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ミッション12 舞台と遠征
475 強かったのですねえ
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神殿長は畑に続いて村の家々も珍しそうに見回す。
「……とてもしっかりしたお家ですねえ……というか、変わった家が多い……? これは、どこかの国の建築? ですか?」
素材も様々で、間取りもそう。屋根の形も大きさも揃っていない。
「いや。これは、大工のじいちゃん達の弟子が自分の腕を試したり、研究のために建てたやつだ。まあ、じいちゃんらが遊びで建てたのもあるが」
「はい?」
「倉庫にしても、どんな素材でどう建てたら目的に沿ったものになって、効率が良いかとか、試せる場所として提供してるんだ。出来た建物はここの奴らが住んで、感想や意見を出す」
「研究や検証に特化させた村……なのですね」
「そういうこと」
試すことも仕事の内としてもらっても、ここにいる者達は一応は罪人。本人達にその認識が未だに強く残っているため、文句もなくとても勤勉だ。
「ああ、そうか……それをカルバートの奴は聞きつけて来たのか?」
「彼の話を聞いた感じでは、その線が濃厚ですね」
「だな。あ……あの煙が上がってるところ……」
「間違いなく窯か何かありそうですね……」
農耕地は広げられるように、広く土地を確保しているため、建物もまだまだ建てられる。そんな中、確保された土地の一番端に、異様に大きな建物があった。
それを認めて足を止めると、そこにクロットとは違う真っ白なクマが一体現れた。その手にはバインダーがあり、何か書き付けている。顔を上げると片手を上げる。
《あ、お疲れ様です》
「よお。シロット。あれ……カルバート用か?」
《はい。申し訳ありません……まさか私も、あんなものが出来るとは予想しておらず。ご報告が遅れました》
「じいちゃん達か?」
《はい。「ちょいまた土地借りるぞ」と言われまして。いつもの家だとばかり……やたらと大人数で来たので、嫌な予感はしていたのですが……》
「なるほど……」
ここの土地で好きに家を建てて良いと言ったのはフィルズだ。報告も一々必要ないとも。
《辺境の方からも入れ替わり立ち替わり、様々な職人の方々がいらしていたのです》
「鍛治師のおっちゃんらか?」
《はい。てっきり大工のおじ様方の茶飲み友達だと……そう本人らも言っておられたので》
「それは仕方ないな」
止められるとも思えない。
「それで、今はカルバートが?」
《村人達も、興味がある者達が詰めています。カルバートさんはその……あの中でしか姿が確認できませんので》
「まあ、生存確認ができるだけ良いと思っておくか」
《はい……今朝からはレヴィリアさんも交ざっています》
「あ~、ならちょい邪魔する。レヴィにも聞いてほしい話があるからな」
《わかりました。ご案内します》
「おう」
近付いてきた建物はやはり立派な大きさだ。そして、煙突がいくつもある。
「……これ、窯が幾つかあるのか?」
《はい。それぞれの用途でとのことです》
「すごいな……」
その声が羨ましそうに聞こえたのだろう。神殿長が問いかけてくる。
「フィル君は鍛冶はやらないのですか?」
「やりたいんだがな……さすがに本格的に手を出せるだけの時間が確保できん」
「あ~、そうですよね。忘れそうになりますが、この国一の商会長ですもんね」
「任せる人もしっかり増えてんだけどなあ」
「とても優秀な若者達ばかり増えていますけどねえ」
「そうなんだよな~」
ここまで良い人材が集まることも珍しいらしい。他の商会の者達が羨ましがるような優秀な若者ばかり集まっている。フィルズの手を離れた仕事は多い。
「その上に、三級の冒険者ですしね」
「行きたい所もまだまだあるからなあ。他国にある賢者のいた遺跡とか回ることになってるし」
これは、神からも頼まれたことだ。やらなくてはならない。しっかりと計画を入れている所だ。上級の、三級ともなれば国外での活動もしやすくなるので、その資格を取るのは必須だった。その目標もクリアした今、国外に出る準備は整ったと言っても良い。
「もしや……それをリュブラン君達に話しましたか?」
「うん? ああ。そういえば?」
「マグナ君と二人で、まとまった休みを取る度に辺境で修行していると聞きましたよ? 三級になるんだと」
「ああ。あいつらこの前、四級になったからな。冒険者登録してからの期間だと俺より早いんじゃないか?」
「確かに、そうなりそうですね……あの子達、強かったのですねえ」
「カザンとばあちゃんが稽古付けてるしな」
「……はい!?」
武神揃って稽古しているのだから相当だ。
