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第1章 立身篇
第23話 村人 家を探す
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家に戻って気付いた。
せ…狭い。
これまで一人暮らしだった。やがて、ミデァ親子と3人暮らしまではこの家で何とかなったが、ラークちゃん、アリスちゃん、シャンリンちゃん、お竜ちゃんの4人増えて7人暮らしとなった今は、いくら何でも、スタンバイ村のこの家では狭すぎる。
ということで不動産屋さんへ行くことになった。すると不動産屋の親父は俺を見るなり目を丸くしている。
「村人?君が家を買うって?」
「はい」
俺の言葉を聞くまでもなく机に向かって仕事を再開し始めた。そして、
「君の家は、あの家で十分だ」
冷たい一言をはいて、ささ!!早く帰ってと追い返されてしまった。
所詮雑魚キャラ…なんだけど、お前も同じ雑魚キャラじゃないかと言えるわけもなく見つめている俺に気付いて
「まだいたの?忙しいから早く帰ってくれ」
彼には、雑魚キャラとしての人生を日々精一杯過ごしていて、全く相手にされなかったので、しかたなくギルドを頼ることにした。
するとオードリが対応してくれた。
「そうでしたか・・・村人さんがね~・・・人が増えたのですか・・家ですか・・・そうですね・・・」
そこへハウエルもやってきた。お目当ては、やはりサマンサちゃんらしい
「よ!!村人、よく生きて帰れたな~!!ところで今日は何の用だ?」
「ちょっと、別件で」
「そうか、オードリが相手か‥じゃ…俺は」
意気揚々と受付に向かって行ったのだった。そんな光景を見ているとオードリがスタンバイ村の地図と間取り図を持ってきた。
「ここはどうですか?」
場所はスタンバイ村でもお金持ちのお屋敷がある場所の近くになっている。
「ここは?」
俺の質問にオードリはにっこりとほほ笑んで、間取り図を広げる。
「ここでしたら8LDKですよ。どうですか?」
家というより屋敷と言った方がいいかもしれない。
「大きな家だな…こんな家はとても買えないよ」
するとオードリは微笑んで
「村人さんには特別価格です。金貨10枚でいいですよ。どうです?格安でしょ?」
金貨10枚なんてどう考えてもおかしい。
「安!!安すぎるでしょ・・」
オードリは金貨10枚でいいですと言い放っている。いいお屋敷で格安物件ということは、俺の頭の中に浮かんだ言葉は一つしかなかった。
「まさか…事故物件?」
「ご明察の通り、ここはあのアンガールズ一家の持ち家でした。実は、この間、アンガールズ一家は処刑され持ち主がいなくなったのでギルド扱いになったのです。どうですか?格安ですし、あのアンガールズ一家が使用していたのですから丈夫な家ですよ」
オードリがやけに進めてくる。
「で?家の中に変なものはないだろうな?」
「それは、すべで騎士が捜索して怪しいものや危ないものはすべて回収してありますし、家の中も清掃済みですからお買い得ですよ」
「相談してみます」
俺はみんなの了解を得て、アンガールズ一家の家を見学に行った。
そこは、思ったよりもいい物件だ・・・掃除も行き届いており、特に部屋が8部屋もあり、LDKもしっかりしている。風呂なんかも思ってより大きさだ。そして、何よりもみんながこの家を気に入ったことだった。
見学会が終わった後、オードリは、俺にファイナルアンサーを聞いてきた。
「村人さん。この家を買いますか?買いませんか?」
「買いまーーーーーーーーーーーーーす!!」
俺の一言にみんなが喜んだのは言うまでもなかった。もちろん、現金払いで購入したのは言うまでもなかった。
そして、みんなで大掃除をして、引っ越しを済ませて、初めての夕食、ミデァが自慢の料理作ってくれたといっても、調味料は塩とちょっと辛い味噌のようなものだけだけど、それでもみんなワイワイガヤガヤと楽しく食卓を囲んだのだった。その後は、ご想像にお任せします。
