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秘密の…
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「見たな…」
「あ…うん」
「僕の秘密を…」
「ご…ごめんって!!若葉男なの?」
すろと月夜くんは股間を隠していた手を開き、男である証拠を僕に見せつけてのだった。
「そうさ。この通り僕は男なんだ。これでこれから普通の暮らしができるよ」
「なぜ?こんなことを?」
「それは…」
するとそこへ寮長がやってきた。
「なんだ…もうばれたのか…」
ということは、この僕を寮のみんなで騙していたんだ。と思うと悔しい思いをにじましていると月夜君が
「純って、僕より女の子みたいな感じだね。僕が食べちゃいたいくらいだよ」
「そんな…」
「ハハハ…冗談冗談…」
そんな月夜君の冗談と言っている目までは気づかなかったんだけど、とりあえず、僕自身もこれから気兼ねなく寮生活を送ることができる。そんな安心感もあったのか、この日はぐっすりと眠ってしまった。
***
学校初日が来た。寮からの通学なので当然月夜くんと僕は一緒に登校している。ここ聖都高校は男女共学の高校だなのだ。だからなのか女の子が騒がしい。いや女の子だけでなく男子もうるさい。なぜだろうか?すると俺の後ろを歩いていた影井先輩が
「お前ら…ちょっと考えて歩けよ…」
「先輩。どういうことですか?」
「そりゃ、お前ら二人を見たらみんなこうなるよ」
そこへ一人の女子学生が駆け寄ってきた。
「影井くん…ん?」
その女の子はどうやら影井先輩に気があるようだったが、僕たちを見て顔色を変えた。
「影井君!!この女の子たちは誰よ?」
すると影井先輩は
「俺の新しい彼女候補」
「うそよ!!」
そう叫んだ彼女は走り去ってしまった。このことで周囲の視線は更に集まることになっていた。そんなことを考えている僕の横で影井先輩と月夜君が睨み合っていたとは知らなかった。
こうして、無事に教室に入ることができた。当然、席順は出席番号順だ。俺の前には桃井香と後ろには山田太郎がいたのだった。そして、僕を見るなり
「君!!本当に男なの?」
「男だけど」
「そうなんだ…見た目は女の子に見えるから…あ…気を悪くしたらごめんね…」
そんな話し方の男の子だった。後ろの山田君は朴とつとした感じで
「山田太郎です。宜しく」
見た目はドカベンというよりは丸刈りの好青年だった。そして、俺の横の女の子たちは、興味津々で話しかけてきた。
「あの影井先輩の彼女候補って本当なの?」
「あれはうそだよ…」
「へーそうなんだ!!」
やたら話しかけてくるのは、黒島記理子。彼女はBL大好きな女の子らしい。しかも、僕が先輩と同じ寮に住んでいるものだから、妄想が爆走している。
「それはない」
「なーんだつまんない」
そんなやり取りがあったのだが、とにかく、僕の学校初日は無事に終わった。
「あ…うん」
「僕の秘密を…」
「ご…ごめんって!!若葉男なの?」
すろと月夜くんは股間を隠していた手を開き、男である証拠を僕に見せつけてのだった。
「そうさ。この通り僕は男なんだ。これでこれから普通の暮らしができるよ」
「なぜ?こんなことを?」
「それは…」
するとそこへ寮長がやってきた。
「なんだ…もうばれたのか…」
ということは、この僕を寮のみんなで騙していたんだ。と思うと悔しい思いをにじましていると月夜君が
「純って、僕より女の子みたいな感じだね。僕が食べちゃいたいくらいだよ」
「そんな…」
「ハハハ…冗談冗談…」
そんな月夜君の冗談と言っている目までは気づかなかったんだけど、とりあえず、僕自身もこれから気兼ねなく寮生活を送ることができる。そんな安心感もあったのか、この日はぐっすりと眠ってしまった。
***
学校初日が来た。寮からの通学なので当然月夜くんと僕は一緒に登校している。ここ聖都高校は男女共学の高校だなのだ。だからなのか女の子が騒がしい。いや女の子だけでなく男子もうるさい。なぜだろうか?すると俺の後ろを歩いていた影井先輩が
「お前ら…ちょっと考えて歩けよ…」
「先輩。どういうことですか?」
「そりゃ、お前ら二人を見たらみんなこうなるよ」
そこへ一人の女子学生が駆け寄ってきた。
「影井くん…ん?」
その女の子はどうやら影井先輩に気があるようだったが、僕たちを見て顔色を変えた。
「影井君!!この女の子たちは誰よ?」
すると影井先輩は
「俺の新しい彼女候補」
「うそよ!!」
そう叫んだ彼女は走り去ってしまった。このことで周囲の視線は更に集まることになっていた。そんなことを考えている僕の横で影井先輩と月夜君が睨み合っていたとは知らなかった。
こうして、無事に教室に入ることができた。当然、席順は出席番号順だ。俺の前には桃井香と後ろには山田太郎がいたのだった。そして、僕を見るなり
「君!!本当に男なの?」
「男だけど」
「そうなんだ…見た目は女の子に見えるから…あ…気を悪くしたらごめんね…」
そんな話し方の男の子だった。後ろの山田君は朴とつとした感じで
「山田太郎です。宜しく」
見た目はドカベンというよりは丸刈りの好青年だった。そして、俺の横の女の子たちは、興味津々で話しかけてきた。
「あの影井先輩の彼女候補って本当なの?」
「あれはうそだよ…」
「へーそうなんだ!!」
やたら話しかけてくるのは、黒島記理子。彼女はBL大好きな女の子らしい。しかも、僕が先輩と同じ寮に住んでいるものだから、妄想が爆走している。
「それはない」
「なーんだつまんない」
そんなやり取りがあったのだが、とにかく、僕の学校初日は無事に終わった。
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