リーンカーネーション 小学4年に戻ったおれ

Seabolt

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林間学校 7

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―――時間は少し遡る。

 キャンプファイヤーも終り、お風呂の時間がやってきた。各組で前半組と後半組という分け方でお風呂に入ることになっている。もちろん、男女別々で、俺たちは指定されている男子風呂へ入ることになっている。
 当然、男子の中にはのぞきに行きたい奴もいるようだった。だからなのだろう、指定された時間までは部屋で待機するように言われている。俺はというと青木君と中田君、村上君とでトランプをしていた。
内容は、戦争というゲームだった。基本的には数字が大きい方が勝つというゲームなのだが、キングは、エースとジョーカーには負ける。ジョーカーはエースと数字の3に負ける。そして、エースは数字の2に負けるという仕組みになっていた。しかも、もち札は見てはいけないルールとなっている。

戦争開始みなみな開始~!!

そういって、各自もち札を一斉に出す。そして、一番強いカードを出した人が勝ちとなる。たまたま、同じ数字を出した場合は、保留と言ってカードはその場に置かれ、次に出したカードの勝者が総取りすることになっていた。

 実は、こういうゲームは弱い。だから、俺はすぐに負けてしまった。丁度その頃、女子たちがぞろぞろと俺たちの部屋の前を通っていった。
 エッチなことが大好きな山口君がソワソワとしだした。そして、俺のところまできて、何故か、こんなことを言ったのだった。

「佐藤!!ちょっと、おねがいがあるだけど」

「なんだ?いきなり?」

「トイレついて行ってくれないか?」

「は?」

「ここのトイレ、ちょっと暗かっただろう…俺、怖くて…」

普段、そんなこと言うような奴じゃないから、驚いた。

「別に、怖くないだろ?」

「いや…さっき、高峰の奴がユーレー見えたって言ってたから」

高峰といえば、このクラスきっての心霊通、奴が持ってきた心霊写真集は、みんなを恐怖に陥れたものだ。そして、よく心霊話を知っていて、本人も見たことがあると自負をしている奴だった。

「そんなんいるわけないじゃないか」

「たのむ…」

「なんで俺なんだ?」

「他の連中もビビっていて」

「じゃぁ…みんなで行けば?」

すると彼は中田君に視線を送った。

「じゃぁ…俺が行こうかな?」

「え?」

すると今度は村上君も

「俺が行くよ」

更に青木君まで

「俺が行くよ」

するとみんなが俺の方を見た。

「じゃぁ…俺が…」

「どうぞ、どうぞ…」

やっぱりこのネタか…そう思っていると結局、山口君と中田君、村上君、青木君、そして、稲川君もついてきた。しかも、何故か俺が先頭だった。

俺を見つけた先生が

「佐藤!!どこへ行く気だ?」

「先生、こいつらと一緒にトイレに行くんです」

「そうか、じゃあ、ここを通すがトイレより向こうへは行くなよ」

「わかりました」

「しかし、なんでこんなにぞろぞろと行くんだ」

「さっき、高峰君がユーレイを見たって言っていたので…」

すると先生の顔色が変わった。

「ん?そうか…」

こうして珍しくトイレまで行くことができたのだった。するとみんなが俺を取り囲んで

「うわ」

大便の施設へ閉じ込められたのだった。しかも、ご丁寧に電気まで消してくれたのだった。

「おーい・・・だれかー」

そう言ってもだれもいない。俺はしばらく考えていた。丁度その頃、俺を閉じ込めることに成功した4人は、旅館の裏側へ抜けていた。実は、山口君が釣りの最中にトイレに行った時に偶然、お風呂場をのぞける場所を見つけたというのだった。

