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第12章
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怪我は浅かったものの、ゲイナーは暫く入院する事になり、リリは自宅謹慎処分となった。
そんなゲイナーの病室に向かう途中、クレイズは公衆電話からドーズに連絡を入れた。そして事情を話し、リリを見張るように頼んだ。
「今オレが使っているパソコンと同じ物が、オレの部屋にある。それを使ってくれ」
そう言うと、ドーズはため息を漏らした。
『そっち、大変だったね。でも、必要ないんじゃない?そんな、すぐにまたカルロスが動く筈はないよ』
確かにドーズの言う通りかも知れない。だが、クレイズは不安で仕方がなかった。
「念には念を入れた方がいい。だからドーズ、頼む」
そう説得すると、ドーズは漸く了承した。
『いつ帰って来る?』
そう問い掛けるドーズに、クレイズは分からない、と言った。
「落ち着いて、安心したら帰るつもりだ。それまではすまない」
クレイズは電話を切った。まだ不安だらけだ。そう思いながら病室へと向かった。
大袈裟にタンカーで運ばれた割には、傷はたいした事はなかった。多分、リリが刺す時に加減をしてくれたのだろう。
ありがたかった。
この分だと退院はすぐだ。ゲイナーは思った。
ベッドの横の窓を見遣り、リリを哀れに思った。カルロスに利用され、裏切られ、さぞその心は傷ついただろう。
そんなリリを、クビには出来ない。だから運ばれる途中、部下にリリを自宅謹慎させるよう言った。
馬鹿な考えは起こさず、大人しくしていてくれればいい。そう考えていると、病室の扉が叩かれ、クレイズが顔を覗かせた。
「怪我の具合はどうだ?」
振り返りクレイズを見つめる。クレイズは随分疲れた顔をしていた。当然だろう。自分の為、リリの為に精神を擦り減らしている。
「あぁ、クレイズ。怪我はもう大丈夫だ。早く退院したいぐらいさ」
そう言って微笑むと、クレイズは辛そうな顔をした。
多分自分の顔も酷いのだろう。それを心配してくれている。これ以上心配はかけたくない。だが、そうなるだろうか?これからもっと、クレイズを苦しめる事になりはしないだろうか?
「退院はまだだぞ。ここにいた方が、人も多いしカルロスだって手を出し難い」
そう言いながらクレイズはベッドの隅に腰掛けた。
「すまない」
「何もお前が謝る必要はない。カルロスの狙いはオレなんだからな」
そう言って、クレイズは力無く微笑んだ。自分を励まそうとしてくれているのがよく分かる。だが、クレイズも傷ついているだろう。その微笑みには、必死に不安を押し殺しているような辛さが、ゲイナーには垣間見えた。
「だが、早く職場に戻って策を練らないと、君が」
「オレは大丈夫だ。ドーズやハリスもいる。お前は、お前自身の心配をしろ」
確かに、その2人がいれば心配いらないだろう。だが、自分がクレイズに対し何もしてやられない事も辛かった。何かしてやりたくても、足手まといになりそうだ。
「ゲイナー、何故リリをクビにしない?」
そう、クレイズが尋ねてきた。
「彼女を信じている」
そうゲイナーが言うと、クレイズは悪戯っぽく笑った。
「そう言うと思ったよ。あれだけ裏切られたのに、まだ信じるのか?だとしたらお前は本当に馬鹿だ」
明るく振る舞うクレイズこそ、馬鹿だ。もっと感情をあらわにしてもいい。そう思ったが、クレイズの性格からして、それはない。
苦しくて、追い詰められて、泣きたくて叫びたくて。それでもクレイズは歯を食いしばり、堪え忍ぶ。辛い道を選び、それでも前を向き、自分を心配してくれる。そんなクレイズを、ゲイナーは愛しく思った。
「そうだな、馬鹿なのかも知れない。だが彼女は、カルロスに利用されていただけなんだ。悪いのは彼女じゃなく、カルロスだ」
ゲイナーはそう言って、再び窓の外に目を遣った。
「あぁ、そうだな。カルロスが悪いんだ、カルロスが……」
窓にクレイズが映っている。こちらを見つめ、眩しそうに目を細めていた。
「リリはドーズに監視させているから安心しろ」
「そうか、彼が……」
ドーズにまで頼らなければならなくなったか。そう思うと、また胸が痛んだ。
「家には帰っているのか?」
ゲイナーは振り返った。クレイズがホテルに駆け付けてくれる以前は、確か執務室にいた。
「いや、帰ってない。さっきもドーズにいつ帰るんだと聞かれたよ」
そう言って苦笑している。
「帰るんだ、クレイズ」
「お前が心配だ」
すぐにクレイズはそう切り返してきた。
