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第十三章
612 見たことが……
こちらの猛攻撃によって、次第に巨人のドロドロが剥がされ、消滅させられていく。
現れたのは人形の醜い黒い生物。
「うわあ~、あのヘドロ纏ってた方が、まだ見てられたわね」
「なんか気持ち悪い」
「ドロドロよりも気持ち悪いって何よ」
揃って顔を顰めていた。痩せた猿のようで、人にも見えるから余計に不気味だ。
「あ、なんか生やそうとしてるわよ?」
「羽か? うわあ~黒い骨の翼ってか?」
そんな姿を見ていたテンキが突然動いた。体を変身させる。
「え? テンキさん!?」
「どうした!?」
高く飛び上がり、テンキが姿を変えたのはドラゴン。それも完全体となったテンキが全ての力を発揮できる姿。
「っ、やだっ、ちょっ、テンキちゃん!? それ、天竜の完全体モード!? り、リクトっ、結界! 結界っ! ベニちゃん達も全員よ!!
「え? どうしたの?」
「どうなるって? エリス様?」
エリスリリアが慌てる。同じく少し状況把握が遅れたリクトルスが叫ぶ。
「っ! 離れられる子は外の結界近くまで退避!! 急げ!!」
《アレ覚えてるよ。テンキがキレるのも無理ないね》
《わかる……ちょっと私もムカムカしてる》
パックンとダンゴが人化した状態で、冷めた目を向けるのは、天竜モードになったテンキと睨み合っているモノだ。
《仕方ないからテンキに譲るよ》
《そうですね。大地の保護に回るわ》
テンキは深い藍色に体の色を変え、巨大化している。そして、翼を大きく広げて吠えた。
グガァァァ!!
その声と共に発生したのは、紫電の雷。それが巨人に幾本も突き刺さっていく。
ビギャァァァ!!
耳を突き刺すような高い音を伴う悲鳴。それに耳を押さえながら、冒険者達は距離を取る。
「これは……もう俺らの出番ないな」
「なんで、あんなテンキ教官は怒ってんの?」
「アレ、ブチ切れてるだろ……」
そんな中、エリスリリアとリクトルスが巨人の姿を見て既視感を覚えていた。
「なんか……」
「なんでしょう……見たことが……」
そこで、黙って結界を張っていたコウルリーヤが答えた。
「あ~、アレさあ、ほら、正気を失ったあの時の姿じゃないかな~って」
「「……あっ!!」」
「いやあ、あの時、なんか意識飛んでて、俯瞰して自分を見下ろして見てたんだよね~。うん。あんな感じだったよ。邪神って感じだよねっ」
「「「「「……」」」」」
意味を理解した者達が揃ってコウルリーヤと醜い巨人を見比べる。
巨人の姿は、コウルリーヤが正気を失い、邪神となった時の姿にそっくりだったのだ。
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読んでくださりありがとうございます◎
現れたのは人形の醜い黒い生物。
「うわあ~、あのヘドロ纏ってた方が、まだ見てられたわね」
「なんか気持ち悪い」
「ドロドロよりも気持ち悪いって何よ」
揃って顔を顰めていた。痩せた猿のようで、人にも見えるから余計に不気味だ。
「あ、なんか生やそうとしてるわよ?」
「羽か? うわあ~黒い骨の翼ってか?」
そんな姿を見ていたテンキが突然動いた。体を変身させる。
「え? テンキさん!?」
「どうした!?」
高く飛び上がり、テンキが姿を変えたのはドラゴン。それも完全体となったテンキが全ての力を発揮できる姿。
「っ、やだっ、ちょっ、テンキちゃん!? それ、天竜の完全体モード!? り、リクトっ、結界! 結界っ! ベニちゃん達も全員よ!!
「え? どうしたの?」
「どうなるって? エリス様?」
エリスリリアが慌てる。同じく少し状況把握が遅れたリクトルスが叫ぶ。
「っ! 離れられる子は外の結界近くまで退避!! 急げ!!」
《アレ覚えてるよ。テンキがキレるのも無理ないね》
《わかる……ちょっと私もムカムカしてる》
パックンとダンゴが人化した状態で、冷めた目を向けるのは、天竜モードになったテンキと睨み合っているモノだ。
《仕方ないからテンキに譲るよ》
《そうですね。大地の保護に回るわ》
テンキは深い藍色に体の色を変え、巨大化している。そして、翼を大きく広げて吠えた。
グガァァァ!!
その声と共に発生したのは、紫電の雷。それが巨人に幾本も突き刺さっていく。
ビギャァァァ!!
耳を突き刺すような高い音を伴う悲鳴。それに耳を押さえながら、冒険者達は距離を取る。
「これは……もう俺らの出番ないな」
「なんで、あんなテンキ教官は怒ってんの?」
「アレ、ブチ切れてるだろ……」
そんな中、エリスリリアとリクトルスが巨人の姿を見て既視感を覚えていた。
「なんか……」
「なんでしょう……見たことが……」
そこで、黙って結界を張っていたコウルリーヤが答えた。
「あ~、アレさあ、ほら、正気を失ったあの時の姿じゃないかな~って」
「「……あっ!!」」
「いやあ、あの時、なんか意識飛んでて、俯瞰して自分を見下ろして見てたんだよね~。うん。あんな感じだったよ。邪神って感じだよねっ」
「「「「「……」」」」」
意味を理解した者達が揃ってコウルリーヤと醜い巨人を見比べる。
巨人の姿は、コウルリーヤが正気を失い、邪神となった時の姿にそっくりだったのだ。
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※タイトルを変更しました(旧題:「どうせ私は妾の子だから」と呑気にしていたら、何故か公爵家次期当主として据えられることになりました。)