薔薇の弔い

たける

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第3章

3─1

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まずジョンの父親──カーズ・ホリスンだ──の行方を捜す事にした2人は、ケーシャルシティにある彼の家を訪問する事にした。
時刻は11時を過ぎている。普通の会社員なら、家にはいない時間帯だ。

「いないわね。息子が殺されたって言うのに……行方がまだ分かってないのね」

そうジェシカが言った。

「だとしたら」

ローレンは考えた。もし犯人がブルーローズではなく父親のカーズであったなら、国外逃亡の可能性もある。もしそうなら、手遅れだ。そしてカーズが犯人ではなかったら、殺害されているかも知れない。

「まずいな」

そうローレンが呟いた時、携帯が鳴った。着信は署からだ。

「はい、ローレン」

『事件だ』

電話の向こうから、上司のテイラーの声──低く威圧的な声音だ──がした。その緊迫した様子に、ローレンは眉を潜める。

「詳細をお願いします」

そう言ってジェシカに目配せすると、2人で車に乗り込んだ。

『現場は、お前達がいる街のササラ住宅街の空き地で、被害者は被疑者の父親、カーズ・ホリスンだ。絞殺体で、また咥内から花びらが発見された。全く、ジョン・ホリスンの場合と同じだな』

早口にそう言われ、ローレンは膝上で拳を強く握った。
ブルーローズは現在拘留中だ。犯行に及ぶ事が出来ない。だとしたら、犯人は別にいる。
現場には連続殺人事件として、合同捜査の合意は得ていると言われた。

「すぐ向かいます」

電話を切った。ジェシカは赤色灯を天井に設置している。

「どうなの?」

ハンドルを握り、ジェシカが尋ねてきた。

「カーズが殺された。ジョンの時と、手口が全く同じらしい」

場所はこの近くの空き地だと説明すると、エンジンをかけ、素早く車を切り返す。
暫く進むとパトカーと野次馬が見え、ジェシカはその手前で車を停車させた。

「ブルーローズじゃなかったら……残る可能性は、母親?」

車を降りると、警官が敬礼しながら走って来た。

「ご苦労様です!」
「だとしたら、行方をくらまされる前に押さえとかないとね」

ローレンはもう1人警官を呼びつけると、ミディアム・リジャスティンスの身柄をすぐに確保する事を告げた。その警官が走り去るのを見てから、最初に挨拶をした警官を見遣る。

「報告を」

そう言うと、警官は姿勢を正して状況の説明を始めた。

「遺体発見は、近所に住む主婦からで、時間は11時少し前です。首に痣がある事から、絞殺であると断定しても構わないかと。あと、被害者のサイフから、現金が抜き取られていました。それとこれが、被害者の咥内から見つかった花びらです」

そう言って、警官はローレンに小さなビニール袋を手渡した。中には、赤黒い花びらが数枚入っている。

「ありがとう。すぐに鑑識に回して」

そう言って突っ返すと、ローレンは手袋をはめた。

「死後何日か経過してるみたいだね」

そうジェシカに呟いてから、ローレンは被害者の側に屈んだ。




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