長さは二メートルほど。血吸いと呼ばれるように、獲物の血を吸って生きている。
鱗は灰色。とても硬いが、よくしなる。磨くとシルバーのように輝き、そこに個体によって違う黒の線で描かれた模様があった。
「っ、飛び蛇が五匹も!? それも、なんて綺麗な状態なんだっ。すごいぞ! 鮮度も良い! これだけあれば、不足している解毒薬もかなり作れる! 皮の模様もすげえ!!」
「……あの硬い鱗を切断……? 首の所が一番硬いはず……どうやったんだ……?」
傭兵の男もマジマジとその傷口を見て感心していた。全てのフラッフネアは、頭の部分だけ別になっているのだ。
キリアルートは呑気に説明する。
「厄介なんだよね~。フラッフネアは、大抵の毒は効かないし、水にも強い……内側が火には弱いけど、喉の辺が一番良い薬が作れるところだから、できれば焼くのは避けたいしね」
「そうなんだよ!! あ、解体するぞ!」
「よろしく?」
あねさんが興奮気味に吟味していく。既にその手には解体用の刃物が光っていた。
「おいっ。カルツ! ここ押さえてろ!」
「お、おう……」
カルツと呼ばれたのは、傭兵の男だった。気安い仲だからか、遠慮なく補助として使うつもりらしい。男、カルツは困ったような、弱ったような顔をしながら、言われたように支えた。あねさんは切り口から腹の方に見える線のような鱗が途切れた場所を一直線に刃を入れていく。
「こいつの倒し方は、羽を斬るか折った後に、威嚇させて口を開けたところで火種を飲ませ、それを爆発させるってやつだ。それが一番安全な倒し方として推奨されてる」
そうあねさんが説明するが、カルツは不思議そうだった。
「あねさんが今切ってる所は、弱点じゃねえのか? 鱗が無さそうだが……」
「ああ……これは、討伐後にしか見えないんだよ。それに、見てみな。他の個体を」
「……線の位置が違う?」
背中に入っているもの、側面に入っているものと様々、同じ場所ではなかった。
「そうさ。何でかは知らん。魔力が通る道らしいんだが、魔力が切れねえと見えねえんだよ」
「……知らんかった……」
「まあ、お前はまだ六級だろ? こいつが頻繁に出て来るくらいの、森の奥には入れんだろうからな」
「ああ……」
悔しそうに下を向くカルツ。そんな姿を、キリアルートは下から見つめた。これに気付いたカルツが気まずげに目を泳がせる。
「なっ、なんだよ」
「う~ん。カルツ? さん? そんな弱くないよね?」
「っ、なっ!」
これは、バカにされたと思ったのだろう。カルツとしては、周りの者達よりも、力が劣っていると自覚していた。だからこそ、子どもの足を引っ掛けて、憂さ晴らしをしようとしていたのだ。燻っていることを見透かされたと思ったようだ。
顔を真っ赤にして口を開けようとするカルツより先にと、キリアルートは続けた。
「魔力量も少なくない。ただ、歩き方からすると、右足に古傷でもあるのかな? 無意識なのか庇ってるような歩き方だった。そのせいで体のバランスが崩れて来てる。それは早急に直すべきだろうね」
「っ……お前……なんで分かるんだ……」
「う~ん…………勘かな!」
「……」
「キリ……」
「……」
「あははっ」
カルツは憎らしいという目で見られ、後ろからユウリとビルスに呆れたような視線を受けたが、笑って誤魔化しておいた。
この間にも、あねさんは細かくカルツに指示しており、手の位置は変わっている。
「でさあ、カルツさん?」
「カルツでいい。気持ち悪い」
「そう? じゃあ、カルツ」
「……何だよ……」
不貞腐れたような顔をしたカルツだが、じっくりとその顔を見ると、無精髭が生えているせいか、かなり老けて見えたが、ビルスとあまり変わらない年齢に見える。
三度目の転生者であり、毎度大往生していたキリアルートからすると、その感情が隠せない顔はまだまだ幼く感じられた。よって、嫌がられても構う気満々だ。