数日後、お仕事探しにギルドへ行くとサマンサちゃんが俺の所にやってきた。
「村人さん、ちょっといいですか?」
「はい?」
「サンカルロスより北東に古代神殿が出現したのですが」
嫌な予感しかしない。また、神殿調査が始まる。この間はドラゴンが出て大騒ぎになったばかりなのに、そう言えば、ドラゴンの言葉を思い出し。考え事をしているとそれを遮るように話をしてきた。
「カルロス伯爵は調査せよと言われています。ギルドとしてもメンバーを集めているのですが」
やっぱり始まった。こんなのに付き合うといくら命があってもきりがない。
「私はDランクですので、荷物運びしか出来ませんが」
「そのことは十分に分かっております」
「でしたら…前回と同様に募集をされたら如何ですが?」
サマンサちゃんはため息をついた。
「それがこの度は、そうはいきません」
「何故です?」
「前回の遠征で費用が嵩んでおります。しかも、今回はアントニアの息子が参戦するそうです」
「じゃぁ。俺達関係ないよね」
「まって!!」
するとサマンサちゃんは俺の手を掴んだ。それは、彼女とミネルバ様との関係にあるようだ。
「一応異母兄弟だから、死んでほしくないの。何とかできない?村人」
「そういわれても、俺は、所詮雑魚キャラだぜ・・・」
「確かにそうなんだけど」
「あの時も偶然、ドラゴンが自己崩壊しただけですよ」
「わかっている」
そうはいっても、目は疑っている。
「では?ドラゴンの娘を何故連れて歩く?」
「あれは、ドラゴンが死ぬ前に、俺に託しただけだ」
「そんな」
サマンサちゃんは肩を落として、部屋へ戻っていったのだった。役仙人の言葉なら、南西の龍が負けることがあれば、守護神がいなくなり。魔王が復活すると聞いた。俺自身の目的は魔王を倒すことになろうと考えている矢先に、見たこともない連中がギルド内に入って来た。
「はい!!皆さん!!僕たちが来たから大丈夫」
彼は勇者リンとその仲間達だった。剣の使い手ギザエフと魔法マリーンとスターシャの4人があらわれたのだった。
そして、俺を見つけるなり
「君、僕たちの荷物運びしない?」
なんてやつなんだ・・・
せ…狭い。
これまで一人暮らしだった。やがて、ミデァ親子と3人暮らしまではこの家で何とかなったが、ラークちゃん、アリスちゃん、シャンリンちゃん、お竜ちゃんの4人増えて7人暮らしとなった今は、いくら何でも、スタンバイ村のこの家では狭すぎる。
ということで不動産屋さんへ行くことになった。すると不動産屋の親父は俺を見るなり目を丸くしている。
「村人?君が家を買うって?」
「はい」
俺の言葉を聞くまでもなく机に向かって仕事を再開し始めた。そして、
「君の家は、あの家で十分だ」
冷たい一言をはいて、ささ!!早く帰ってと追い返されてしまった。
所詮雑魚キャラ…なんだけど、お前も同じ雑魚キャラじゃないかと言えるわけもなく見つめている俺に気付いて
「まだいたの?忙しいから早く帰ってくれ」
彼には、雑魚キャラとしての人生を日々精一杯過ごしていて、全く相手にされなかったので、しかたなくギルドを頼ることにした。
するとオードリが対応してくれた。
「そうでしたか・・・村人さんがね~・・・人が増えたのですか・・家ですか・・・そうですね・・・」
そこへハウエルもやってきた。お目当ては、やはりサマンサちゃんらしい
「よ!!村人、よく生きて帰れたな~!!ところで今日は何の用だ?」
「ちょっと、別件で」
「そうか、オードリが相手か‥じゃ…俺は」
意気揚々と受付に向かって行ったのだった。そんな光景を見ているとオードリがスタンバイ村の地図と間取り図を持ってきた。
「ここはどうですか?」
場所はスタンバイ村でもお金持ちのお屋敷がある場所の近くになっている。
「ここは?」
俺の質問にオードリはにっこりとほほ笑んで、間取り図を広げる。
「ここでしたら8LDKですよ。どうですか?」
家というより屋敷と言った方がいいかもしれない。
「大きな家だな…こんな家はとても買えないよ」
するとオードリは微笑んで
