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第十三章
594 せいぎなの〜
コウヤはその日の内に、神教国へと最後の戦いを挑もうと神殿を囲んで控えている冒険者達の下に来ていた。時刻は、そろそろ夕食の支度でも始めようかという頃だ。
「あれ? コウヤ様?」
「コウヤ君だ~」
「やっほー、コウヤ君っ」
「コウヤ様~。こんにちは~」
冒険者達が手を振って迎えてくれる。そして、しばらくして目を丸くする。
「え? コウヤ様の……子ども?」
「娘さんですかあ?」
「かわいいっ」
コウヤは、レナルカを抱き抱えて来ていたのだ。
「こんにちは? こんばんは?」
「ふふ。こんばんはかな?」
「わかった! こんばんは~」
「「「「「っ!! こんばんは~!!」」」」」
ちょっとどっちになるか分からない時間帯。悩むように空を見上げたいたレナルカの可愛さにノックアウトされ、更に笑顔で答えが分かったと手を振って挨拶するレナルカに悶えていた。
そして、レナルカはコウヤの腕から飛び出して、その冒険者達の下へと飛んでいく。
「「「「「え!?」」」」」
「そっちのおにいさんと~お、こっちのおねえさん~おてつだいして?」
「「します!!」」
即答していた。そして、レナルカに引き寄せられるようにしてコウヤのところにやって来る。
「このふたりはけっていなの!」
「うん……従魔もいるみたいだし、いいかもね?」
「いいじんせんなのよ!」
「そうだね」
「つぎよ!」
そう言って、レナルカは野営地を飛び回って人を集めてきた。どの冒険者も、従魔を連れていた。それも、迷宮化の時に手伝ってくれた魔獣達を従魔とした人たちだった。
そんな人たちが集まれる場所をコウヤは確保していれば、この場をまとめていたタリスがやって来た。そこで話に入る。
「突然すみません。まず、こちらをご覧ください」
「大陸地図? なあに? この黒い嫌な感じの点……」
「そこが問題なんですよ」
「コウヤちゃんのその笑顔……大変なことが起きそうで怖いよ……」
今までの数々のびっくりと無茶振りを経験しているタリスは、その笑顔だけでその予感を読み取った。
「はい。ちょっと大変です。どうも、あの中のものが根を張っているらしくて」
「……ごめん、なんて?」
「この下も根を張ってるみたいですけど、ゼストパパ達がなんとかガードしているので、もうこの点の所にしか出ないので、そこは安心してください!」
突然、下から現れたりしないですよと言っておく。
「この点の所もガードできなかったの?」
「それなんですよね~。ちょっと気付くのが遅かったんです。寧ろ出して対処した方が被害が小さくて済むかなと。ほら、溜め込むの良くないでしょう?」
「……爆発されるのは厄介だよね……」
爆発する相手が神が相手にしようとするほどのものならば、それは避けなくてはならないだろうとタリスも一応は納得した。
「それでですね。ご覧の通り、点は各地に散らばっています。ですが、主戦力はここに集中していますよね」
「あ、そっちに送りたいのね?」
「はい。恐らく、こちらを攻撃することで、そうした隙を突いての嫌がらせをしようとしているのではないかと」
「こっちに集中している間に、後方で爆発が起きるってこと? それは困るよ」
「なので、レナルカが選んだ、皆さんにお願いしたいんです。見て分かるように、町からは離れていますが、逆に森の中や荒野が多くて」
「だから、従魔を連れた子達が中心なのね」
レナルカは戦うことになる場所も理解した上で人選をしたようだ。そして、きっちり戦力としても当てに出来る人達になっていた。
「レナルカちゃん……すごいね」
そう本音が出たタリスの下に、レナルカが飛んでくる。
「おじいちゃん、レナルカすごい!?」
これにおじいちゃんはデレデレだ。
「うんうんっ。レナルカちゃんはすごい子だよ! そして可愛い! 可愛いは正義なんだよ!」
「えへへっ。せいぎなの~!」
「「「「「かわいい~」」」」」
緊迫していた空気は一気に緩んでいた。これで大丈夫だろうかとコウヤは少しだけ心配になった。しかし、このレナルカの応援を受けて、一同のやる気は最高潮に達することになるため、何の問題もなくなるのだが、それはさすがのコウヤにも予想できなかった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
また一週空きます!
