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第十三章
593 なので調整です
ゼストラークが作る『すごいの』が気にはなるが、きっと聞いてもわからないだろうと全員が聞かなかったことにした。
コウヤは勧められた席に座るのを確認して、アビリス王が声を掛ける。
「……それで、コウヤ。いつ始めるかは決まったのか?」
既に冒険者達などは集結して、いつでもと思っているが、まだ動かないのは、まとめ役のベニ達がまだゴーサインを出さないから。その決定権はベニ達ではなく、神達が持っていた。
「あ、二日後だそうです。ちょっとエリィ姉が限界そうなのと、リクト兄が一日調整に当てたいということで」
「そうか。ん? 限界とは? 調整とは?」
よく考えてみたら、エリィ姉とは女神エリスリリアだし、リクト兄とはリクトルス神だ。神が限界と調整というのは、不穏なものに聞こえた。
「エリィ姉は、少し精神的にお疲れで……神って寝なくていいんですけど、人と同じで精神的な疲れの回復には、眠るっていうのが一番なんです。でも、寝るってのが慣れていないので、うっかり寝過ごすと百年後とかあるので、一柱だけの世界だと大事になるんですよね~」
「な、なるほど……それは……大変な寝過ごしだな……」
そんな神様事情をぽろっと溢されて、アビリス王以外は絶句していた。
「あと、リクト兄の調整は、体の調整です。本気で戦うつもりらしくて、体を解しているんですよ」
「武神様が本気で……大陸が消し飛ばないか?」
「それなんですよね。リクト兄って、武神としては、この辺の次元でも最強なんです。なので、普通に惑星ごと吹っ飛びそうで」
「なんだ? ホシ? 嫌な予感がするが……」
「えっと、この世界って言った方が分かりやすいですか? 世界ごと粉砕されそうですっ」
「待て待て待て! それはいかんだろう!」
知的で面倒見の良い兄ちゃんにしか見えないリクトルスが、世界を粉砕出来るという事実に目を背けたくなるが、冗談では済まされないし、目を背けた所で何も変わらないとアビリス王は即座に気付いた。
「はい……なので調整です。人より上で神の下、魔人くらいの強さに調整中です。ゼストパパが作った物のこともあるので、万が一も起こらないように、俺は開戦からしばらくは神界で世界の保護に回ります」
「っ、頼む!」
「もちろんです。リクト兄も心配ですけど、テンキ達も暴れそうなので」
「本気で頼む!」
「はい!」
そうだったとテンキ達の存在を思い出した満々は、もはや本物の邪神ではなく、味方のうっかりで世界が滅びる方を心配していた。
「ところで~……レナルカ? さっきから何してるの?」
レナルカは、世界地図の貼ってあるボードの前を行ったり来たりして飛んで、五箇所ほど印を付けていた。
「ん~、なんかでるとこ!」
「出るとこ?」
「うん。くろいのドバって! こうげきするとでてくる! あなあいてる!」
「……えっと……待ってね? 穴……っ!?」
コウヤが驚いて立ち上がる。世界管理者権限を使って、その場所を『穴がある』のかと探ったところ、確かにあったのだ。そして、穴に糸のように繋がる先には、神教国の教会があった。
「え? 掘ってる? 脱出するつもりかなにかで?」
「ねっこ! だからここもつぶす!」
「あ、うん。そうだね。根っこか……なるほど。なら、その穴の所にも人を出さないといけないね。それとも今から蓋を……」
「おくすり!」
「お薬?」
「むんっ。じょそ、じょそうざい! ねっこはからす!」
「あ~、そう。うん。除草剤ね。根っこやるのは有効だね。分かった。聖水的なもので大丈夫かな?」
「うん! キラキラなの!」
「分かった。すっごくキラキラなのを用意するよ」
「わぁ~い!」
「「「「「……」」」」」
全く話に付いていけないが、コウヤが何とかするんだなということは分かったので、一同はうんうんと両手を上げて喜ぶレナルカに良かったねと癒された。現実逃避とも言う。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
また一週空きます!