「あそこか…」

「そうだ…」

「あそこまで行けば、女風呂をのぞける」

「ひひひ…」

「楽しみだな~」

彼らが近づこうとした瞬間、背後から

「う~ら~め~し~や~」

「なんか言ったか?」

一番後ろにいた青木君に中田君が話しかけると

「いや?」

「そうか?」

「う~ら~め~し~や~」

「おまえ…うるさいぞ」

彼らが到着した時には丁度女子たちが入れ替わりの時間だった。

「だれもいねーじゃねーか」

「う~ら~め~し~や~」

すると一番後ろの青木君が振り返って、パニックになっていた。

「#$%&!?」

「あう・・あう・・」

中田君の方を叩く

「なんだよ。青木さっきから」

振り返った中田君も恐怖のあまり声を出してしまった。

「ぎゃーーー!!」

その声にびっくりした残りの二人も後ろを振り返って腰を抜かした

「う~ら~め~し~や~」

そこには青白い顔をしたにーちゃんがいたのだった。当然、その声に驚いた先生たちがやってきて、女風呂をのぞこうとした。彼らを発見し、こっぴどく叱ったのだった。

一方、俺はというと暗闇にようやく目が慣れた瞬間、電気がついた。そして、ドアが開いた。そこには先生がいて

「大丈夫か?佐藤」

「はい」

実は、先生たちは山口君たちを見つけた後、俺がいないことに気付いた。そして、部屋に戻ってもいないこを確認し、山口君に聞いたらここに閉じ込めたと言っていたそうだった。

こうして、俺は無実で終わったんだけど…俺が部屋に戻ると高峰君が

「佐藤の後ろにもじゃもじゃの髪の毛をした顔が長いにーちゃんがついている」

そんなことを言って、怖がっていた。しかし、俺にはその姿は見えなかった。お風呂の時間も無事に終わり、就寝前の自由時間、といっても歯磨きをしてからのちょっとした時間なのだが、山田さん達に囲まれ、尋問を受けていた。

「小林さんには何もしてないのね」

「はい」

「そういえば、あのエロ口(ぐち)と一緒に女風呂を除きに行ったそうね」

「それは、無実だ。俺は便所に監禁されていたんだ」

「本当なの?」

「本当だ」

すると俺たちの横を小林さんが通って

「佐藤君、相変わらずモテモテだね」

「小林さん、そんなこと言って、あなたも佐藤君に気があるんじゃないの?」

「だったら?どうする?」

今日の小林さんはやけに挑発的だ。一体何が起きたんだ?と思っているといきなり俺をぎゅーっと抱きしめたのだった。

「こんなことしたら、どうする?」

彼女の行動にみんなが驚愕して固まった。しかし、次の瞬間!!

「オンバサラダルマキリソワカ!!オンバサラダルマキリソワカ!!オンバサラダルマキリソワカ!!」

高峰君がやってきて、何やらお経をあげ始めた。

「観自在菩薩・・・・」

すると小林さんの動きが止まった。そして、九字を切って

「臨兵闘者皆陣列在前」

と叫んだあと、小林さんに

「アビラウンケンソワカ!!!えい!えい!!えい!!」

すると小林さんは、あたりを見回して俺に抱き着いている状態を見て慌てて、離れたのだった。

「きゃー!!!なにすんのよ?ひょっとして、佐藤君!!私に何かした?」

彼女の行動が理解できないでいると、高峰君が

「小林さんは、なにか憑依されていたんだよ」

「ええ?うそ!!」

驚く小林さんに、俺たちも驚いている。そこへ高峰君が話をつづけた

「多分、女性の念が彼女にこうさせたんだと思う」

「でも、抱き着いたりする?」

「そうよ。フォークダンスでもあんなことする?」

まじまじと真剣な表情で高峰君は憑依について説明してくれた。そして、

「マジで憑依って怖いんだから」

すると小林さんは

「私、抱き着いていたの?佐藤君に?」

「そうよ」

すると彼女は何故かうなずいて、ぼそりと

「これって…運命かも」

その言葉を聞いた途端、彼女の行動に俺たちは驚いた。彼女は俺に抱き着いてきたのだった。

「これも運命だから、好きになってあげる!!。佐藤くーん。だーいすき♡」

この後、しばらく、修羅場が続いたのは言うまでもなかった。


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