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16th ステージ
178 メシや!
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学園では、昼食は学食、食堂で食べることになる。
ワンフロアで広く使っているとはいえ、本来ならば、全校生徒がギリギリ入るという大きさ。だが、さすがは大賢者と呼ばれるイクルスが創った学園というべきか空間拡張がなされており、実に広々と使うことができていた。
仮に、それぞれの生徒の親が来たとしても余裕がある創りだった。
よって、全校生徒だけでなく、教師もここに昼に集まるのだが、一年生の様子を見て、ガヤガヤと賑やかだった所がシンと静まり返った。
「っ、う、ひっく、ふっ」
「ううっ、ふっ、ふっ」
「っ、クスンっ」
半分は泣いていた。これを見て、動いたのは、最高学年で、王女のレイシャとその弟のユーアリア、その補佐のレングだった。声をかけたのはレイシャだ。
「どうしたの?」
「っ、あ、うっ……」
まともに説明できそうもない一年生達。そこに、リンディエールがやって来る。
「ん?」
「あ、リンちゃん?」
「は~い。ごきげんよう、レイシャ先輩」
「っ、先輩っ……これもいい……っ」
ちょっと感動するレイシャ。リンディエールとは、実の姉妹と言えるほど仲が良い。
「ん~、となると、これはリンちゃんが?」
「これ? なに? ん? あれで泣きべそかいとるん? 根性なさ過ぎやろ」
「リンちゃん、厳しくした?」
「ちょっと走らせただけやで?」
「そう……それくらいなら大したことないね」
「「「「「っ!?」」」」」
味方だと思った王女が、味方にならなかったことで、分かりやすく絶望したような表情をする泣いていた一年生達。
「この表情……リンちゃんが言うように、根性なさそうね。それに、頭も悪そう。きっと今まで、泣けば周りが機嫌取りで何とかしてきたんでしょう」
「「「「「っ……!」」」」」
そんな事を言われるとは思わなかったようだ。図星だからこそ、声も出なかった。
「しゃあないやん。まだまだお子ちゃまや。けど、ここでは甘やかしてくれる者はおらんでなあ」
怯えたように、微かに体を震わせる者もいた。甘やかされていた
「その甘やかしていた家には注意が必要ではない?」
「一応、全部の保護者の家に、ウチが指導するゆうこと、お手紙出すことになっとるよ。今日一日仕事で先生らが頑張っとるわ。あ、先生ら昼気付いとるやろか」
「私が行ってくるよ」
レングがすぐに名乗りをあげる。
「ほんま? ええのん?」
「いいよ。どこ?」
「教室前の廊下」
「……廊下……分かった。行って来る」
「よろしゅう」
「うん」
最近は特にレングは、背も伸び、少年から青年になろうとするように見える。成績はレイシャと一位を争っている。そんなレングの背中を見送って、リンディエールはしみじみとする。
「あの図書館で宰相さんにゲンコツ落とされて泣いとった子が……大きゅうなって……」
「……リンちゃん、たまに実年齢どっかいくね。年寄りくさい」
「誰がオバチャンやねん! ピチピチのパチパチやぞっ」
腰に手を当てて胸を張るリンディエール。しかし、言いたい事が伝わりにくい。これはリンディエールと話していれば、打ち当たることだ。レイシャは慣れてきてはいた。
「ピチピチは辛うじて分かるけど、パチパチはない」
「なんやて!? ほら見て! 見てみい! この曇りない美しいお目目ちゃんを! パチパチやん!? キュルンキュルンとも言う?」
「そこ? う~ん……六十点」
「なんちゅう半端な点数っ! 地味にリアルや!」
「可愛さが恐怖を上回れてない」
「厳しっ。記録つけとくか……」
「そうして」
「「「「「っ……」」」」」
この会話のテンポに、ついて来られる者は中々居ない。一年生達は、いつの間にか涙も乾き、目を丸くしている。
「まあ、久しぶりの交流はこんなもんにしといて、メシや!」
「リンちゃん……怖がってる」
一年生達が怯えた目を向けている。言葉のテンポもリンディエールは早いので、戸惑うようだ。これだけハキハキとテンポ良く話す貴族はあまりいない。
それを察したリンディエールは、落ち着いた声をかける。
「っ、お昼ご飯を食べましょう」
「「「「「……はい……」」」」」
「ん。あの辺に固まったらいいと思うよ」
「せやな。今日のランチは何やろか~ ♪ 」
鼻歌まで歌いながら、リンディエールは一年生全員が座っても余裕そうな一画の方へと歩いていく。
「レイシャとユーちゃんは何食べる?」
リンディエールがユーアリアをユーちゃんと呼んだことで、一年生だけでなく、こちらを窺い見ていた二、三年生もギョッとしていた。しかし、リンディエール達や当人である第二王子ユーアリアは平然としていた。
「私はきのこと野菜」
「僕は……お肉」
「ええんちゃう? ユーちゃんも背え伸びてきとるし、ガッツリ食べえ」
「っ、うん」
「くっ……素直でかわゆいっ!」
「……っ」