「さっき、君自身が言ったじゃないか。病院は人が多くて、カルロスも迂闊に手出し出来ないと」
帰って欲しい訳じゃない。本音を言えば、ずっと側にいて欲しかった。だが、クレイズの疲労を考えるとそんな我が儘は言えない。第一、クレイズは結婚したばかりなのだ。
薬指には、指輪が光っている。それをゲイナーは見つめた。妬ましいような、辛いような、羨ましいような気分だ。もしかしたらクレイズも、自分の指輪を見てそんな風に感じたのかも知れない。
「分かったよ。分かった。今日は帰ろう。だが明日、また来るからな」
そう言ってクレイズは立ち上がった。
帰宅したクレイズを、ドーズは玄関先で強く抱きしめてきた。
「おかえり、クレイズ」
「あぁ、ただいま」
すぐにリリの状況を確認したかったが、久しぶりの帰宅を喜んでくれているドーズに、少しだけ甘えてみようと思った。
「話しは後にしよう。取り敢えず何か食べたい」
そう言うと、ドーズはロゼに食事の支度を言いつけた。
「危ない事、してない?」
リビングに入りテーブルにつくと、クレイズの側に座ったドーズが顔を覗き込んできた。
「危ない事……ね」
そう呟いてから、クレイズはカルロスの目的が自分である事、リリを利用し、ゲイナーを殺そうとした事を改めて話した。
ロゼがシチューとパンを運んできたので、何か言おうとしたドーズは口をつぐんだ。そしてロゼに退室を命じると、クレイズを見てきた。
「そんな事があったのか。僕は何も知らなかったよ」
「だろうな。オレもお前に話してないし、知りようがなかっただろう」
スプーンの上でシチューを冷ましながら、クレイズはそう言った。
「でも、知った以上は君に危険な事はさせられないよ」
強い口調でドーズは言うと、テーブルに肘をついて額を押さえた。
「君が身を犠牲にしてまで本部長を守る事ないよ。それこそ警察に任せるべきだ」
「カルロスの狙いはオレだ。どっちにしろ、オレが関わらなくてはならん」
冷めたシチューを啜り、パンをちぎって食べた。
事件の始まりが自分なら、終わらせるのも自分しかいない。クレイズはそう考えていた。
ゲイナーは守る。その家族も。親友のハリスや、夫であるドーズ。気に食わないが、ゲイナーの部下であるリリも守らなければならない。
「みんなを守りたいんだ」
昔の自分からしてみれば、そんな台詞は映画に出てくるヒーローか、テレビドラマの主人公ぐらいしか使わない、と笑うだろう。だが今のクレイズは、それが本音だった。
自分を変えてくれたゲイナーに何かしてやりたい。そう強く願った。
「君は」
何か言おうとしたドーズだが、結局何も後に言葉を続けさせる事はなく、黙ってクレイズを見つめていた。
そんなゲイナーの病室に向かう途中、クレイズは公衆電話からドーズに連絡を入れた。そして事情を話し、リリを見張るように頼んだ。
「今オレが使っているパソコンと同じ物が、オレの部屋にある。それを使ってくれ」
そう言うと、ドーズはため息を漏らした。
『そっち、大変だったね。でも、必要ないんじゃない?そんな、すぐにまたカルロスが動く筈はないよ』
確かにドーズの言う通りかも知れない。だが、クレイズは不安で仕方がなかった。
「念には念を入れた方がいい。だからドーズ、頼む」
そう説得すると、ドーズは漸く了承した。
『いつ帰って来る?』
そう問い掛けるドーズに、クレイズは分からない、と言った。
「落ち着いて、安心したら帰るつもりだ。それまではすまない」
クレイズは電話を切った。まだ不安だらけだ。そう思いながら病室へと向かった。
大袈裟にタンカーで運ばれた割には、傷はたいした事はなかった。多分、リリが刺す時に加減をしてくれたのだろう。
ありがたかった。
この分だと退院はすぐだ。ゲイナーは思った。
ベッドの横の窓を見遣り、リリを哀れに思った。カルロスに利用され、裏切られ、さぞその心は傷ついただろう。
そんなリリを、クビには出来ない。だから運ばれる途中、部下にリリを自宅謹慎させるよう言った。
馬鹿な考えは起こさず、大人しくしていてくれればいい。そう考えていると、病室の扉が叩かれ、クレイズが顔を覗かせた。
「怪我の具合はどうだ?」
振り返りクレイズを見つめる。クレイズは随分疲れた顔をしていた。当然だろう。自分の為、リリの為に精神を擦り減らしている。
「あぁ、クレイズ。怪我はもう大丈夫だ。早く退院したいぐらいさ」
そう言って微笑むと、クレイズは辛そうな顔をした。
多分自分の顔も酷いのだろう。それを心配してくれている。これ以上心配はかけたくない。だが、そうなるだろうか?これからもっと、クレイズを苦しめる事になりはしないだろうか?
