リーンカーネーション 小学4年に戻ったおれ

Seabolt

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ここは?

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「いやぁああ!!!おじさん!!やめて!!やめて!!お願いだから!!!」

悠里ちゃんと別れて俺がその場から離れようとした瞬間、彼女の悲鳴が聞こえたのだった。俺は何も考えずに悲鳴がした方へ走っていった。すると俺と背格好が似ているおっさんが悠里ちゃんの手を握っている。と思ったら、悠里ちゃんがおじさんの手を引っ張っていた。

「ママの手を離して!!」

よく見るとそのおっさんはもう一方の手で女性の手を引っ張っていて、激しく悠里ちゃんを振り払った。

「このクソガキ!!離れろ!!」

「きゃっ!!」

悠里ちゃんはよろめいて俺にドンとぶつかった。

「有紀さん今日こそ一緒に来てもらうぞ!!」

「やめてください。警察呼びますよ!!」

そう叫ぶ女性に対し気が付くと腕を肩にまで絡めていた。

「へーそんなこと言っていいの?」

その男は、スマホを片手に画像を彼女に見せたのだった。そんな中、俺に気付いた悠里ちゃんが

「お・・・おじさん・・・」

俺の手をぐっと握った

「おじさん!!ママを助けて」

そこまで言われて助太刀しない訳にはいかない。と俺は男のスマホを取り上げた

「やめないか!!みっともない!!」

するとその男は逆上したのだった。

「貴様!!なんか文句でもあんのか?おら!!」

すごい勢いで怒っているようだけど俺は至って冷静だ。もう一つの手で110番、しかも市外局番を入れて

「もしもし、すみません。女性が襲われているんですが、助けに来ていただけませんか?」

その光景にプツリと切れたその男は、俺に向かって殴りかかってきた。

「貴様!!」

普通の小説であれば、ここはすんなりと避けられるはずだが、そんなはずもなく、顔面にパンチが炸裂した俺は、そのまま道路へ転倒、目の前に迫ってきた車のボンネットにぐちゃと脳天まで響くような鈍い音が聞こえた所までは覚えている。


***

「おい・・・」

何やら遠くで声がする。

「おい!!大丈夫か?」

ん?俺はまだ生きているようだ・・・

「いつまで寝てんだ!!」

バシャ!!

うわ!!冷たて!!!

目を覚ますと上半身が水でびっしょりと濡れていた。

「いつまで寝てんだ!!早く立て!!」

ここはどこだ?とあたりを見回すと懐かしい光景が、小学校のグラウンドだ。そして、俺を怒鳴りつけていたのは、ソフトボールのコーチだった。ということは?俺?だれ?

「佐藤!!早く立って、打席へ戻れ!!」

俺は小学生に戻ったのか?ソフトボールのユニフォームに金属バットと懐かしいとコーチを見るとバッターボックスを指さした。どうやら俺の打順であるようだった。バッターボックスに立つと審判がプレイとコールをした。ピッチャが投げるとビュッとボールが近づいてきた。思ったより遅い。しかも外れている。俺は見逃した。すると味方チームからはため息が聞こえた。

「あぁ~・・・」

その時審判のコールが

「ボール」

よしとなっている味方チームとは対照的に相手チームは

「へい!へい!!バッタービビってるぞ!!」

「大丈夫!!大丈夫!!こいつビビってるから三振や」

ヤジが飛んできたのだった。

周りの面々、同じ学年の絹やん、矢部っち、外やんの顔が見える。ということは、と見ると橋本さんがいる。この時点で俺は4年生、背が小さいからライトの8番のはずだ。しかも、現在の局面はというと、2アウトランナーなしの様だった。ここは、一発でと思っていても多分俺の腕力は大したはことない。うまく当てても、外野フライ、さっきのボールを見た所、ボールにバットは当てられるだろう。と思っていると2球目、ストライクだ!!思い切って振ると

キン!!

サードの左を少し上を抜けて。ファールになった。少し早く振り過ぎた・・・けど思っていたよりボールは飛んでいるぞと思って、もう一度構える。すると、ピッチャーが次のボールを投げてきた。思ったより高めだ。さっきより少し遅らせて振り抜いた。

キン!!