「あの魔光機の代金として、ぼくのお供につかない? ここでの強さの基準が分からないけど、まあ、上級になれるくらいには鍛えてあげるよ。どう?」
「……何言って……」
「迷宮にも潜れる冒険者、じゃなかった。傭兵にしてあげる。うんって頷くだけだよ? よろしくお願いしますって頭下げろとは言ってないから」
「……っ!」
頷くだけならプライドも傷付かないだろうと、キリアルートは口元だけ笑みを浮かべ、目は射抜くようにカルツを見つめていた。それは威圧だった。キリアルートとしては無意識のものだ。だから、カルツが少し息を詰まらせながらこう答えるとは思っていなかった。
「っ……わ、分かった……よろしくお願いします……っ」
「ん? あ、うん。ふふっ。まあ、よろしくね」
「……ああ……」
「じゃあ、そこの椅子でもう少し待ってるから、解体のお手伝い頑張って」
「……ああ」
威圧したことを自覚し、ちょっと脅した感じになっちゃったなと反省しながら、椅子の方に向かって歩き出すキリアルートは、自分を納得させるように呟く。
「逃す気なかったしな~」
どのみち、カルツは引き込む気でいた。傭兵というものをよく知っている人が身近に欲しいと思ったのだ。いくらビルスが知っているとはいえ、彼は傭兵ではない。だから、カルツならば良さそうだと思った。引き入れ方が緩やかな方法か、脅迫付きの強制かの違いだけ。キリアルートの中では既に、魔光石に手を入れることを決めた時点で決定していたのだ。
「傲慢でもまあ……結果を出せば許されるよね」
結果よければすべて良し。その結果を出せるなら、その前の傲慢さがあっても構わないだろう。それが長年で出した答え。
「ビルス~。椅子に座らせて」
「はい……」
ビルスに抱き上げてもらい、椅子に座る。以前の生でのこうした傲慢さの見える仕事の仕方を思い出し、キリアルートは愉悦の混ざった笑みを浮かべた。しかし、すぐにその笑みを消すと、振り向いてユウリを呼ぶ。
「ユウリ。風でこの辺の空気を良くするから、お茶でもしようか」
「ええ。ですが、茶器などが……」
「持って来てるよ。そっちのカウンターに出すね」
部屋に持って来ていた茶器を空間庫に入れてきたのだ。もちろん、魔法で洗浄乾燥済みだ。
「ついでに、温度調整しながらのお湯の作り方を教えるよ」
「っ……お願いします」
「任せて。これで一々、厨房にお湯を取りに行かなくても良くなるからね」
「そうですねっ」
ユウリは嬉しそうに同意する。嫌味を言われながらも厨房とキリアルートの部屋を行き来するのは、ユウリにとっても苦痛だったようだ。
少しだけ申し訳なく思いながら、魔法でお茶を淹れるやり方と、洗浄と乾燥の仕方まで教えたのだ。もちろん、ビルスにもだ。ここは男女平等だと言って教え込んだ。良い暇つぶしになった。
それから三十分後。全ての解体は終わり、どうやら休憩中だったここの他の職員達も戻ってきたようだ。
そこで、誰もが解体された物を見て目を丸くしていた。キリアルートは薄々あねさんやカルツの反応で気付いてはいた。その予想は外れておらず、この地でも珍しい獲物だったらしい。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
「フラッフネアとトルモルなんだけど」
「っ、はあ!? 飛び蛇と土鼠!?」
今度はあねさんが飛び上がるほど驚いている。それを横目に、椅子から飛び降り、作業台の方へと歩いていく。
「うん。昨日、森で見つけて。持って来た」
「ど、どこに……っ」
「ここ?」
