薔薇の弔い

たける

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第3章

3─3

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家宅捜索令状を手に、2人はブルーローズとその母親が住んでいる住宅街へ向かった。ミディアム・リジャスティンスの家は、ジョン・ホリスンの遺体が発見された空き地の近くにある。

「で、2通りあるって言ってたけど?」

ハンドルを握りながら、ジェシカは尋ねてきた。車は直進し、デパートの前を通過する。

「そうだね。まず、カーズが死んだ時の保険金の受取人は、ミディアムになってたけど、こう立て続けに殺されたんじゃあ、それも下りない。だとしたら、保険金目当てじゃない」

そこで言葉をきりジェシカを横目に見遣ると、小さく頷いていた。

「それを踏まえた上でまず1つ目。母親であるミディアムが、まだ殺人の計画を立てていた場合。次に殺すとしたら、多分娘のブルーローズだ。その為に、凶器はまだ必要だから隠し持ってる。家のどこかに」

そう言うと、車は右折した。

「それで、2つ目は?」
「2つ目は、ミディアムがブルーローズに罪を被せようとしている場合だ。彼女の指紋がついた凶器を、彼女の部屋のどこかに隠してるって事さ」

ローレンがそう言ったところで、車は静かな住宅街で停車した。2人が車から降りると──雨ざらしになって禿げかかった──青い屋根の家があり、その小さな庭にはバラが沢山植えられていて、水をやった後の土の匂いがした。

時刻は15時半を回り、陽射しは明るかった。

「さて、行きますか」

手袋をはめ、ブルーローズから預かった鍵を使って扉を開ける。玄関は狭く、靴が棚に入りきらずに3足並んでいた。

「君はどっちを探す?」

スリッパに履き変えながらローレンが尋ねと、ジェシカはブルーローズの、と答えた。多少残念に思いながら頷くと、2人は廊下を歩いて家の奥へ進み階段を上った。
2階には3部屋あり、1番手前の部屋は客室になっているようで未使用だった。次の扉を開けると──壁に有名映画のポスターが貼られてある──ジェシカは黙って入って行った。
ローレンはそれを見遣ると、1番奥の部屋へ入った。

「これは、また……」

思わずそう呟いてしまう。部屋の壁紙は全て薄いピンク色のバラをしていて、カーテンは黒いバラ柄。ベッドも赤いバラ柄だった。
部屋のいたるところにバラ柄があしらわれており、軽い目眩がした。確かにブルーローズは出会った頃、母親がバラが好きだ、と言っていたが、これは異常だ。
とにかく、この部屋から──恐らくあるだろう──凶器に使用されたロープを見つけなければならない。うんざりする。だが仕事だ。やらなければならない。自白させる為にも。いや、するだろうか?分からない。
まだローレンは、ミディアムに会っていない。どんな人物か、想像も出来なかった。




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