抜剣少女は魔術教師に恋をする

大天使ミコエル

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36 一方その頃

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 4人で一緒にいたところで、エマの腕は、ヴァルに、くん、と引かれた。
「ヴァル?」
 エマがヴァルを見上げると、悪戯っぽい顔で口に人差し指を当てたので、そのまま手を繋いでシエロとチュチュから離れてしまう。

 内緒で離れちゃおうってこと、かな。

「あの二人、大丈夫かな」
「大丈夫だろ。子供じゃないんだから」
「まあ、知らない場所でもないしね」

 今までだって二人でいることは多かったんだから、大丈夫かな。
 もちろんエマだって、この賑やかな町を、ヴァルと二人で歩きたくないと言えば嘘になる。

「じゃあアイスでも食べて、ちょっと歩こうか」
 見上げると、ヴァルと目が合った。
 その瞳が、やってくる夕陽の光と相まって、キラキラと輝くものだから……、エマは一瞬その瞳に見惚れてしまう。
「いいな」
 ……この不意打ちは、ちょっとヤバい。

 照れるのを誤魔化しながら、店へ向かう。
「す、すすすすいません!アイス2つ!」
「はい!ありがとうございます」
 笑顔のかわいいお姉さんが、アイスを2つ渡してくれた。

「え、えへへ」
 目の前で推しがアイスを食べている。

 デートイベントなんてあったんだ。
 普通の乙女ゲームみたいだぁ…………。
 素敵なスチル……。

 アイスを食べながら、二人で町を歩く。
 いつもよりも人が多くて。
 お店も華やかで。
 色々と目移りしてしまう。

 あっという間にアイスを平らげてしまったヴァルが、エマの腕を引いた。
「エマ、こっち」
「え?」

 連れて行かれたのは、雑貨屋の前に出ている出店。
 並んでいるのは、アミュレットだ。

「ふむ……」
 とヴァルが物色していく。

 ヴァルは何やってても絵になるなぁ。

 にこにこと見回していると、ヴァルがエマの手を取った。
 手のひらに、ころりと小さな石が二つ転がる。

 んん??????

 イヤリング?

 えーと……なんだろう。
 万が一、もしかして…………プレゼント……?

「これって?」

「幸運のお守り」

 それは、紺色の石が付いたイヤリングだった。

「アミュレットは俺も一つ持ってるし、お前も一つくらい持っとけよ。依り代ほどの強いものにはならないけど、魔術道具は持っていて損がないから」

 もしかして、前に買ったアミュレットのお返し、かな。

 ヴァルはあっさりそのイヤリングを買ってしまうと、一つを手に取った。

「…………」

 エマが、ヴァルの手を見守る。

 まさか。

 こんな人前で……。

 予想通り、ヴァルの手がエマの耳へ近づく。

 うわぁぁぁぁぁ。

 店員さんに微笑ましく見守られながら、エマの耳にイヤリングが装着される。

「あ……ありがと」

 こんなの貰っちゃうと、……ちょっと違う意味に受け取ってしまいそうになる。
 多分そんなこと考えてないんだろうけど。

「大事に、するね?」

 ヴァルの顔を見ると、満足そうに笑った。
「ああ」



◇◇◇◇◇



紺色の石は、所謂ラピスラズリ的な。
さて、いつもの二人のイチャイチャでほのぼのデートエピソードも終わりです。
次回は久々に、リナリのお話。
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