キリアルートは、作業台から、二十センチ上の辺りを指さすと、そこに淡い黄色の丸いお皿のような薄さの光が現れた。それが空間庫の入り口だ。そこからトトトッと絡まった飛び蛇が落ちるようにして出て来る。空間庫の入り口である光を指差しながら、そこから少し離れた横に移す。止まったところで、次にドタッ、ドタッと出て来たのは大きく丸々と太った土鼠が二匹。
もちろん討伐済みで、動くことはない。フラッフネアは羽の生えた蛇のようなものだ。蛇とは断定できない。土地によっては、血吸い蛇とも呼ばれる。顔は口の尖った魚のようで、飛び魚のようなヒレが四対胴体に付いており、それで飛び掛かってくるのだ。体の長さは二メートルほど。血吸いと呼ばれるように、獲物の血を吸って生きている。
鱗は灰色。とても硬いが、よくしなる。磨くとシルバーのように輝き、そこに個体によって違う黒の線で描かれた模様があった。
「っ、飛び蛇が五匹も!? それも、なんて綺麗な状態なんだっ。すごいぞ! 鮮度も良い! これだけあれば、不足している解毒薬もかなり作れる! 皮の模様もすげえ!!」
「……あの硬い鱗を切断……? 首の所が一番硬いはず……どうやったんだ……?」
傭兵の男もマジマジとその傷口を見て感心していた。全てのフラッフネアは、頭の部分だけ別になっているのだ。
キリアルートは呑気に説明する。
「厄介なんだよね~。フラッフネアは、大抵の毒は効かないし、水にも強い……内側が火には弱いけど、喉の辺が一番良い薬が作れるところだから、できれば焼くのは避けたいしね」
「そうなんだよ!! あ、解体するぞ!」
「よろしく?」
あねさんが興奮気味に吟味していく。既にその手には解体用の刃物が光っていた。
「おいっ。カルツ! ここ押さえてろ!」
「お、おう……」
カルツと呼ばれたのは、傭兵の男だった。気安い仲だからか、遠慮なく補助として使うつもりらしい。男、カルツは困ったような、弱ったような顔をしながら、言われたように支えた。あねさんは切り口から腹の方に見える線のような鱗が途切れた場所を一直線に刃を入れていく。
「こいつの倒し方は、羽を斬るか折った後に、威嚇させて口を開けたところで火種を飲ませ、それを爆発させるってやつだ。それが一番安全な倒し方として推奨されてる」
そうあねさんが説明するが、カルツは不思議そうだった。
「あねさんが今切ってる所は、弱点じゃねえのか? 鱗が無さそうだが……」
「ああ……これは、討伐後にしか見えないんだよ。それに、見てみな。他の個体を」
「……線の位置が違う?」
背中に入っているもの、側面に入っているものと様々、同じ場所ではなかった。
「そうさ。何でかは知らん。魔力が通る道らしいんだが、魔力が切れねえと見えねえんだよ」
「……知らんかった……」
「まあ、お前はまだ六級だろ? こいつが頻繁に出て来るくらいの、森の奥には入れんだろうからな」
「ああ……」
悔しそうに下を向くカルツ。そんな姿を、キリアルートは下から見つめた。これに気付いたカルツが気まずげに目を泳がせる。
「なっ、なんだよ」
「う~ん。カルツ? さん? そんな弱くないよね?」
「っ、なっ!」
これは、バカにされたと思ったのだろう。カルツとしては、周りの者達よりも、力が劣っていると自覚していた。だからこそ、子どもの足を引っ掛けて、憂さ晴らしをしようとしていたのだ。燻っていることを見透かされたと思ったようだ。
顔を真っ赤にして口を開けようとするカルツより先にと、キリアルートは続けた。
「魔力量も少なくない。ただ、歩き方からすると、右足に古傷でもあるのかな? 無意識なのか庇ってるような歩き方だった。そのせいで体のバランスが崩れて来てる。それは早急に直すべきだろうね」
「っ……お前……なんで分かるんだ……」
「う~ん…………勘かな!」
「……」
「キリ……」
「……」
「あははっ」
カルツは憎らしいという目で見られ、後ろからユウリとビルスに呆れたような視線を受けたが、笑って誤魔化しておいた。