思わずユーアリアの頭を撫でるリンディエール。リンディエールの方が年下なのだが、ユーアリアは気にしていない。寧ろ嬉しそうだった。これにまた、見ていた生徒達は目を丸くしていた。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
ワンフロアで広く使っているとはいえ、本来ならば、全校生徒がギリギリ入るという大きさ。だが、さすがは大賢者と呼ばれるイクルスが創った学園というべきか空間拡張がなされており、実に広々と使うことができていた。
仮に、それぞれの生徒の親が来たとしても余裕がある創りだった。
よって、全校生徒だけでなく、教師もここに昼に集まるのだが、一年生の様子を見て、ガヤガヤと賑やかだった所がシンと静まり返った。
「っ、う、ひっく、ふっ」
「ううっ、ふっ、ふっ」
「っ、クスンっ」
半分は泣いていた。これを見て、動いたのは、最高学年で、王女のレイシャとその弟のユーアリア、その補佐のレングだった。声をかけたのはレイシャだ。
「どうしたの?」
「っ、あ、うっ……」
まともに説明できそうもない一年生達。そこに、リンディエールがやって来る。
「ん?」
「あ、リンちゃん?」
「は~い。ごきげんよう、レイシャ先輩」
「っ、先輩っ……これもいい……っ」
ちょっと感動するレイシャ。リンディエールとは、実の姉妹と言えるほど仲が良い。
「ん~、となると、これはリンちゃんが?」
「これ? なに? ん? あれで泣きべそかいとるん? 根性なさ過ぎやろ」
「リンちゃん、厳しくした?」
「ちょっと走らせただけやで?」
「そう……それくらいなら大したことないね」
「「「「「っ!?」」」」」
味方だと思った王女が、味方にならなかったことで、分かりやすく絶望したような表情をする泣いていた一年生達。
「この表情……リンちゃんが言うように、根性なさそうね。それに、頭も悪そう。きっと今まで、泣けば周りが機嫌取りで何とかしてきたんでしょう」
「「「「「っ……!」」」」」
そんな事を言われるとは思わなかったようだ。図星だからこそ、声も出なかった。
「しゃあないやん。まだまだお子ちゃまや。けど、ここでは甘やかしてくれる者はおらんでなあ」
怯えたように、微かに体を震わせる者もいた。甘やかされていた
「その甘やかしていた家には注意が必要ではない?」
「一応、全部の保護者の家に、ウチが指導するゆうこと、お手紙出すことになっとるよ。今日一日仕事で先生らが頑張っとるわ。あ、先生ら昼気付いとるやろか」
「私が行ってくるよ」
レングがすぐに名乗りをあげる。
「ほんま? ええのん?」
「いいよ。どこ?」
「教室前の廊下」
「……廊下……分かった。行って来る」
「よろしゅう」
「うん」
最近は特にレングは、背も伸び、少年から青年になろうとするように見える。成績はレイシャと一位を争っている。そんなレングの背中を見送って、リンディエールはしみじみとする。
「あの図書館で宰相さんにゲンコツ落とされて泣いとった子が……大きゅうなって……」
「……リンちゃん、たまに実年齢どっかいくね。年寄りくさい」
「誰がオバチャンやねん! ピチピチのパチパチやぞっ」
腰に手を当てて胸を張るリンディエール。しかし、言いたい事が伝わりにくい。これはリンディエールと話していれば、打ち当たることだ。レイシャは慣れてきてはいた。
「ピチピチは辛うじて分かるけど、パチパチはない」
「なんやて!? ほら見て! 見てみい! この曇りない美しいお目目ちゃんを! パチパチやん!? キュルンキュルンとも言う?」
「そこ? う~ん……六十点」
「なんちゅう半端な点数っ! 地味にリアルや!」
「可愛さが恐怖を上回れてない」
「厳しっ。記録つけとくか……」
「そうして」
「「「「「っ……」」」」」
この会話のテンポに、ついて来られる者は中々居ない。一年生達は、いつの間にか涙も乾き、目を丸くしている。
「まあ、久しぶりの交流はこんなもんにしといて、メシや!」
「リンちゃん……怖がってる」
一年生達が怯えた目を向けている。言葉のテンポもリンディエールは早いので、戸惑うようだ。これだけハキハキとテンポ良く話す貴族はあまりいない。
それを察したリンディエールは、落ち着いた声をかける。
「っ、お昼ご飯を食べましょう」
「「「「「……はい……」」」」」
「ん。あの辺に固まったらいいと思うよ」
「せやな。今日のランチは何やろか~ ♪ 」
鼻歌まで歌いながら、リンディエールは一年生全員が座っても余裕そうな一画の方へと歩いていく。
「レイシャとユーちゃんは何食べる?」
リンディエールがユーアリアをユーちゃんと呼んだことで、一年生だけでなく、こちらを窺い見ていた二、三年生もギョッとしていた。しかし、リンディエール達や当人である第二王子ユーアリアは平然としていた。
「私はきのこと野菜」
「僕は……お肉」
「ええんちゃう? ユーちゃんも背え伸びてきとるし、ガッツリ食べえ」
「っ、うん」
「くっ……素直でかわゆいっ!」
「……っ」
思わずユーアリアの頭を撫でるリンディエール。リンディエールの方が年下なのだが、ユーアリアは気にしていない。寧ろ嬉しそうだった。これにまた、見ていた生徒達は目を丸くしていた。
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