目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt

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大魔大戦

このはしわたるべからず  作戦2

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「まだ匂いが取れないわ」

マーリンとスターシャは文句をぶぅ垂れている。

「まぁまぁ…」

それを何故かギザエフとビースト仮面が宥めている、一方、勇者リンはというと

「なぜだ?なぜだ?なぜだぁああああーーー!!」

と独り言ちていた。彼らはそんな状態の勇者リンは危険な状態ということで近づこうともしない。そして、そのとばっちりは俺のところにやってきた。

「そういえば、村人は何故、どぶに落ちていないのだ?」

「さぁ?」

「さぁ・・って、貴様!!お前だけなぜあの川に放り込まれないのだ?」

「そうよ!!」

「あなただけ放り込まれないのには納得がいかないわ」

勇者リンの一言でみんなの矛先はすべて俺に向かってきたのだが、俺としても全く理解できない。

「わかりません!!」

「貴様!!そういえば、はしを渡ろうとのしなかったな」

「それは、俺がはじにかかる前にあの虎が現れて、リン殿がそれを倒し、変な連中が出てきたんですよ。俺の出番なんかあるはずないじゃないですか」

「確かにそうだが」

するとビースト仮面がにやりと笑みを浮かべた。

「勇者様!!ではこういう作戦はどうですか?」

そして、俺は再び蚊帳の外に…しばらくして

「村人、ちょっと来い!!」

「へーい」

「今度は、お前が先頭であの橋を渡れ…」

「へ?」

「どうだ・・・いい作戦だろう・・・」

つまり作戦とはこういうことだった。俺だけ、先にはしをわたる。そこへ虎が出てくるので、それもおrが何とかする。さらに出てくる変な連中が俺をあのドブ川まで放り込むまでの間に勇者リンたちははしを渡るということだった。

「ま・・・いいけど。で?本当に成功するのですか?」

「これ以上、完璧な作戦はない」

勇者リンたちはそう言い切ったのだった。

****

作戦当日、俺は勇者リンが言われるがままはしをわたって行った。すると、案の定、白と黄色の虎が目の前に現れたのだった。

ぐぁああおおお!!

ぐぁああおおお!!

そう吠えて威嚇をしてくる。それに対峙している俺なのだが、いつまでも吠え続け威嚇を続けている。

「あれ?」

ぐぁああおおお!!

ぐぁああおおお!!

威嚇を続ける虎を見て俺は不思議に思ったのだった。それは、攻撃する気配は全くなかったからだ。しかし、後ろで勇者たちが

「村人!!何やっている。早くやっつけろ」

ぐぁああおおお!!

ぐぁああおおお!!

そう言われえても攻撃してくる気配のない2匹の虎に俺が徐々に近づくと相変わらず

ぐぁああおおお!!

ぐぁああおおお!!

と威嚇だけをしている。そして、俺はその威嚇する虎の横をすり抜けようとすると虎も驚いて威嚇をやめた。

「あれ?」

俺はすんなりと威嚇する虎をすり抜けてしまった。

「あれ?」

そんな様子を見ていた勇者リンは、

「勇者何をしている!!早くやっつけろ!!」

「勇者殿、簡単にすり抜けられるよ」

「何を言っているんだ!!」

そう叫んで、勇者リンたちはそのままはしを渡り始めた。

すると再び二匹の虎が威嚇を始めた。

ぐぁああおおお!!

ぐぁああおおお!!

「うわl!!この!!」

その虎をあっという間に切り捨てた勇者リンは俺の目の前までにやってきた。

「どうだ?」

すると

「バンザーイ!!」

「バンザーイ!!」

「バンザーイ!!」

そう言って、例の白と黒の法被を着た不思議な連中が現れて勇者たちを取り囲んだ

「え?」

「え?」

「またでた!!」

「この!!この!!」

勇者たちはその怪しい連中と戦ったのだが、

「くそ!!きりがない!!」

するとスターシャが悲鳴を上げた

「きゃああ!!」

彼女は怪しい連中に抱え上げられ、連れて行かれ始めた。

「いやぁああ!!」

今度はマーリンも

「うわああ」

続いてギザエフも、ビースト仮面、そして、勇者リンも抱えあげられてしまった。そして、あれよあれよという間にトンボリへ連れて行かれた。

「いやー!!臭いのもういやー!!」

ザッパーン!!

スターシャの叫びも空しく彼女をトンボリに放り込まれた。そして、次から次へとマーリン・ギザエフ・
ビースト仮面、勇者リンの順で放り込まれたのだった。その様子を俺は呆然と見ているしかなかった。

こうして作戦2は失敗に終わったのだった。
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