おばさんと呼ばないで

Seabolt

文字の大きさ
35 / 45

何が起きたの?

しおりを挟む
週が明けて私と俊介はいつも通り二人で登校をしていると目の前に武が待っていた。

「武・・・おはよう!!」

 私の言葉に振り向いた武、私たちを見て、

「ふーん・・ちゃんと付き合ってるんだ・・・俊介と・・」

「そうよ・・」

 とは言ったものの内心はどきどきだった。ここで俊介が違うといったらもうおしまい・・・って武は顎に手を当て未だに私たちをジロジロと見ていた。

「本当にいいのか?」

「な・・・何聞いているのよ!!」

 そう言った私をじろりと睨んだ武は俊介を指差した。

「真奈美じゃなく俊介に聞いたんだ。真奈美みたいなじゃじゃ馬でいいのか?」

じゃじゃ馬ってなんてこと言うのよ。

「だ・・誰がじゃじゃ馬よ!!・・た・・」

 そう叫んでいると俊介が私の肩を抱き寄せた・・・さっきまで叫びかけていた声も一瞬で止まったほど・・驚き、思わず顔をじっと見つめてしまった。すると俊介は私の方をチラッと見て軽く頷き、武を見た。

「いいんだよ・・」

 軽く息を吸い込んだ武・・・両手を腰にあて、再び私たちをジロジロと見ていた。しばらくして、武は笑顔で私たちの後ろに回り私と俊介の肩を叩いた。

「そっか・・・よかった。俊介・・まかせたからな・・・じゃぁ・・」

 そう言うと武は俊介の肩を数回叩き、私達の前から走り去って行った。

「なに・・あれ?」

「さぁ?」

 私は、ずっと顔を真っ赤にして直立不動だった。そんな状態で学校まで来た私たち、目の前に国府田さんが来ているなんて全く気付くまでもなく、いきなり右の頬に衝撃と鼓膜を張り裂けんばかりの音が私を襲ってきた。

バチーン!!!

 校門に響いた乾いた音・・・その音とともに私の眼鏡は壊れ・・・道端に転がっていた。そして、右の頬に広がって行く痛みとキーンと耳鳴りがしばらく私を襲っていた。

「最っ低い!!!ね あなたって!!」

 そう叫んでいるのは国府田さんだった。しかも、叫んだ後すぐに私の前で目に涙を浮かべ睨んでいる。右の頬を押さえ呆然と立っている私・・・一体何が起きたの?

「何とか言いなさいよ!!それともイケメン二人と付き合って、嬉しいの?」

 そう叫んで再び私の頬に向けて手を挙げた・・・するとその手を俊介が止めてくれた。俊介の方を見た国府田は叫んだ!!

「高取君知っているの?彼女・・隠れて武と付き合っていたこと!!」

 俊介は黙って立っていた・・・けど・・・どういう意味よ!!私は武とは付き合っていないのに・・・

「ちょ・・・ちょっと待ってよ!!わ・・・私が?武と?」

「そうよ!!」

「な・・何かの間違いよ!!」

「何が間違いなのよ!!いい加減にしてよ!!」

 そう叫んだ国府田は俊介の手を振り払い私の胸を数回叩いた。

「なんで・・・あんたなのよ・・」

 完全に泣き崩れたとたん助さんが彼女を支え、私を睨んでいる。けど・・私は状況がつかめない・・だって・・・土曜も・・・それに・・・さっき・・・そう思っていると角さんのビンタが私に炸裂した。

「痛!!」

「いい加減にしなさいよ」

 だからなんでこんな展開で私がビンタをしかも2発も食らわなきゃいけないのよ・・・

「だから一体なんなのよ!!」

「よくそんなこと言ってられるわね!!」

「本当になんなのよ!!」

「いい加減にしてよ!!影でこそこそ付き合っていたくせに」

「言ってる意味が全くわかんないんだけど!!」

美音みおんを振ったのよ。遠藤君が・・・あなたのことを好きだからって!!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

わんこ系婚約者の大誤算

甘寧
恋愛
女にだらしないワンコ系婚約者と、そんな婚約者を傍で優しく見守る主人公のディアナ。 そんなある日… 「婚約破棄して他の男と婚約!?」 そんな噂が飛び交い、優男の婚約者が豹変。冷たい眼差しで愛する人を見つめ、嫉妬し執着する。 その姿にディアナはゾクゾクしながら頬を染める。 小型犬から猛犬へ矯正完了!?

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

自業自得じゃないですか?~前世の記憶持ち少女、キレる~

浅海 景
恋愛
前世の記憶があるジーナ。特に目立つこともなく平民として普通の生活を送るものの、本がない生活に不満を抱く。本を買うため前世知識を利用したことから、とある貴族の目に留まり貴族学園に通うことに。 本に釣られて入学したものの王子や侯爵令息に興味を持たれ、婚約者の座を狙う令嬢たちを敵に回す。本以外に興味のないジーナは、平穏な読書タイムを確保するために距離を取るが、とある事件をきっかけに最も大切なものを奪われることになり、キレたジーナは報復することを決めた。 ※2024.8.5 番外編を2話追加しました!

乙女ゲームの正しい進め方

みおな
恋愛
 乙女ゲームの世界に転生しました。 目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。  私はこの乙女ゲームが大好きでした。 心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。  だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。  彼らには幸せになってもらいたいですから。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...