arkⅢ

たける

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3.

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転送室で2人を見送ったジョシュは、まだ転送台を見つめるカールを見遣った。

「俺は、バラムの命令を受け入れようとしたんだ」

そうカールは言った。

「あれだけ言ったのに……」

多分、カールはそうするだろうと、ジョシュはあの時感じていた。それに、仮に自分とカールが逆の立場なら、ジョシュも仲間の命を救う為、喜んで犠牲になろうとするだろう。

「だけど、マーガレットが助けてくれたんだ。彼女は俺だけでなく、みんなを……」

マーガレットは文字通り、体を張ってジョシュ達を助けてくれたのだ。感謝しても足りないのは、こちらの方だ。

「あぁ……そうだね。でも俺は、君にも感謝してるよ。彼女にあんな素晴らしい贈り物をしたんだから」

しみじみとしていると、艦内通信が入った。ファイの声だ。

『艦長、すぐにメインブリッジへお越し下さい』

ジョシュはインターコムのボタンをポチリと押すと、その声に答えた。

「今すぐ行くよ」










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