「あれ? コウヤ様?」
「コウヤ君だ~」
「やっほー、コウヤ君っ」
「コウヤ様~。こんにちは~」
冒険者達が手を振って迎えてくれる。そして、しばらくして目を丸くする。
「え? コウヤ様の……子ども?」
「娘さんですかあ?」
「かわいいっ」
コウヤは、レナルカを抱き抱えて来ていたのだ。
「こんにちは? こんばんは?」
「ふふ。こんばんはかな?」
「わかった! こんばんは~」
「「「「「っ!! こんばんは~!!」」」」」
ちょっとどっちになるか分からない時間帯。悩むように空を見上げたいたレナルカの可愛さにノックアウトされ、更に笑顔で答えが分かったと手を振って挨拶するレナルカに悶えていた。
そして、レナルカはコウヤの腕から飛び出して、その冒険者達の下へと飛んでいく。
「「「「「え!?」」」」」
「そっちのおにいさんと~お、こっちのおねえさん~おてつだいして?」
「「します!!」」
即答していた。そして、レナルカに引き寄せられるようにしてコウヤのところにやって来る。
「このふたりはけっていなの!」
「うん……従魔もいるみたいだし、いいかもね?」
「いいじんせんなのよ!」
「そうだね」
「つぎよ!」
そう言って、レナルカは野営地を飛び回って人を集めてきた。どの冒険者も、従魔を連れていた。それも、迷宮化の時に手伝ってくれた魔獣達を従魔とした人たちだった。
そんな人たちが集まれる場所をコウヤは確保していれば、この場をまとめていたタリスがやって来た。そこで話に入る。
「突然すみません。まず、こちらをご覧ください」
「大陸地図? なあに? この黒い嫌な感じの点……」
「そこが問題なんですよ」
「コウヤちゃんのその笑顔……大変なことが起きそうで怖いよ……」
今までの数々のびっくりと無茶振りを経験しているタリスは、その笑顔だけでその予感を読み取った。
「はい。ちょっと大変です。どうも、あの中のものが根を張っているらしくて」
「……ごめん、なんて?」
「この下も根を張ってるみたいですけど、ゼストパパ達がなんとかガードしているので、もうこの点の所にしか出ないので、そこは安心してください!」
突然、下から現れたりしないですよと言っておく。
「この点の所もガードできなかったの?」
「それなんですよね~。ちょっと気付くのが遅かったんです。寧ろ出して対処した方が被害が小さくて済むかなと。ほら、溜め込むの良くないでしょう?」
「……爆発されるのは厄介だよね……」
爆発する相手が神が相手にしようとするほどのものならば、それは避けなくてはならないだろうとタリスも一応は納得した。
「それでですね。ご覧の通り、点は各地に散らばっています。ですが、主戦力はここに集中していますよね」
「あ、そっちに送りたいのね?」
「はい。恐らく、こちらを攻撃することで、そうした隙を突いての嫌がらせをしようとしているのではないかと」
「こっちに集中している間に、後方で爆発が起きるってこと? それは困るよ」
「なので、レナルカが選んだ、皆さんにお願いしたいんです。見て分かるように、町からは離れていますが、逆に森の中や荒野が多くて」
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レナルカは戦うことになる場所も理解した上で人選をしたようだ。そして、きっちり戦力としても当てに出来る人達になっていた。
「レナルカちゃん……すごいね」
そう本音が出たタリスの下に、レナルカが飛んでくる。
「おじいちゃん、レナルカすごい!?」
これにおじいちゃんはデレデレだ。
「うんうんっ。レナルカちゃんはすごい子だよ! そして可愛い! 可愛いは正義なんだよ!」
「えへへっ。せいぎなの~!」
「「「「「かわいい~」」」」」
緊迫していた空気は一気に緩んでいた。これで大丈夫だろうかとコウヤは少しだけ心配になった。しかし、このレナルカの応援を受けて、一同のやる気は最高潮に達することになるため、何の問題もなくなるのだが、それはさすがのコウヤにも予想できなかった。
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