そんな話をしながら、建物の中に入った。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
「……とてもしっかりしたお家ですねえ……というか、変わった家が多い……? これは、どこかの国の建築? ですか?」
素材も様々で、間取りもそう。屋根の形も大きさも揃っていない。
「いや。これは、大工のじいちゃん達の弟子が自分の腕を試したり、研究のために建てたやつだ。まあ、じいちゃんらが遊びで建てたのもあるが」
「はい?」
「倉庫にしても、どんな素材でどう建てたら目的に沿ったものになって、効率が良いかとか、試せる場所として提供してるんだ。出来た建物はここの奴らが住んで、感想や意見を出す」
「研究や検証に特化させた村……なのですね」
「そういうこと」
試すことも仕事の内としてもらっても、ここにいる者達は一応は罪人。本人達にその認識が未だに強く残っているため、文句もなくとても勤勉だ。
「ああ、そうか……それをカルバートの奴は聞きつけて来たのか?」
「彼の話を聞いた感じでは、その線が濃厚ですね」
「だな。あ……あの煙が上がってるところ……」
「間違いなく窯か何かありそうですね……」
農耕地は広げられるように、広く土地を確保しているため、建物もまだまだ建てられる。そんな中、確保された土地の一番端に、異様に大きな建物があった。
それを認めて足を止めると、そこにクロットとは違う真っ白なクマが一体現れた。その手にはバインダーがあり、何か書き付けている。顔を上げると片手を上げる。
《あ、お疲れ様です》
「よお。シロット。あれ……カルバート用か?」
《はい。申し訳ありません……まさか私も、あんなものが出来るとは予想しておらず。ご報告が遅れました》
「じいちゃん達か?」
《はい。「ちょいまた土地借りるぞ」と言われまして。いつもの家だとばかり……やたらと大人数で来たので、嫌な予感はしていたのですが……》
「なるほど……」
ここの土地で好きに家を建てて良いと言ったのはフィルズだ。報告も一々必要ないとも。
《辺境の方からも入れ替わり立ち替わり、様々な職人の方々がいらしていたのです》
「鍛治師のおっちゃんらか?」
《はい。てっきり大工のおじ様方の茶飲み友達だと……そう本人らも言っておられたので》
「それは仕方ないな」
止められるとも思えない。
「それで、今はカルバートが?」
《村人達も、興味がある者達が詰めています。カルバートさんはその……あの中でしか姿が確認できませんので》
「まあ、生存確認ができるだけ良いと思っておくか」
《はい……今朝からはレヴィリアさんも交ざっています》
「あ~、ならちょい邪魔する。レヴィにも聞いてほしい話があるからな」
《わかりました。ご案内します》
「おう」
近付いてきた建物はやはり立派な大きさだ。そして、煙突がいくつもある。
「……これ、窯が幾つかあるのか?」
《はい。それぞれの用途でとのことです》
「すごいな……」
その声が羨ましそうに聞こえたのだろう。神殿長が問いかけてくる。
「フィル君は鍛冶はやらないのですか?」
「やりたいんだがな……さすがに本格的に手を出せるだけの時間が確保できん」
「あ~、そうですよね。忘れそうになりますが、この国一の商会長ですもんね」
「任せる人もしっかり増えてんだけどなあ」
「とても優秀な若者達ばかり増えていますけどねえ」
「そうなんだよな~」
ここまで良い人材が集まることも珍しいらしい。他の商会の者達が羨ましがるような優秀な若者ばかり集まっている。フィルズの手を離れた仕事は多い。
「その上に、三級の冒険者ですしね」
「行きたい所もまだまだあるからなあ。他国にある賢者のいた遺跡とか回ることになってるし」
これは、神からも頼まれたことだ。やらなくてはならない。しっかりと計画を入れている所だ。上級の、三級ともなれば国外での活動もしやすくなるので、その資格を取るのは必須だった。その目標もクリアした今、国外に出る準備は整ったと言っても良い。
「もしや……それをリュブラン君達に話しましたか?」
「うん? ああ。そういえば?」
「マグナ君と二人で、まとまった休みを取る度に辺境で修行していると聞きましたよ? 三級になるんだと」
「ああ。あいつらこの前、四級になったからな。冒険者登録してからの期間だと俺より早いんじゃないか?」
「確かに、そうなりそうですね……あの子達、強かったのですねえ」
「カザンとばあちゃんが稽古付けてるしな」
「……はい!?」
武神揃って稽古しているのだから相当だ。
そんな話をしながら、建物の中に入った。
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