ボールは、サードの頭を上をぬけて、レフト線を勢いよく転がる

「フェア!!」

そのコールにすでに一塁に向かっている足を速めて、2塁そして、3塁へ…ようやく外野が追いついた。いける!!とそのまま、ホームまで走り込んだ。一瞬の出来事に、周りはどよめいたのだった。

「やった!!同点だ!!」

「いつも三振しかしていないやつが・・」

「奇跡が起きた」

実は、最終回で1アウト3塁の場面で、俺はバントに失敗し、しかも、走り込んできた選手と激突して気を失っていたのだった。既に2ストライクだから、今更交代させるわけにもいかずに、みんな試合を諦め倒れていた俺を起こして打席に向かわせたとこと、そして、何故か俺が同点ランニングホームランを打ってしまった。このことは誰も思っていなかったようだった。というより俺ってこの時は人数合わせでいたようなものだったとホームインして今更思い出してしまった。
 場面は再び試合に戻る。誰も俺を褒めようとしなかった。その前のバント失敗の文句ばかり言われた。そして、相手に与えた1点も実は俺のエラーだとか、なんてトホホな・・・ということで、俺は、ライトの守備に入ることになった。ほとんどが右打者、よって、ライトへ飛んでくることはないと高を括っていると打ちそこないが俺の所へやってきた。これくらいは楽勝とフライを取ってセカンドへ投げる。
 送球もまともに投げられたんだけど、そのことを不思議そうに見ていたセカンドの矢部っち・・・そんな変な顔をするなよ。矢部っちは首をかしげながらおかしいと呟いてピッチャーへボールを返したのだった。この回の守りを終えて、結局延長は、3回目に突入したのだった。そして、その回の1番目に打席に立つのは俺だ。さて、どうしたものだろう。あいてピッチャーも元気そうだな・・・

「へーへーさっきのは、まぐれ」

「こいつ三振ばかりだぜ!!」

あいかわらずヤジが飛んできていた。実はこの学校の校庭は、細長い、レフト方向に長いグランドになっている。だから、さっきはレフト線にヒット性のあたりを転がせば、ホームランになるのは当然なのだが、今みるとレフトの守備位置は前の打席の解きよりもやや後ろで、しかも、レフト線に近い所に陣取っている。さっきと同じ打球を打つとレフトフライにしかならない位置だ。しかも、センターもややレフト寄りに守備を映している。しかも、1球目から内角低めにボールがビシッと決まってきた。さすが、ベアーズの監督は違う。ベアーズはここ数年優勝しているチームだけのことはある。俺たちの負けカエルとして有名なフロッグズには負けたことがないのだった。本来なら、7回までで大差がついているのだが、エースの橋本さんが頑張ってくれていたのだった。

「負けガエルさんは、はやく帰りな!!」

2球目も同じコースへストライク、追い込まれてしまった。そんな状態で出来ることはただ一つ、ショートの頭上を抜ける早い打球のヒットを打ちセンターとレフトの間を抜く打球を打つこれしかない。

「へいへい!!バッター手が出ないぞ」

3球目、足を開いて、思いっきりバットを振りぬいた

キン!!

俺は、その足で一塁から2塁へ向かった。その間に、ショートの頭上を抜けた打球は転々と外野を転がっていくのだった。センターをレフトがこれを追っている。俺が、3塁に着いた頃にセンターがボールを取取ることができ、中継へ投げていた。3塁コーチは腕を回していたので、俺は、そのまま突っ込んだ。そして、普通なら滑り込むところを、俺は、そのまま駆け抜けたのだった。

「え?」

ばん!!

俺が駆け抜けた後にボールが届いた。しかも、ベースからだいぶそれていた。

「セーフ!!」

するとベースのそばに立っていた俺は、みんなからもみくちゃにされた。

「やった!!」

「勝ったぞ!!」

そこまではよかったのだが、ベンチに戻ると女子達がいた。確か同学年の森さんと太田さん、箭内さんと
妹のあやめ、その同級生の怜奈もいた。女子達は、負けたみたいで、俺たちが勝ったことにひどく喜んでいた。

「お兄ちゃん!!がんばったね!!奇跡だね」

妹の一言に何かひっかかるんだか

「そうだよ。奇跡だよ!!一日に2本もホームランを打つなんて」

「そうだよ。ライパチ渉(わたる)がだぜ」

「信じらんねーよ」

とか言っていると。コーチから

「明日の決勝も頼むな」

こうして、俺の4年生へのリンカーネーションが始まったのだと・・思う・・・多分。

家に帰ると、真っ先に風呂に入る。当然妹も、関係ない。直ぐに裸になって一緒に入る。しかも、一番下のアンリも入って狭いお風呂はごった返していた。

「おにーちゃんすごかったね」

「そうか?」

「だって、怜奈ちゃんなんかぼーっと見ていたもの」

「そうか?そんなかっこよかった?」

「おねーちゃんたちもすごいって言ってたもん」

そういう妹たちとの入浴が終わると明日の試合に備えて寝ることになった。疲れたせいかサクッと寝ることになった。







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