目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt

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第1章 立身篇

第9話 村人 領都へ向かう

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あれから数日が過ぎた。旅たちの時だ。目の前には涙をぬぐうミデァとその娘がいる。一応、彼女は家政婦として雇う事にした。ま、夜のお勤めもこれ以上ないくらいのサービスだ。

だからだろう…

「ご無事をお祈りしております」

などという言葉が出てきたのだろう。俺は領都のサンカルロスへ向かうことになった。領都までは、2日ほどの旅になる。ギルドの前に来ると既にメンバーが集まっていた。そして、引率は、何故かオードリー―だった。

「私は、あくまでサンカルロスまでお送りするだけですから」

「サマンサちゃんと違うのかよ~!!サマンサちゃんが担当だろ!!サマンサちゃんを出せ!!」

ハウエルの不貞腐れた声がした。

「サマンサは、先にサンカルロスへ行っております」

「え?じゃ・・サマンサちゃんは」

オードリーの言葉に顔色が変わるハウエル、なんて現金な奴だ。すると

「サマンサは、ミネルバ様に同行して先にサンカルロスへ行くことになっております」

「なんでぇ~つまんねぇの」

再び不貞腐れたハウエルが俺を見つけたとたん怒鳴りつけてきた。

「村人!!貴様!!サマンサちゃんに手を出すなよ!!」

言っている意味が解らん・・・そんな俺を見て嘲笑するハウエル

「ま・・・荷物運び如きに見向きするはずもないわ・・せいぜい俺たちの食料をなくならねぇ様にするこったな・・・ガハハハ・・・」

周りの連中は、ハウエルの笑いに合わせて笑っている。なんだこの空気は?あいつ俺に倒されたの覚えていないのか?妙にムカつくからぶっ飛ばしてやろうかと思ったんだけど、ここで喧嘩はご法度だ。オードリーもいる。ふと近くをブーン飛んでいた蜂を見つけた。こいつだ

「ガハハハ・・・うぐ・・イテ・・・ぐぁあああああ!!」

ハウエルはその場でのたうち回った

「ゲホゲホゲホ・・・ウェ・・・うぐ・・・うぇ・・・」

そして、口から蜂が逃げ出したのだった。そして、頬のあたりが真っ赤に膨れ上がった。するとオードリーが慌てて、ハウエルへ駆け寄る

「どうしたんですか?」

「ばぎがバギガ・・グヅボババッデ・・・ゲホゲホゲホ」

オードリーは、すぐにヒールをかけて、ハウエルを治療した。

「まじで死ぬかと思った。蜂が口の中に入って来るとは!!」

「ハウエル・・お前、騒ぎ過ぎだ、ガハハ」

「そうだそうだ!!ガハハ!」

皆の笑いがこみあげてきた。そんな様子にハウエルはばつが悪そうだ。ま・・俺がハウエルの口に蜂を入れたんだけど・・・誰も気づいていない。そうか、虫とかだと簡単にできるんだなどと、いろんな悪戯を想像しながら、ギルドを出発、途中、ロウエという街で1泊することになっている。俺自身は、荷物運びということもあって、ギルドから馬を引いてここまで来た。到着すると馬飼い達に荷物の卸方、手綱の止め方、そして、水と食事のやり方を聞いて、一通り作業を終えて、宿に入った。そこにはオードリーのみが残っていた。

「村人殿、皆様は、既に食事を済まされて、遊びに行っておりますが、どうされます?」

遊びに行っているというより女を買いに行っている方が正解だろう。俺としては、馬といたせいか少々臭うような気がする。そう言えば、厩へ入れた時にあいつくそをしていたな・・・

「俺は、先に風呂に入って飯にします」

「そうですか?では、宿の者にそう伝えておきますので」

「オードリーさんは?」

「私のことはわたくしで致しますのでお気遣いなく」

「はい・・・」

風呂に入ると言っても、結局、公衆浴場へ行くことに、カルロス伯爵は、領民の為に公衆浴場を作っている。3文と安い金額でだ。しかも、今回は、経費扱いだそうだ。こうして、風呂で汚れを落として宿へ戻ると食事の時間が終わっているといわれた。

「そんな」

すると女将が

「ジュリーのお店で食べてきてください。そこに、お願いしてます」

念のために、オードリーへ確認すると

「そうですか・・・仕方ないですね。これを・・」

銀貨を一枚出してきたのだった。

「これは?」

「旅の経費です。明日、サンカルロスへ到着と同時に宿舎へ集められ、そこで1週間の共同生活をした後、遠征へ出発となります。羽が伸ばせるのは今日ぐらいですから・・・好きに使ってください」

こうして、俺は、ジュリーのお店に行くことになった。

「いらっしゃい」

結構、にぎやかなお店だ。今回の作戦に参加する数名の顔がそこにあって、みんなエールを飲んで楽しそうだ。カウンターで切り盛りをしているのがジュリーだろう。けっこな金髪美人で、ボンキュッボンの言葉がふさわしい体型をしている。また、従業員も結構可愛いしそれなりの体系をしている。とそこへ俺の目の前に現れたのは

「いらっしゃいませ~ご主人様~」

メイド姿の眼鏡をかけた黒髪の少女だった。

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