この間にも、あねさんは細かくカルツに指示しており、手の位置は変わっている。
「でさあ、カルツさん?」
「カルツでいい。気持ち悪い」
「そう? じゃあ、カルツ」
「……何だよ……」
不貞腐れたような顔をしたカルツだが、じっくりとその顔を見ると、無精髭が生えているせいか、かなり老けて見えたが、ビルスとあまり変わらない年齢に見える。
三度目の転生者であり、毎度大往生していたキリアルートからすると、その感情が隠せない顔はまだまだ幼く感じられた。よって、嫌がられても構う気満々だ。
「あの魔光機の代金として、ぼくのお供につかない? ここでの強さの基準が分からないけど、まあ、上級になれるくらいには鍛えてあげるよ。どう?」
「……何言って……」
「迷宮にも潜れる冒険者、じゃなかった。傭兵にしてあげる。うんって頷くだけだよ? よろしくお願いしますって頭下げろとは言ってないから」
「……っ!」
頷くだけならプライドも傷付かないだろうと、キリアルートは口元だけ笑みを浮かべ、目は射抜くようにカルツを見つめていた。それは威圧だった。キリアルートとしては無意識のものだ。だから、カルツが少し息を詰まらせながらこう答えるとは思っていなかった。
「っ……わ、分かった……よろしくお願いします……っ」
「ん? あ、うん。ふふっ。まあ、よろしくね」
「……ああ……」
「じゃあ、そこの椅子でもう少し待ってるから、解体のお手伝い頑張って」
「……ああ」
威圧したことを自覚し、ちょっと脅した感じになっちゃったなと反省しながら、椅子の方に向かって歩き出すキリアルートは、自分を納得させるように呟く。
「逃す気なかったしな~」
どのみち、カルツは引き込む気でいた。傭兵というものをよく知っている人が身近に欲しいと思ったのだ。いくらビルスが知っているとはいえ、彼は傭兵ではない。だから、カルツならば良さそうだと思った。引き入れ方が緩やかな方法か、脅迫付きの強制かの違いだけ。キリアルートの中では既に、魔光石に手を入れることを決めた時点で決定していたのだ。
「傲慢でもまあ……結果を出せば許されるよね」
結果よければすべて良し。その結果を出せるなら、その前の傲慢さがあっても構わないだろう。それが長年で出した答え。
「ビルス~。椅子に座らせて」
「はい……」
ビルスに抱き上げてもらい、椅子に座る。以前の生でのこうした傲慢さの見える仕事の仕方を思い出し、キリアルートは愉悦の混ざった笑みを浮かべた。しかし、すぐにその笑みを消すと、振り向いてユウリを呼ぶ。
「ユウリ。風でこの辺の空気を良くするから、お茶でもしようか」
「ええ。ですが、茶器などが……」
「持って来てるよ。そっちのカウンターに出すね」
部屋に持って来ていた茶器を空間庫に入れてきたのだ。もちろん、魔法で洗浄乾燥済みだ。
「ついでに、温度調整しながらのお湯の作り方を教えるよ」
「っ……お願いします」
「任せて。これで一々、厨房にお湯を取りに行かなくても良くなるからね」
「そうですねっ」
ユウリは嬉しそうに同意する。嫌味を言われながらも厨房とキリアルートの部屋を行き来するのは、ユウリにとっても苦痛だったようだ。
少しだけ申し訳なく思いながら、魔法でお茶を淹れるやり方と、洗浄と乾燥の仕方まで教えたのだ。もちろん、ビルスにもだ。ここは男女平等だと言って教え込んだ。良い暇つぶしになった。
それから三十分後。全ての解体は終わり、どうやら休憩中だったここの他の職員達も戻ってきたようだ。
そこで、誰もが解体された物を見て目を丸くしていた。キリアルートは薄々あねさんやカルツの反応で気付いてはいた。その予想は外れておらず、この地でも珍しい獲物だったらしい。
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