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第4章
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警察署に戻ると、ローレンはジェシカと共に取調室へ入った。ミラーの向かいに座るブルーローズは、相変わらずうなだれている。
「ブルー、君は母親であるミディアムを庇ってるんだね?」
デスクにファイルを置くと、ローレンはそう切り出した。だがブルーローズはそれに答えず、自身の爪先を見つめている。
「彼女の部屋から、犯行に使用されたロープが発見されたわ。被害者の首に残っていた物と一致し、ロープからは被害者の皮膚片と彼女の指紋も取れた」
そう言いながら、ジェシカは自身のファイルから写真を取り出すと、ブルーローズの前に置いた。写真には、ミディアムの部屋で押収したロープが映っている。
「それは……私が、隠したの」
苦しそうに、ブルーローズが口を開いた。ジェシカを見つめ、懇願するような目をしている。
「ブルー。君は知ってるね?父親が殺された事を」
ローレンはそう言うとデスクに手をついてファイルを広げ、そこからカーズの遺体が映っている写真をロープの横に並べた。ブルーローズの視線がジェシカから写真へと移動する。
「解剖の結果、死後3・4日経ってる事が分かったよ。それにこの花びら。黒真珠って言うんだね。珍しいバラだ」
ファイルから花びらの写真を取り出すと、また横に並べた。
「君が撒いた。と言うより、捧げたんだろ?」
そう言うと、ブルーローズの瞳から涙が零れた。
「止められなかった……!」
両手で目頭を押さえる彼女に、ローレンはハンカチをそっと手渡した。それで涙を拭うと、ブルーローズは話し始めた。
「離婚裁判を始めてから、母は少しおかしくなったの。以前はそうでもなかったのに、何にでもすぐに怒ったりして……」
ハンカチを握りしめ、ブルーローズは唇を強く噛み締めた。
「私とジョンが、両親のどちらにつくか話している時が、1番酷かった。貴方達を産んだのは私よ、2人共私が引き取るに決まってるわって、ヒステリックに怒鳴ってた」
そうブルーローズが言うと、ジェシカは彼女を真っ直ぐ見つめた。
「母親はそう言うものよ」
ローレンは思わずジェシカを見遣った。彼女はまだ独身で、婚姻歴もない。
「えぇ、私もそう思います。だけど、父を1人にするなんて出来なかった。だからジョンと話し合って、私が母に、ジョンが父につくようにしようってそう決めたの。裁判でもそれは認められたわ」
再び涙を拭った。その手元は僅かに震えている。
「それで、母親は何て?」
ブルーローズの左手側に腰掛たローレンはそう質問した。ブルーローズはローレンへ視線を向ける事なく、再び爪先へと視線を落とした。
「判決が出てすぐに、母は法廷内で叫んだわ。私から息子を奪うなんて、貴方は酷いって……」
まだ母親がどんな容姿をしているかは分からないが、想像はつく。静まり返る法廷に甲高い女の悲鳴。取り押さえる警官達。辛そうに顔を歪める姉と弟。
「帰宅してすぐに、母は私に言ったの。自分から息子を奪ったあの人を許さない。罰を与えてやるって」
そこで顔を上げ、ブルーローズはローレンを見た。
「あの夜、電話で母が父をあの空き地に呼び出しているのを聞いていたの。それで……」
「彼女の後をつけた?」
言葉を継いでローレンがそう言うと、ブルーローズは首を振った。
「空き地まで車で送ってくれって頼まれたの。だから私、母を送ったわ。それで車の中から2人の様子を見てたの」
「そして殺人現場を目撃した」
ジェシカの言葉にブルーローズは頷いた。
「あっという間だった。父も激しく暴れて抵抗したけど、そのうち動かなくなって……」
込み上げる鳴咽を堪えるようにブルーローズは目を大きく見開いた。
「それで、君はどうしたの?」
ブルーローズの体は、しゃっくりをするように揺れている。
これ以上聞くのは辛かった。自分が愛する母親の犯行の告白。
だが、2人も死んでいるのだ。仕事だと、割り切るしかない。
「私は……母に駆け寄りました。父は地面の上でぐったりとして動かなくて、母はそれを見て……笑ってました。ざまぁみろって……」
その光景を思い出したのか、ブルーローズは小さく体を震わせた後自身の体を抱いた。
「だから、君は空き地の茂みの中へ遺体を隠した?」
頷く。
「死体遺棄と殺人幇助だ、ブルー。そんな事しちゃあ駄目だ」
優しくそう言った。ブルーローズはそれに対し何度も頷くと、涙を零した。
「えぇ、分かってたわ、いけない事だって。でも夢中だった。母を守るのは自分の役目なんだって、そう思ったの。それで……」
涙を拭う為に顔へ押し当てたハンカチで、ブルーローズは口元を押さえた。涙は幾筋も流れている。
「父のところに向かう前、ローズに行って黒真珠を買ったの。父が好きなバラだったから……」
「ジョンの時も同じ?」
