エセ関西人(笑)ってなんやねん!? 〜転生した辺境伯令嬢は親友のドラゴンと面白おかしく暮らします〜

紫南

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2nd ステージ

013 見られとるん!?

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祖父母が他のパーティメンバーも巻き込んで、告白大会の準備に朝から夕方近くまで張り切っているため、リンディエールはまんまと屋敷を抜け出すことに成功した。

因みに、鍛えてくれと言ってきた使用人達には、体力作りメニューを渡してある。自主トレを一週間はしてもらうつもりだ。ただし、リンディエールは軽く考えていたが、彼らはかなり切実に今回のことに賭けていた。よって、自主トレも本気。リンディエールは一週間後、思わぬ成果に驚くことになる。

「ヒーちゃん! 来たで~!!」
《……》

元気に登場したのだが、なぜかジト目をいただいた。

「なんやヒーちゃん。会いたなかったか?」
《っ、そんなわけあるか! まったく……こっちの気も知らないで……っ》

ふいっと顔を背けられた。これは不貞腐れている。

「心配かけたんは知っとるて。悪かったわ……」
《っ、いいっ。謝るなっ。俺こそ……もっと早く助けられれば良かったんだが……》

ヒストリアは、リンの戦う様子を魔法を使って見ていた。見ることしかできないから、普段はやらない。それをしてまで見ていたのは、本当にリンディエールが心配だったのだ。

《……腕……ちゃんと治ったのか……》
「バッチリやで。ヒーちゃん直伝の万能薬や。内臓の方の傷まできっちり治っとるわ」
《そうか……無事で良かった……》
「っ、ヒーちゃん……ほんまにありがとうなっ。ヒーちゃんが助けてくれへんかったらと思うとゾッとするわ」
《ん……》

これは照れているらしい。

「せやけど、どうやったん? ここから距離あんで」
《お前が付与したんだ。少し調整すればあれくらいの距離は届く》
「は~……そんでも八十点かい……」
《そうだ》

まだまだ、ヒストリアが納得出来る物になるまでには時間がかかりそうだ。

「あっ、ヒーちゃんに見て欲しいもんがあったわ」
《なんだ?》

ヒストリアの方に近付いていき、上に両手を挙げる。

「『ステータスオープン』!」

普段は自分しか見えないステータス。だが、この『ステータスオープン』の魔法なら他人にも見せることができる。

《……色々おかしい言葉があるな……》
「それや! 『エセ関西人』はまだ許す気でおるけど、その後に(爆笑)て……どう読むねん!」
《そっちか……》

笑いながら言うのかとか、腹抱えるほど笑いながらとか疲れるやんとか、リンディエールはおかしなこだわりがあった。

「あと『神々の観劇対象(笑)』てなんや! それもコレ、五歳の時は『神々の考察対象』やってん。八つの時にはこれが『神々の観察対象』やったんよ! なんで『観劇』やねん! ウチは役者やないわ!」

『考察対象』から『観察対象』になり、今回『観劇対象』になったのだ。寧ろ、観察対象の次があるとは驚きだ。

《(笑)が付いているんだから、笑わせるのか? お前、神にも曲芸師かなんかと思われているんじゃないか?》
「曲芸師やて!? (笑)が重要ならコメディアンやろ! お笑い芸人やろ! ってか、それもどうやねん! もう一個ゆうと、芸人はそんな簡単になれるもんとちゃうわ!」

芸人の道ナメんなよと力説する。

《お前は……時々、唐突に現実的になるよな……》
「ヒーちゃん。女はな夢と現実の狭間を行き来する生きもんやねん。せやから夢と幻想を追っかけとる男がこの世界に留まっておられるんやで? 真に大成しよう思ったら、はよう伴侶を見つけえ」
《っ……そのお前の何かを悟ったような目を見ると、一気に現実に戻わ……》

ちょっと引かれた。だが、現実を見るのは良いことだ。

そこで、ヒストリアが何かに気付いた。目線は未だ出たままになっているリンディエールのステータスにある。

《……なあ、あれ……》
「ん~?」

ーーーーーーーーーーーーーーー
個称  ▷リンディエール・デリエスタ
 (ウィストラ国、デリエスタ辺境伯の長女)
年齢  ▷10
種族  ▷人族
称号  ▷家族に思い出してもらえた子ども、
     家族愛を知りはじめた子、
     使用人と祖父母達に愛される娘、
     目覚め人、エセ関西人(爆笑)、
     暴虐竜の親友、魔法バカ、
     ゴブリンキングを倒した者、
     辺境の小さな英雄、
     竜の加護(特大)、
     神々の観劇対象(ニヤリ)
               【固定】、
     神々の加護(大)
レベル ▷188
体力  ▷584000/584000
魔力  ▷8620150/8700500

魔力属性▷風(7)、火(Max)、土(8)、
     水(8)、光(9)、闇(9)、
     無(Max)、時(7)、空(8)
ーーーーーーーーーーーーー

『神々の観劇対象(ニヤリ)【固定】』に変化していた。

「(ニヤリ)ってなんや! 【固定】ってなんやねん! それも赤文字! 色付くんかい!」
《……確かに、赤文字は初めて見た……》

いや、そこじゃないという心の声は無視だ。

《まあ、コレから分かることは……これがもう変更されないということだろうな……》
「そういう冷静な考察は要らんねん! 見とるん? 見られとるん!? 覗きは犯罪やで!!」
《……神に怒るとか……うん。やっぱ、お前は面白いわ》
「納得も要らんわ!」

心から納得されても嬉しくない。面白いと言われることに嬉しさも感じるが、なんか違うと思わずにはいられない。

《良かったじゃないか。神さまが見ているぞっ》
「……ヒーちゃん、それいうなら女神様やん。あのアニメ観たんやね?」
《全部観たに決まってるだろ。次はまだか?》

もうどうでもいいだろうと切り替えてしまったヒストリアに、リンディエールは少しショックだった。もっと心配してくれてもいいだろう。だから、これはもうアレしかないと思った。

「……ふっふっふっ。そんなヒーちゃんにはコレや! かわええ女の子が歌って踊って、青春を謳歌するとっておきやで! アイドルは夢と希望の塊や!」
《ほお……アイドル……不思議な響きだな。よし、もらおう》
「はいよ!」

いそいそと観出したヒストリアを見て、満足げに笑う。こちらを見ないヒストリアは気付かない。

「ほな、また来るわ」
《お~、気を付けて帰れよ~》

そして部屋に転移したリンディエールはニヤリと笑ってガッツポーズを決める。

「ふっふっふっ。あっはっはっ。これでヒーちゃんはオタク道まっしぐらや! 称号に『アイドルオタク』と『アニメオタク』は付いたで! 気付いてからでは遅いがな!」

そんなリンディエールは知らない。ヒストリアとリンディエールはもはや運命共同体。アイドルに目覚めたヒストリアがリンディエールに求めるのはただ一つ。

人生二度目の絶望の態勢を披露するのはそう遠くない未来。

************
読んでくださりありがとうございます◎
また明日!
よろしくお願いします◎
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