「村人さんには特別価格です。金貨10枚でいいですよ。どうです?格安でしょ?」
金貨10枚なんてどう考えてもおかしい。
「安!!安すぎるでしょ・・」
オードリは金貨10枚でいいですと言い放っている。いいお屋敷で格安物件ということは、俺の頭の中に浮かんだ言葉は一つしかなかった。
「まさか…事故物件?」
「ご明察の通り、ここはあのアンガールズ一家の持ち家でした。実は、この間、アンガールズ一家は処刑され持ち主がいなくなったのでギルド扱いになったのです。どうですか?格安ですし、あのアンガールズ一家が使用していたのですから丈夫な家ですよ」
オードリがやけに進めてくる。
「で?家の中に変なものはないだろうな?」
「それは、すべで騎士が捜索して怪しいものや危ないものはすべて回収してありますし、家の中も清掃済みですからお買い得ですよ」
「相談してみます」
俺はみんなの了解を得て、アンガールズ一家の家を見学に行った。
そこは、思ったよりもいい物件だ・・・掃除も行き届いており、特に部屋が8部屋もあり、LDKもしっかりしている。風呂なんかも思ってより大きさだ。そして、何よりもみんながこの家を気に入ったことだった。
見学会が終わった後、オードリは、俺にファイナルアンサーを聞いてきた。
「村人さん。この家を買いますか?買いませんか?」
「買いまーーーーーーーーーーーーーす!!」
俺の一言にみんなが喜んだのは言うまでもなかった。もちろん、現金払いで購入したのは言うまでもなかった。
そして、みんなで大掃除をして、引っ越しを済ませて、初めての夕食、ミデァが自慢の料理作ってくれたといっても、調味料は塩とちょっと辛い味噌のようなものだけだけど、それでもみんなワイワイガヤガヤと楽しく食卓を囲んだのだった。その後は、ご想像にお任せします。
数日後、お仕事探しにギルドへ行くとサマンサちゃんが俺の所にやってきた。
「村人さん、ちょっといいですか?」
「はい?」
「サンカルロスより北東に古代神殿が出現したのですが」
嫌な予感しかしない。また、神殿調査が始まる。この間はドラゴンが出て大騒ぎになったばかりなのに、そう言えば、ドラゴンの言葉を思い出し。考え事をしているとそれを遮るように話をしてきた。
「カルロス伯爵は調査せよと言われています。ギルドとしてもメンバーを集めているのですが」
やっぱり始まった。こんなのに付き合うといくら命があってもきりがない。
「私はDランクですので、荷物運びしか出来ませんが」
「そのことは十分に分かっております」
「でしたら…前回と同様に募集をされたら如何ですが?」
サマンサちゃんはため息をついた。
「それがこの度は、そうはいきません」
「何故です?」
「前回の遠征で費用が嵩んでおります。しかも、今回はアントニアの息子が参戦するそうです」
「じゃぁ。俺達関係ないよね」
「まって!!」
するとサマンサちゃんは俺の手を掴んだ。それは、彼女とミネルバ様との関係にあるようだ。
「一応異母兄弟だから、死んでほしくないの。何とかできない?村人」
「そういわれても、俺は、所詮雑魚キャラだぜ・・・」
「確かにそうなんだけど」
「あの時も偶然、ドラゴンが自己崩壊しただけですよ」
「わかっている」
そうはいっても、目は疑っている。
「では?ドラゴンの娘を何故連れて歩く?」
「あれは、ドラゴンが死ぬ前に、俺に託しただけだ」
「そんな」
サマンサちゃんは肩を落として、部屋へ戻っていったのだった。役仙人の言葉なら、南西の龍が負けることがあれば、守護神がいなくなり。魔王が復活すると聞いた。俺自身の目的は魔王を倒すことになろうと考えている矢先に、見たこともない連中がギルド内に入って来た。
「はい!!皆さん!!僕たちが来たから大丈夫」
彼は勇者リンとその仲間達だった。剣の使い手ギザエフと魔法マリーンとスターシャの4人があらわれたのだった。
そして、俺を見つけるなり
「君、僕たちの荷物運びしない?」
なんてやつなんだ・・・
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