よろしくお願いします◎
コウヤは勧められた席に座るのを確認して、アビリス王が声を掛ける。
「……それで、コウヤ。いつ始めるかは決まったのか?」
既に冒険者達などは集結して、いつでもと思っているが、まだ動かないのは、まとめ役のベニ達がまだゴーサインを出さないから。その決定権はベニ達ではなく、神達が持っていた。
「あ、二日後だそうです。ちょっとエリィ姉が限界そうなのと、リクト兄が一日調整に当てたいということで」
「そうか。ん? 限界とは? 調整とは?」
よく考えてみたら、エリィ姉とは女神エリスリリアだし、リクト兄とはリクトルス神だ。神が限界と調整というのは、不穏なものに聞こえた。
「エリィ姉は、少し精神的にお疲れで……神って寝なくていいんですけど、人と同じで精神的な疲れの回復には、眠るっていうのが一番なんです。でも、寝るってのが慣れていないので、うっかり寝過ごすと百年後とかあるので、一柱だけの世界だと大事になるんですよね~」
「な、なるほど……それは……大変な寝過ごしだな……」
そんな神様事情をぽろっと溢されて、アビリス王以外は絶句していた。
「あと、リクト兄の調整は、体の調整です。本気で戦うつもりらしくて、体を解しているんですよ」
「武神様が本気で……大陸が消し飛ばないか?」
「それなんですよね。リクト兄って、武神としては、この辺の次元でも最強なんです。なので、普通に惑星ごと吹っ飛びそうで」
「なんだ? ホシ? 嫌な予感がするが……」
「えっと、この世界って言った方が分かりやすいですか? 世界ごと粉砕されそうですっ」
「待て待て待て! それはいかんだろう!」
知的で面倒見の良い兄ちゃんにしか見えないリクトルスが、世界を粉砕出来るという事実に目を背けたくなるが、冗談では済まされないし、目を背けた所で何も変わらないとアビリス王は即座に気付いた。
「はい……なので調整です。人より上で神の下、魔人くらいの強さに調整中です。ゼストパパが作った物のこともあるので、万が一も起こらないように、俺は開戦からしばらくは神界で世界の保護に回ります」
「っ、頼む!」
「もちろんです。リクト兄も心配ですけど、テンキ達も暴れそうなので」
「本気で頼む!」
「はい!」
そうだったとテンキ達の存在を思い出した満々は、もはや本物の邪神ではなく、味方のうっかりで世界が滅びる方を心配していた。
「ところで~……レナルカ? さっきから何してるの?」
レナルカは、世界地図の貼ってあるボードの前を行ったり来たりして飛んで、五箇所ほど印を付けていた。
「ん~、なんかでるとこ!」
「出るとこ?」
「うん。くろいのドバって! こうげきするとでてくる! あなあいてる!」
「……えっと……待ってね? 穴……っ!?」
コウヤが驚いて立ち上がる。世界管理者権限を使って、その場所を『穴がある』のかと探ったところ、確かにあったのだ。そして、穴に糸のように繋がる先には、神教国の教会があった。
「え? 掘ってる? 脱出するつもりかなにかで?」
「ねっこ! だからここもつぶす!」
「あ、うん。そうだね。根っこか……なるほど。なら、その穴の所にも人を出さないといけないね。それとも今から蓋を……」
「おくすり!」
「お薬?」
「むんっ。じょそ、じょそうざい! ねっこはからす!」
「あ~、そう。うん。除草剤ね。根っこやるのは有効だね。分かった。聖水的なもので大丈夫かな?」
「うん! キラキラなの!」
「分かった。すっごくキラキラなのを用意するよ」
「わぁ~い!」
「「「「「……」」」」」
全く話に付いていけないが、コウヤが何とかするんだなということは分かったので、一同はうんうんと両手を上げて喜ぶレナルカに良かったねと癒された。現実逃避とも言う。
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