「退院はまだだぞ。ここにいた方が、人も多いしカルロスだって手を出し難い」
そう言いながらクレイズはベッドの隅に腰掛けた。
「すまない」
「何もお前が謝る必要はない。カルロスの狙いはオレなんだからな」
そう言って、クレイズは力無く微笑んだ。自分を励まそうとしてくれているのがよく分かる。だが、クレイズも傷ついているだろう。その微笑みには、必死に不安を押し殺しているような辛さが、ゲイナーには垣間見えた。
「だが、早く職場に戻って策を練らないと、君が」
「オレは大丈夫だ。ドーズやハリスもいる。お前は、お前自身の心配をしろ」
確かに、その2人がいれば心配いらないだろう。だが、自分がクレイズに対し何もしてやられない事も辛かった。何かしてやりたくても、足手まといになりそうだ。
「ゲイナー、何故リリをクビにしない?」
そう、クレイズが尋ねてきた。
「彼女を信じている」
そうゲイナーが言うと、クレイズは悪戯っぽく笑った。
「そう言うと思ったよ。あれだけ裏切られたのに、まだ信じるのか?だとしたらお前は本当に馬鹿だ」
明るく振る舞うクレイズこそ、馬鹿だ。もっと感情をあらわにしてもいい。そう思ったが、クレイズの性格からして、それはない。
苦しくて、追い詰められて、泣きたくて叫びたくて。それでもクレイズは歯を食いしばり、堪え忍ぶ。辛い道を選び、それでも前を向き、自分を心配してくれる。そんなクレイズを、ゲイナーは愛しく思った。
「そうだな、馬鹿なのかも知れない。だが彼女は、カルロスに利用されていただけなんだ。悪いのは彼女じゃなく、カルロスだ」
ゲイナーはそう言って、再び窓の外に目を遣った。
「あぁ、そうだな。カルロスが悪いんだ、カルロスが……」
窓にクレイズが映っている。こちらを見つめ、眩しそうに目を細めていた。
「リリはドーズに監視させているから安心しろ」
「そうか、彼が……」
ドーズにまで頼らなければならなくなったか。そう思うと、また胸が痛んだ。
「家には帰っているのか?」
ゲイナーは振り返った。クレイズがホテルに駆け付けてくれる以前は、確か執務室にいた。
「いや、帰ってない。さっきもドーズにいつ帰るんだと聞かれたよ」
そう言って苦笑している。
「帰るんだ、クレイズ」
「お前が心配だ」
すぐにクレイズはそう切り返してきた。
「さっき、君自身が言ったじゃないか。病院は人が多くて、カルロスも迂闊に手出し出来ないと」
帰って欲しい訳じゃない。本音を言えば、ずっと側にいて欲しかった。だが、クレイズの疲労を考えるとそんな我が儘は言えない。第一、クレイズは結婚したばかりなのだ。
薬指には、指輪が光っている。それをゲイナーは見つめた。妬ましいような、辛いような、羨ましいような気分だ。もしかしたらクレイズも、自分の指輪を見てそんな風に感じたのかも知れない。
「分かったよ。分かった。今日は帰ろう。だが明日、また来るからな」
そう言ってクレイズは立ち上がった。
帰宅したクレイズを、ドーズは玄関先で強く抱きしめてきた。
「おかえり、クレイズ」
「あぁ、ただいま」
すぐにリリの状況を確認したかったが、久しぶりの帰宅を喜んでくれているドーズに、少しだけ甘えてみようと思った。
「話しは後にしよう。取り敢えず何か食べたい」
そう言うと、ドーズはロゼに食事の支度を言いつけた。
「危ない事、してない?」
リビングに入りテーブルにつくと、クレイズの側に座ったドーズが顔を覗き込んできた。
「危ない事……ね」
そう呟いてから、クレイズはカルロスの目的が自分である事、リリを利用し、ゲイナーを殺そうとした事を改めて話した。
ロゼがシチューとパンを運んできたので、何か言おうとしたドーズは口をつぐんだ。そしてロゼに退室を命じると、クレイズを見てきた。
「そんな事があったのか。僕は何も知らなかったよ」
「だろうな。オレもお前に話してないし、知りようがなかっただろう」
スプーンの上でシチューを冷ましながら、クレイズはそう言った。
「でも、知った以上は君に危険な事はさせられないよ」
強い口調でドーズは言うと、テーブルに肘をついて額を押さえた。
「君が身を犠牲にしてまで本部長を守る事ないよ。それこそ警察に任せるべきだ」
「カルロスの狙いはオレだ。どっちにしろ、オレが関わらなくてはならん」
冷めたシチューを啜り、パンをちぎって食べた。
事件の始まりが自分なら、終わらせるのも自分しかいない。クレイズはそう考えていた。
ゲイナーは守る。その家族も。親友のハリスや、夫であるドーズ。気に食わないが、ゲイナーの部下であるリリも守らなければならない。
「みんなを守りたいんだ」
昔の自分からしてみれば、そんな台詞は映画に出てくるヒーローか、テレビドラマの主人公ぐらいしか使わない、と笑うだろう。だが今のクレイズは、それが本音だった。
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