ジェシカが尋ねた。それに頷いて答えると、ブルーローズはデスクに突っ伏した。
ジェシカはローレンを見遣ってきた。
「ブルー、君は母親であるミディアムを庇ってるんだね?」
デスクにファイルを置くと、ローレンはそう切り出した。だがブルーローズはそれに答えず、自身の爪先を見つめている。
「彼女の部屋から、犯行に使用されたロープが発見されたわ。被害者の首に残っていた物と一致し、ロープからは被害者の皮膚片と彼女の指紋も取れた」
そう言いながら、ジェシカは自身のファイルから写真を取り出すと、ブルーローズの前に置いた。写真には、ミディアムの部屋で押収したロープが映っている。
「それは……私が、隠したの」
苦しそうに、ブルーローズが口を開いた。ジェシカを見つめ、懇願するような目をしている。
「ブルー。君は知ってるね?父親が殺された事を」
ローレンはそう言うとデスクに手をついてファイルを広げ、そこからカーズの遺体が映っている写真をロープの横に並べた。ブルーローズの視線がジェシカから写真へと移動する。
「解剖の結果、死後3・4日経ってる事が分かったよ。それにこの花びら。黒真珠って言うんだね。珍しいバラだ」
ファイルから花びらの写真を取り出すと、また横に並べた。
「君が撒いた。と言うより、捧げたんだろ?」
そう言うと、ブルーローズの瞳から涙が零れた。
「止められなかった……!」
両手で目頭を押さえる彼女に、ローレンはハンカチをそっと手渡した。それで涙を拭うと、ブルーローズは話し始めた。
「離婚裁判を始めてから、母は少しおかしくなったの。以前はそうでもなかったのに、何にでもすぐに怒ったりして……」
ハンカチを握りしめ、ブルーローズは唇を強く噛み締めた。
「私とジョンが、両親のどちらにつくか話している時が、1番酷かった。貴方達を産んだのは私よ、2人共私が引き取るに決まってるわって、ヒステリックに怒鳴ってた」
そうブルーローズが言うと、ジェシカは彼女を真っ直ぐ見つめた。
「母親はそう言うものよ」
ローレンは思わずジェシカを見遣った。彼女はまだ独身で、婚姻歴もない。
「えぇ、私もそう思います。だけど、父を1人にするなんて出来なかった。だからジョンと話し合って、私が母に、ジョンが父につくようにしようってそう決めたの。裁判でもそれは認められたわ」
再び涙を拭った。その手元は僅かに震えている。
「それで、母親は何て?」
ブルーローズの左手側に腰掛たローレンはそう質問した。ブルーローズはローレンへ視線を向ける事なく、再び爪先へと視線を落とした。
「判決が出てすぐに、母は法廷内で叫んだわ。私から息子を奪うなんて、貴方は酷いって……」
まだ母親がどんな容姿をしているかは分からないが、想像はつく。静まり返る法廷に甲高い女の悲鳴。取り押さえる警官達。辛そうに顔を歪める姉と弟。
「帰宅してすぐに、母は私に言ったの。自分から息子を奪ったあの人を許さない。罰を与えてやるって」
そこで顔を上げ、ブルーローズはローレンを見た。
「あの夜、電話で母が父をあの空き地に呼び出しているのを聞いていたの。それで……」
「彼女の後をつけた?」
言葉を継いでローレンがそう言うと、ブルーローズは首を振った。
「空き地まで車で送ってくれって頼まれたの。だから私、母を送ったわ。それで車の中から2人の様子を見てたの」
「そして殺人現場を目撃した」
ジェシカの言葉にブルーローズは頷いた。
「あっという間だった。父も激しく暴れて抵抗したけど、そのうち動かなくなって……」
込み上げる鳴咽を堪えるようにブルーローズは目を大きく見開いた。
「それで、君はどうしたの?」
ブルーローズの体は、しゃっくりをするように揺れている。
これ以上聞くのは辛かった。自分が愛する母親の犯行の告白。
だが、2人も死んでいるのだ。仕事だと、割り切るしかない。
「私は……母に駆け寄りました。父は地面の上でぐったりとして動かなくて、母はそれを見て……笑ってました。ざまぁみろって……」
その光景を思い出したのか、ブルーローズは小さく体を震わせた後自身の体を抱いた。
「だから、君は空き地の茂みの中へ遺体を隠した?」
頷く。
「死体遺棄と殺人幇助だ、ブルー。そんな事しちゃあ駄目だ」
優しくそう言った。ブルーローズはそれに対し何度も頷くと、涙を零した。
「えぇ、分かってたわ、いけない事だって。でも夢中だった。母を守るのは自分の役目なんだって、そう思ったの。それで……」
涙を拭う為に顔へ押し当てたハンカチで、ブルーローズは口元を押さえた。涙は幾筋も流れている。
「父のところに向かう前、ローズに行って黒真珠を買ったの。父が好きなバラだったから……」
「ジョンの時も同じ?」
ジェシカが尋ねた。それに頷いて答えると、ブルーローズはデスクに突っ伏した。
ジェシカはローレンを見遣ってきた。
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