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お手伝い
しおりを挟む片付けもひと段落し、私達は食事をしていた。しかし、二人の間にはなんともいえない沈黙が支配していた。そんな気まずさの中、食欲もなく・・・ピザ一切れを食べた所で・・手が止まった。もちろん、高取も無言のまま険しい表情だった・・・こ・・・言葉が見つからない・・・そんな時だった。高取がボソッと呟いた。
「これで・・・おあいこにしよう。さっきは、すまなかった。わざとじゃないんだ・・」
この言葉に救われた。あいこ・・か・・・視線だけを高取に向けるとさっきまでの険しい表情ではなく、むしろ落ち込んでいるみたいだった。
「あ・・うん・・」
私が軽く頷くと高取の手が伸びてきて私の頭をくしゃくしゃと撫でた・・・
「ありがとう・・」
その言葉に驚いた私の目に飛び込んできたのは、やわらいだ表情を浮かべる高取の顔だった・・・
ボン!!
何が起こったのだろう・・・一瞬で顔が暑くなるのが分かった・・そして、俯いて
「わたしこそ・・・」
そう言おうとすると高取がその言葉を遮った。
「いいよ」
そんな時だった。再び携帯が鳴った。慌ててとると母からだった。
「あ・・お母さん・・・うん・・うん・・わたった・・食事はすんだら帰るから・・・うん・・・」
それは、母からの帰宅しなさいと言う連絡だった。母の電話でようやく落ち着いたのか・・・急にお腹がすいてきた。そして、目の前のピザを急いで口に入れるとその光景を見てクスクスと笑う高取の姿が目に入った。
「何よ!!」
「いや・・別に・・」
高取は横を向いて口を押さえて笑いを堪えていた。―――ばつが悪いが仕方がない・・食べないと・・・目の前のピザをほおばっていると高取が席をはずした・・・その背中を思わず追っているとすぐに戻ってきて、スマホを私に見せた。
「ライム交換しない」
「ぐほ!!げほげほ・・・」
急にそんなこと言わないでよ・・・思わず息を飲んだ私は咳き込んでしまった。するとすぐに私の後ろに来て背中をさすってくれた・・・
「大丈夫か?何もそんなに慌てて食べなくても」
咳き込んでいる私はなかなか声が出せない・・・急にそんなこと聞いてくる?そうは思ったがようやく落ち着いた私は大きく息を吸った。
「あのね~」
「教えてくれないのか?」
「そうじゃなくて・・・ま・・いっか・・」
交換をしていると再び母から携帯が鳴り出した。
「はい・・今から・・うん・・」
携帯を切った私・・・
「私・・・そろそろ帰らないと・・」
そこへ高取から驚く言葉が帰ってきた・・・
「そうか・・遅いから送るよ」
「え?」
「いいから・・」
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