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たける

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第二章:クラウド

4.

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ある金曜日の昼間、クラウドは、ガーギル・マトワ司教と共にミサに参加し、教徒を送り出していた。すると、大聖堂の上の方から、ピアノの音色が響いてきた。そしてそれに合わせるような、美しい歌声も。
ガブリエルだろうか、と頭に過らせていると、ガーギルがクラウドを振り返った。彼はクラウドより5つ上なだけだったが、恰幅がいい為、クラウドより若く見えていた。

「なかなか上手いピアノじゃないか。君の天使かい?」

ガーギルは、クラウドがガブリエルを自室に住まわせると言った時、反対はしなかった。それどころか、彼女に与えた名前を気に入り、事あるごとにクラウドに向かって、君の天使、と表現した。それを最初は気に入らなかった。まるでからかわれているみたいだと、内心憤慨していた。だが、日が経つにつれ、天真爛漫で美しいガブリエルに、抱いてはならない感情を持ち始めてしまった。
何度忘れようとしても、何度諦めようとしても無理だった。嫌でも毎日彼女と2人で過ごす時間はあり、ベッドを共にしている。想いは日を追う事に強く燃え盛り、今では引き返せないところまで自分を追い詰めてしまっていた。

「きっとそうでしょう」

強く意識して、平静を装わなければならなかった。聖職者である以上、妻帯は認められない。だが、クラウドはガブリエルとどうにかなれるとは思っていなかった。
彼女は若い。そして自分は老人なのだ。


──もっと早くに出会えていたら、違う道があったろうか?
いや、ない。今と変わらない。


クラウドが聖職者になると決心したのは、彼が10歳の時だからだ。


──時は残酷なものだ……


ガーギルに一礼してから、クラウドはガブリエルの元に向かった。




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