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「これでお前は自由だ」
ノッドがそう言った。
「あぁ。だが、この研究は潰してしまわなければ。一切の証拠を燃やしてしまおう」
彼等の企みが、後世に受け継がれないようにしなければならない。そう考えたフィックスは、手の平に炎を出した。
「俺はハンクを助けてくる……」
そう言って目を閉じたノッドの姿が消え、フィックスは部屋中に炎を放った。
何の思い入れもない部屋。
ただ苦痛と絶望だけを感じさせられた部屋。
そんなものは無くなってしまえばいい。
跡形もなく。
橙色が回りを埋め尽くし、シーツの燃えカスが宙に舞った時、小さな声が聞こえた。
『フィックス……愛してる……』
「ハンク……?」
確かにそれは、ハンクの声だった。
微かな声はもう聞こえない。
「ごめん……フィックス」
背後で扉が開き、その風圧で一層炎が強く燃え上がる。
振り返ると、ハンクを抱いたノッドが立っていた。
ノッドがそう言った。
「あぁ。だが、この研究は潰してしまわなければ。一切の証拠を燃やしてしまおう」
彼等の企みが、後世に受け継がれないようにしなければならない。そう考えたフィックスは、手の平に炎を出した。
「俺はハンクを助けてくる……」
そう言って目を閉じたノッドの姿が消え、フィックスは部屋中に炎を放った。
何の思い入れもない部屋。
ただ苦痛と絶望だけを感じさせられた部屋。
そんなものは無くなってしまえばいい。
跡形もなく。
橙色が回りを埋め尽くし、シーツの燃えカスが宙に舞った時、小さな声が聞こえた。
『フィックス……愛してる……』
「ハンク……?」
確かにそれは、ハンクの声だった。
微かな声はもう聞こえない。
「ごめん……フィックス」
背後で扉が開き、その風圧で一層炎が強く燃え上がる。
振り返ると、ハンクを抱いたノッドが立っていた。
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