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第13章.接待
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都内某所の高級料亭。
撮影に向けての顔合わせと言う事で、社長と共にやって来たのはいいけど、どうして俺なんだろうと、まだ思ってる。
──昨日
1日の予定を確認していると、部長から、社長がお呼びだから、と言われ、社長室──20階建ての最上階にある──に向かった。
エレベーターを降りて殿茶──灰みがかった青緑色──の絨毯を歩く。突き当たりまで行くと社長室があり、軽く扉を叩いた。
「どうぞ」
「失礼いたします」
「よく来たね。早速だが……」
そう言って聞かされたのは、吸収合併の話と、それに伴うCM撮影及び、顔合わせについてだった。
「おめでとうございます」
「ありがとう。で、だ。棟方社長が君のファンでね、1度会いたいと、仰ってる。明日に顔合わせをするから、一緒に来てくれ」
「わ……私が、ですか?」
「あぁ。撮影には鮫島をと考えているんだが、合宿から戻ったばかりだろう?顔合わせには取り敢えず、君が出てくれ」
いわゆる接待、と言うやつなんだろう。気が滅入る。下手をして機嫌を損ねたりしやしないかと、怖くもあった。
「ですが、責任が重すぎます」
「大丈夫だ。社長は君のファン。心配はいらないさ」
そう言われても、接待なんてした事がない。けど、もう辞退など出来ない雰囲気に、分かりました、と、答えるしかなかった。
撮影に向けての顔合わせと言う事で、社長と共にやって来たのはいいけど、どうして俺なんだろうと、まだ思ってる。
──昨日
1日の予定を確認していると、部長から、社長がお呼びだから、と言われ、社長室──20階建ての最上階にある──に向かった。
エレベーターを降りて殿茶──灰みがかった青緑色──の絨毯を歩く。突き当たりまで行くと社長室があり、軽く扉を叩いた。
「どうぞ」
「失礼いたします」
「よく来たね。早速だが……」
そう言って聞かされたのは、吸収合併の話と、それに伴うCM撮影及び、顔合わせについてだった。
「おめでとうございます」
「ありがとう。で、だ。棟方社長が君のファンでね、1度会いたいと、仰ってる。明日に顔合わせをするから、一緒に来てくれ」
「わ……私が、ですか?」
「あぁ。撮影には鮫島をと考えているんだが、合宿から戻ったばかりだろう?顔合わせには取り敢えず、君が出てくれ」
いわゆる接待、と言うやつなんだろう。気が滅入る。下手をして機嫌を損ねたりしやしないかと、怖くもあった。
「ですが、責任が重すぎます」
「大丈夫だ。社長は君のファン。心配はいらないさ」
そう言われても、接待なんてした事がない。けど、もう辞退など出来ない雰囲気に、分かりました、と、答えるしかなかった。
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