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第19話
しおりを挟む一方、俺はというと、別な意味で苦労を強いられていた。それは、タブレット主体の授業をするマニアックな先生ということと、ロリコンの気がある先生だという噂が誠しなやかに流れていたのだ。それは、本田先生にも責任があるんだけど、彼女は、その言動を覚えていない。また、俺は変な拳法の使い手だということになっているらしい。それは、金田一先生のストレートを直撃しても、びくともしなかったことに起因していた。北斗鋼鉄拳と呼ばれているらしい。
そういう訳で、授業中、女子生徒からは避けられ、男子生徒からはビビられている始末。最近、変な対応をしようものなら、自分に気があるのではと女子達が変に勘ぐって来ているのだ。こんな中年のおっさんに惚れる女子中学生はまずいない。と信じていたのだが、逆に、絶対に引いているに違いないと思たら、何がどうなっているのか、何故か、ラブレターまでくる始末。中には、校門で待っていて俺に手渡す女子もいた。とういことで、家に帰ると美沙の嫉妬がすごいこと。
美沙曰く、俺は、ちびでデブで頭がはげたさえない中年おじさんの学校教師、つまり、もし自分へ愛情があったら、絶対的に愛してくれそうだというのだ、しかも、本田先生が妙に俺に好意を寄せている件もあって、実は、変にかっこいい先生より、安全な優良物件ということが、彼女たちの中で、ささやかれているらしい。
しかも、若さでいうと本田先生より、自分たちの方が上だ。と自信を持っているようだった。所詮中学生と言っても妻の美沙も中学生なのだが、そんなある日に事件は起きた。
「たろちゃん~たいへん~!!」
俺が返ってきた途端、美沙が玄関まで走って出てきた。そして、一枚の紙を見せてくれた。その紙を見て俺は、目が点になった。
「げっ!!」
この度は、誠に申し訳ございません。事の経緯をご説明に〇月〇日に訪問したく考えております。問題がないようでしたら、保護者様は、返信欄にご記入をお願いします。
「こ・・これは?」
「家庭訪問をするって、涼子ちゃんが言ってたの~どうしよう~」
美沙も困り果てている様子だった。それもそのはず、俺が保護者ですと言って出て行ったらどうなるかというと、親戚を預かっているだけですということで済むはずだ。そういうことにしよう。
「美沙!お前は、俺の親戚ということにして、俺が預かっていると言ことでは?」
「でも、それって不自然じゃない?それに、美沙は嫌です。美沙はたろちゃんの妻なんでですから~」
なぜ、そこにこだわる。美沙がむくれてしまっている。どうしよう。こんなところにこだわらなくても・・・
「でも・・な・・俺たちが結婚していることがばれると厄介だから・・・」
「確かに・・・そうですけど・・・」
「お義母さんに頼んでみては?この日だけ来てもらうのを・・・」
美沙はしばらく考え込んだ。
「ママに・・・多分・・・無理だと思うけど・・」
こうして、俺たちは、美里さんの元へ向かった。
「コンプライアンス違反ですので、できません!!」
「コ・・・コンプライアンス?」
美里さんは、腕を組んで目を閉じ、口を一文字につぶってしまった。所謂、取り付く島もない状態。
「コ・・コンプ?って何?」
不思議そうに俺に聞いてきたのは美沙の方だった。
「コンプライアンスって、それって、企業が使う言葉ですよね・・」
俺の質問に、片目を少し開け、めっちゃ睨んできた・・・
「だから・・」
「だから・・別に・・・その日だけですね・・」
すると、美里さんは机をダーンと叩いた。思わず、美里抱き合ってしまったんだけど、
「これは、あなた達夫婦の問題でしょ。親である私がでしゃばる問題じゃないわ」
「いやいや・・・美里さんは美沙の親なんですから、保護者としての…」
ダーン!!
「何言っているのよ。あなた達は結婚しているんでしょ。この時点で、私は保護者ではなく、一母親どいうだけよ。あなた達は社会人なんだから、社会人らしく、正々堂々とすればいいのよ。わかった!!」
ダーン!!
「「はい・・・」」
こうして、美里さんの迫力に負けてしまった俺と美沙は、二人でどうしよう・・と悩むのであった。
「もしばれたら・・どうしよう・・・たろちゃんが私のせいで首になったら」
美沙が自分を責めだしてしまった。そんないじらしい美沙を俺はぎゅっと抱きしめた
「た・・・たろちゃん・・」
「大丈夫!!何とかするし、何とかなる」
「うん・・・」
そして、〇月〇日がやってきた。
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